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買主のサラリーマンが「墜落する飛行機に乗っちゃった人」に見えた【第2回】

大家対談/森野狼太郎×岡元公夫さん_画像


昨日の第一回に続き、元銀行マンの岡元公夫さんと、大人気辛口ブロガー、森野狼太郎さんの不動産業者対談をお送りします。2回目の今日は、スルガ銀行がサラリーマン向けに積極的に融資をする影で、"行儀のよくない"不動産会社が行っていたこと、スルガショックが収まった後の業界の動き等について語り合いました。

ブログの読者でかぼちゃの馬車を買った人は一人もいなかった

岡元公夫さん
2018年のマーケットを振り返っていかがですか? スルガショックから金融庁の指導まで色々とありましたけど。

森野狼太郎さん
融資については、2017年の春先に、かぼちゃの馬車とは別のサブリース系シェアハウスの融資がとまったじゃないですか。あの段階で、「 これは来るかもしれない… 」と思いました。そこから、ここまで絞られるのはアッという間でしたね。



岡元公夫さん
通帳残高の水増しなど、エビデンス偽装が問題になりましたが、これはある時期からスルガさんがフルローンを出さなくなったからですよね。もっと前はフルローンが出ていたから偽装の必要はなかった。それが1割入れろとなってから、改ざんが一気に広まりました。

森野狼太郎さん
銀行側から改ざんを促したわけではなく、業者の間で「 こうしたら融資が通った 」という話が横に広まったんでしょう。

昔から、「 エントランスが汚いと融資が出ない 」とか、「 テナントのラーメン屋がまずいとダメ 」とか、都市伝説みたいなものも含めて融資の情報ってパッと広まるんですよ。彼らは融資が通らないと仕事にならないので、なんでもやります。

岡元公夫さん
森野さんは、「 不動産会社がフルローンで融資を通すために売買契約書を二つ作っている 」とか、きわどい話をブログで暴露していましたよね。

森野狼太郎さん
それを最初に書いた時は「 殺す 」ってメールが来ましたよ( 笑 )。誹謗中傷もすごかった。ただワタクシの場合、「 クレームが来るってことは書かれて困るってことだな、だったらそこがワタクシの読者のツボだからもっと書いちゃえ! 」っとさらに燃えるんですけどね( 笑 )。

そんなことしていたおかげで、古くからのブログの読者でかぼちゃの馬車を買った人は一人もいませんでした。ただ、最近、よその買っちゃった人から相談に乗ってほしいとメールが来るんです。「 自業自得だろ 」と思いつつも、たまにアドバイスすることもあります。

岡元公夫さん
かぼちゃの馬車の件に関しては、話だけ聞くと自己責任で買った人が悪いというイメージですけど、実際に会って話を聞くと、やっぱりつらくなりますよね。

森野狼太郎さん
買ってしまった人に小さいお子さんがいるとか言われるとね…。ちなみに「 共食い大家 」たちはかぼちゃの馬車がニュースになったとき、「 私は何年も前からこの件に関しては警鐘を鳴らしていました〜 」とか一斉にブログやメルマガに書いていたけど、書いていないから。ほんと、ウソばっかりだから( 大笑 )。

買い主が「 キャンセル待ちして墜落する飛行機に乗っちゃった人 」に見えた

岡元公夫さん
それにしても、スルガ銀行さんは、なぜ見破れなかったのが疑問です。現場がおかしいと思っても、経営陣が行け―! と言ったら、もうやるしかないんでしょうかね。

森野狼太郎さん
当時は銀行員から、「 客がいるから物件を出してくれ 」って電話がかかってきていましたからね。融資のノルマがきついんだろうなと思っていました。

岡元公夫さん
一時期のサラリーマン投資家に対して融資を出す勢いはすごかったですね。だけど、その時に売れた物件の中には、相当な数の買ってはいけない物件も含まれていたと思います。

森野狼太郎さん
これは売主側で立ち会った時の話ですが、買主側がサンタメ業者で、最初の客が流れたのに一週間で代わりの人を連れてきたんですよ。ワタクシ、それを見て、買主のサラリーマン大家が、キャンセル待ちして墜落する飛行機に乗っちゃった人みたいに見えました。

その手の会社のホワイトボードとか見ると、ひどいこと書いてありますよ。客のことを人間じゃなくて、単なる嵌めこみ先と思っている。

それで、嵌められる人って豊洲( 東京都中央区 )の高級タワーマンションとかに住んでいるので、「 この人、住宅ローンもあるのに大丈夫かよ 」って思っていました。

岡元公夫さん
ダメな物件を買っちゃう人って、どんな特徴があると思いますか?

森野狼太郎さん
言うべきことを、ズバッと言えない人ですね。後で訊こうとか言っていると、命取りになるんですよ。

例えば契約直前に重説をメールしてきて、「 気を付けることを教えてください 」と訊いてきた人がいました。すぐに「 ここを確認しないとダメですよ 」と伝えたんですが、「 言えませんでした 」ってメールが来ましたよ。何千万の取引なのに、どうして遠慮するんですかね。

ワタクシ、そういう人に頼まれて、弟とか兄のふりをして、契約に立ち会ったことがありますもん。というか、本来は重説は3日前にもらってじっくりと読み込んでおかないとダメですよ。相当やばいことがサラッと書いてあったりしますから。

銀行も不動産会社も生き残るために必死

岡元公夫さん
スルガ銀行の話に戻すと、本来なら、銀行が歯止めをかけなければいけないのに、今回は反対のことをしてしまった。

それには事情があって、銀行がお金を貸し出す先がどんどんなくなっているからなんです。生き残るためにどこも必死なんですよね。

森野狼太郎さん
それは不動産会社も同じです。不動産投資専門の業者は、1,000本ノックと称して、全国の金融機関に電話をかけまくり、脈があるところをとことん攻めていました。

東京のサラリーマン大家さんで、なぜか新潟や徳島の銀行から融資を引いている人がいるでしょ。あれは、奴らの千本ノックの賜物なんですよ。

岡元公夫さん
地方の銀行は最初、サンタメ取引なんて知らなかったのに、やってみたらうまみがあるとわかって、どんどん業者と組み始めましたよね。

森野狼太郎さん
でも皮肉なもので、「 うちは融資付けが得意です 」って言っていた不動産会社から飛びました( 笑 )。

岡元公夫さん
融資が付かなくなってから、区分マンションの売買にパッと業態を変えた会社も多いですね。

森野狼太郎さん
区分マンションならまだサンタメ取引が可能ですからね。これができるうちは、都内の区分は値下がりしないでしょう。区分マンションは一棟物件と違って低ロットで売りやすいですし、相続対策で買う人はいつの時代もいますから。

岡元公夫さん
結局、銀行と不動産業者がとにかく稼ぐことに必死になったしわ寄せが、サラリーマン大家さんにいったわけですね。しかし、それも続かなかった。


旅団員から送られた狼君3号

スルガ銀行の問題が落ち着いても、元のようには戻らない

森野狼太郎さん
裏技的なことは一気に広まるけど、あとから法律が追い付いてきて、ダメになるのがセオリーです。今回のスルガスキームだって、民泊や長屋と似たようなものでしょ。

だから、はやりものに乗っちゃダメなんです。いつの時代も「 住居を貸す 」ことだけやっておけば間違いないんですよ。

岡元公夫さん
それは一理ありますね。ここ数年、物件価格が高騰していたので、低資本でできて利回りが高くなりそうな民泊やコインランドリーがはやりましたが、かなりの人が失敗か撤退をしています。まさに、本末転倒です。

森野狼太郎さん
ワタクシがいつも口酸っぱく言っているのは、「 5年、10年って安定的にやっていけるの? 」ということ。民泊にいたっては、始めてすぐに管理組合からダメ出しされて撤退した奴らとかいて、「 バカなの? 」って思いました( 笑 )。

岡元公夫さん
まあ、今振り返ってみると、ここ2〜3年は異常でしたよ。

森野狼太郎さん
ワタクシたちから見れば、どうしてこんな高値で買っちゃうの?っていう感じでしたよね。

岡元公夫さん
かぼちゃの馬車の問題が発覚しなくても、いずれはこうなっていたと思います。見方を変えれば元に戻っただけですしね。

森野狼太郎さん
同感です。でも、スルガ銀行だけで終わると思ったら、業界全体に波及したのは意外でした。まだ融資に積極的なところが5つくらい残っていますが、そこが閉まったらだいぶサラリーマン大家さんはきつくなるでしょうね。

岡元公夫さん
そうですね。今後のことをいうと、業者と銀行のやり口がディスクローズされたことで、金融庁からは、教育的指導がどんどん入るはずです。スルガ銀行の不正のほとぼりが冷めても、もう前のような融資姿勢に戻ることはないと思います。


編集後記
「墜落する飛行機に乗ってしまう」という表現はショックでした…。明日の第3回は、サラリーマン大家さんを狙う「共食い大家」についての考察と注意点などを話し合います。お楽しみに。


全4回のテーマ
【第1回】悪い奴らに食われちゃった初心者の話をよく聞いた一年でした
【第2回】買主のサラリーマンが「墜落する飛行機に乗っちゃった人」に見えた
【第3回】多様化する共食い大家。本当に怖いのは「悪意の賢者」よりも「善意の愚者」
【最終回】この世に向こうから飛び込んでくる儲け話は存在しない

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 森野狼太郎(もりのりょうたろう)さん

ookami

都内某不動産会社役員
秘密結社狼旅団団長を兼任

ブログ:狼旅団の地下に潜った不動産ブログ
Facebook:https://www.facebook.com/ookamiryodan
Twitter:https://twitter.com/siokarai_ookami



■ 岡元公夫(おかもときみお)さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

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