今回の大家対談は、元祖・戸建投資家の加藤ひろゆきさんが、ネット芸人で大家でもあるサウザーさんを迎え、つとめ人卒業や戸建投資についてお話を伺います。
初回の今日は、サウザーさんが新卒で入社したブラック企業での悲惨な体験談、ツイッターやVoicyのネット芸人としての活動、大家業を始めて念願のニートになるまでなどをお聞きしました。
ネット芸人とボロ戸建投資でつとめ人を卒業
加藤ひろゆきさん
サウザーさん、はじめまして。加藤ひろゆきです。と言いながら、実はサウザーさんとはセミナー等でこれまでも何度か会っているんですよね。
サウザーさん
そうですね。身元を隠して別の名前で工作活動をしていた時にお会いしています( 笑 )。
加藤ひろゆきさん
去年くらいから、「 サウザーさんのラジオ聴いてますか? 面白いですよ 」と色々な人に言われて、どんな人なのかと思っていました。正体を知ったときは、ビックリしましたよ( 笑 )。
知らない方のためにご紹介すると、サウザーさんはツイッターで2万8,000人のフォロワーを持ち、voicyというネットラジオで長い間、ランキング1位を独占していた、、、えっと、職業はなんといえばいいんでしょう?
サウザーさん
ネット芸人+大家ですね( 笑 )。ボロ戸建て中心の。
加藤ひろゆきさん
それです。そんなサウザーさんは、ネット芸人の活動と並行して貸家を買い進め、1年半前に30代前半の若さでつとめ人を卒業しています。今は福岡県に住んでいるんですよね。今日はわざわざ、ワタクシの住む北海道まで来ていただいて、ありがとうございました。
サウザーさん
とんでもないです。僕、貸家を買い始めたのも、ネットで音声を売るようになったのも、加藤ひろゆきさんから大きな影響を受けているんです。もちろん、加藤さんの本も読んでいますし、CDも持っています。今日はこうしてお会いできてとても光栄です。
ブラック企業で酷使されて、「 このままじゃダメだ 」と思った
加藤ひろゆきさん
さすが、話がうまいですね。声もいいし。さわやかですよ。ところで、勤め人を辞めようと思ったのはいつですか?
サウザーさん
新卒で入ったブラック企業に勤めている時です。昔から一日中ゲームして本読んで引きこもって生きるニートって素晴らしいなと思っていました。
ニートになりたい、その思いを僕は「 青雲の志 」と呼んでいるんです。社会人になって一度は諦めかけたものの、あまりにも会社で酷使されるので、このままじゃダメだと思い、真剣に卒業を目指すようになりました。
当時は、マルクスの「 労働者は搾取される 」、ロバート・キヨサキの「 中流以下はラットレースから抜けられない 」といった言葉を思い出して、これってまさに自分のことだと思いましたよね。
加藤ひろゆきさん
スレイブ、奴隷だよね。クンタキンテだよ。何が一番イヤでしたか?
( 注:クンタ・キンテ、映画ROOTSの主人公、アフリカからアメリカに連れてこられた黒人奴隷 )
サウザーさん
がんばって自分のノルマを早く終わらせたのに、早く帰れるわけじゃなくて、遅れている人の分をやらされるのがバカバカしかったです。先輩の数字を片付けると社内で威張れるんですが、よく考えるとそれも罠だなと途中で気づきました。
社内でほめられたり役付いていい気分になるとか、ボーナス査定A評価で5万アップとか、そんなちっぽけなアメ玉に自由を奪われるのは違う、と自分を奮い立たせました。それで、次の職場を決めずに、辞表を出したんです。
加藤ひろゆきさん
辞めてどうしたんですか?
サウザーさん
Voicyの49話と50話で話していますが、辞めた会社はパワハラもすごかったんです。
参照:聴くだけで勤め人が嫌いになるラジオ その1
参照:聴くだけで勤め人が嫌いになるラジオ その2
頭の病気で入院していた先輩が脳を手術すると言って、手術の前日、「 迷惑をかけてすみません 」と会社にあいさつに来たんですよ。そうしたら上司が、何て言ったと思います? 「 お前、今月の数字、どうすんだよ!」と怒鳴って、詰め始めたんですよ。
加藤ひろゆきさん
ええ!? ひどいなあ。
サウザーさん
そうして中間管理職が下の人を怒鳴るのを、上の人が目を細めて頑張っとるな~ってニコニコ眺めているような会社でした。辞めた瞬間、そういう会社への怒りがこみあげてきたので、思い切って未払いだった残業代を申請しました。
中にいるときは逆らうのが怖かったけど、『 ナニワ金融道 』を読んでいたので、法律で争えば勝てるかもしれないと思ったんです。内容証明を送って、残業時間を整理した資料を出すとすぐに泣きを入れてきて、結局、和解金として170万円をもらいました。
お金をテーマにしたインターネットラジオが予想を超える人気に
加藤ひろゆきさん
やるじゃないですか。それで次の会社に入ったんですか。
サウザーさん
はい、まだ大家業を始めていなかったので、また就職活動をしました。二社目は最初の会社とは正反対のゆるふわホワイト企業で、いわゆるルート営業の仕事でした。ラクでしたが、みんなウソの報告書を書いていて、これって旧日本軍と同じだと思いました。
報告する側だけじゃなくて、上司も真実を求めようとしない。悪い報告を上げてくるなという空気でした。自分も最初は抵抗があったんですが、次第に他の人と同じようにウソの報告書を書くようになっていました。
加藤ひろゆきさん
なるほど。日本軍も台湾沖海戦やマリアナ沖海戦のときとか、悪いことを隠していましたね。
( 注:盛り盛りの大本営発表を当の自分たち大本営が信じ、甘い見通しで作戦を立て、マリアナ沖海戦では帝国海軍がほぼ壊滅。台湾沖航空戦ではアメリカ軍の損害は軽微なものであったのに、日本軍は大戦果と誤認した )
サウザーさん
誰も責任をとらないんです。ノモンハン事件じゃないですけど。
加藤ひろゆきさん
なるほどね。あれは辻政信( 大本営参謀・作戦課 )が悪いね。インパール作戦の牟田口中将もそうですが、一生懸命やるバカが一番タチが悪いですよ。だけど、体はラクでも、ウソの報告書を書き続けるとか、心の方に負担がかかったんじゃないですか?
サウザーさん
そうなんです。結局、5年勤めて辞めました。この会社に勤めている途中で不動産投資を始めていて、家賃収入が25万円以上あったので、なんとかなるかなと。ネット芸人の方でも収入があがってきていたので、それも背中を押しましたね。
加藤ひろゆきさん
つとめ人の頃から、ネット芸人を始めていたのですね。
サウザーさん
はい。ツイッターで恋愛の話題をつぶやくと思いのほか人気が出ました。その勢いでネットラジオのvoicyも始めてみたら、ありがたいことにたくさんの方に聴いてもらえるようになりました。
加藤ひろゆきさん
そういえば、ふんどし王子とポールさんがゲストのときのラジオ、聴きました。面白かったですよ。
サウザーさん
ありがとうございます。あの時は富山まで収録に行ったんですよ。voicyにはこの二人以外にも、色々な方に出ていただきました。
ツイッターではナンパとか女性攻略みたいな内容が中心だったんですが、voicyを始める時に思い切って方向転換して、「 お金 」や「 経済的独立 」をテーマにしました。文字よりも声の方が人間っぽさが見えて勇気を与えられるみたいで、予想以上にヒットしましたね。
ネット芸人としては、つぶやいたりしゃべったりするだけでなく、「 白熱教室 」というオーディオブックを作って売っています。僕自身がオーディオブックでよく勉強していたので、自分でもやってみたくなって。
ナンパも不動産投資も成功のカギは「 メンタルブロックを外す 」こと
加藤ひろゆきさん
へ~。ナンパから不動産って、守備範囲が広いですね。
サウザーさん
ハリウッドでモデルさんたちをナンパしていた加藤さんにこんなことを言うのは釈迦に説法ですが、ナンパってメンタルの問題が大きいんです。
女性に声をかけられないのは、メンタルブロックがあるからなので、それさえ外せればけっこううまくいったりします。不動産投資もメンタルブロックを外すことが大事なので、そこは共通点かなと思います。
加藤ひろゆきさん
確かにそうかもね。それにしても、モデルのアイリーンちゃん、懐かしいですよ。あの頃は黄金のメルセデスの助手席に女の子を乗せて、フリーウェイをアクセル全開でブンブンいわせて、楽しかったですよ。
サウザーさん
ちょっと今は健美家さんの対談なんで深掘りしませんが、その話、あとで詳しく聞かせてくださいね( 笑 )
加藤ひろゆきさん
ウイ( フランス語・笑 )
編集後記
きちんと話すのが初めてとは思えないほど、初回から盛り上がったお二人の対談。サウザーさんのブラック企業の話はショッキングでしたね。次回はサウザーさんが最初に買った区分マンションでの失敗や、大家がDIYをすることの価値などについてお話しします。お楽しみに。
全4回のテーマ
【第1回】サウザーさん登場! ブラック企業で酷使されて、「このままじゃダメだ」と思った
【第2回】最初に買った区分マンションでの失敗と教訓。DIYを経験するメリット
【第3回】どんな物件をどこに持つか。家賃収入を生活費に充てて、やりたいことをやる
【最終回】いくらあれば辞められる? つとめ人で人生を終えるのはつまらない