対談形式の新連載「 俺たちの不動産投資について語ろう 」。アパート経営に挫折したものの、リッチになる夢を諦めきれないまりおさんが、加藤ひろゆきさんに聞いた「 お金で困らない秘訣 」とは? 連載3回目の今回は、銀行で加藤さんが500万円をおろしたあと、レストラン経由で事務所に戻り、実際に物件を検索しながら格安戸建て投資で成功する方法を学ぶという忙しい展開になりました・・・。
■ 大金があると、自然と笑っちゃいますね

まりお画伯、お待たせ。決済のために500万円おろしてきたよ。さあ、このお金は8分ズボンのポケットに入れてっと。そばでも食べに行こうか。

ニヤリ

はい。なんか、お金がいっぱいあると笑っちゃいますね。

ウフフ。そうだな。さあ、着いた。何でも好きなものを食べたまえ。

ありがとうございます。そういえば加藤さん、銀行の人と長い間、世間話してましたね。加藤さんは、レストランやホームセンターでも、すぐに誰かに話しかけたり、大きな声で歌ったりするじゃないですか? あれって何か意図があるんですか?

あれは、恥ずかしさに耐える訓練なんだ。1,200万円の家に400万円で指値を入れたりするのって、ちょっと恥ずかしいだろう? だから、日頃から知らない人に話しかけたり、勝手な歌を歌ったりして、自分の心を鍛えている。

そうか。オレ、なんてフレンドリーな人なんだって思ってました。いつでもどこでも精進を忘れないのがすごいですね。

いやいや、それほどでも。さあ、血糖値が上がったところで、事務所に戻って、ネットで物件を探してみよう。

■ 大切なのは、どこに自分の基準を置くか

どうすれば加藤さんのように状態のいい戸建てを安く買えますか?

物件を一杯みて、とにかく買付を入れること。大切なのは、どこに自分の基準を置くか。昔、坂本龍一先生に、「 坂本先生の音楽は日本国を意識しているんですか 」と聞いたら、「 日本人だから日本が基準になるんだ 」って言っていた。自分の基準を持ち続ければ、それがその人のスタイルになってくる。

そうか〜。

毎日、見続けると相場がわかってくる。定点観測する中で、いい物件が出たら見に行って自分の基準で買付を入れる。この繰り返し。その中からいくつか買える物件が出てくる。

あ、長野に690万円の家がありました。

なかなかいいね。見に行って指値を入れてみたら? ワタクシは売値の55%を目標にしている。

利回りの基準はどうしていますか?

細かい利回りというより、ザックリ300万円で買って6万円で貸せればいいなという感じ。あとは、3LDK以上のものがいい。最近、妹の202が近所に買った戸建ては、40%オフの指値を入れて、30%オフで買えたよ。
■ 問題は売値ではなく、いくらで買うか

このあたりの貸家の家賃って長野と同じくらいなんです。でも、家の売値が全然違うんだよな〜。

付いている値段を見れば、そうかもしれない。問題は売値ではなく、いくらで買うか。よっぽど近所とかならまた別だけど、本体価格500万円でスタートできないと、おいしくならない。

全ては確率の問題。たくさんの物件を見て、買付を入れるんだ。

長野って大きい家が多いんですよ。だから、値段が高いんでしょうね。竹内かなとさんも、こじんまりしている家がいいって言っていました。そのあたりはどうなんでしょうか?

確かに、土地が狭いと安く買えるというメリットはある。土地が半分でも家の大きさが同じなら家賃は同じだから。ただ、大きい家には大家族の需要がある。問題は大きさじゃなくて、この家をこの値段で買えればいい、という自分の基準。基準がぶれると、不動産屋のペースに巻き込まれてしまう。

なるほど。

とにかく中を見ること。外見はキレイだけど犬臭いとか、入ってみないとわからないことも多い。ワタクシも過去に、外は古いけど、中は600万円かけてリフォームされたばかりという家を格安で買ったことがある。

リフォーム代はどのくらいかけますか?

20万〜30万円で収まれば一番いい。でも、中には100万円かけたものもある。例えば380万円で買った美人のお嬢様が住んでいる戸建ては、リフォームに130万円をかけた。でも、この家は年に100万円の売り上げがあるので、すぐに元がとれた。

リフォームの利回りも考えないといけないですよね。オレは家賃の何十倍もリフォームにお金をかけたのが失敗でした。

確かに。でも、リフォームが物件の価値を上げることもある。不動産がいいのは、貸している間もさほど価値が減らないこと。500万円で買って、5万円で貸して、10年後に500万円で売れるかもしれない。
■ 成功している人は、見切ることや断ることが上手

やっぱり一棟目が大事ですか。

イエス。ワタクシは80棟見て4回買付を入れて玉砕して、5回目の買付でようやく買えた。勝負は買う時に決まる。ダメだったから売ろうと思っても、簡単に売れるものじゃないから。

オレ、買う前にネットで毎日、物件を見ましたし、実物もかなり見に行ったんです。でも、これはオレの悪いところなんですけど、気になる物件があるとどうしても欲しくなっちゃうんですよ。調査の段階でその気になって、後に引けなくなるんです。

そういうときは値段でストップをかける。いい物件だけど、買うなら500万円で、600万なら買わない、と決めてしまう。ワタクシも年末に買った無傷の300坪はのどから手が出るほど欲しかった。でも、回せることが大前提だから、値段が合わないと意味がないと思い、根気よく交渉して購入した。

国道沿いの無傷の300坪も粘り強い値段交渉の末購入した

買えたときはいいですよ。でも、散々交渉したり、話を聞いたりしたけど、条件が合わなくて断る場合はどうですか?気がひけちゃいませんか?

仲介業者さんのことを気にするなら、電話で物件の住所を聞いて一人で見に行って、よさそうなときだけ中を見せてもらうようにすればいい。あとは、交通費を2,000円くらい渡すとか、2〜3日検討させてくださいといって遠まわしに断るとか、方法は色々ある。

成功している人って、見切ることとか断ることに抵抗がないっていうか、そのあたりがシビアですよね。知り合いにパチンコで年1,300万円稼いでいる人がいるんですけど、4時間並んでもいい台がなかったら帰るんですって。オレなら4時間並んだら絶対に打ちたくなります。

儲けがないことより、損しないことの方が大事。損しないためには、勝負に出ない方がいいこともある。忘れてはいけないのは、自分の基準を守ること。敵のルールに乗ってしまってはいけない。

最初に基準を作っても、一人で考えているうちに、何が正解がわからなくなってしまうんです。オレ、相談できる仲間とかいなくって。ここに来て、加藤さんがぬまってぃさんや屯田兵さんと情報交換したり、手伝ってもらったりしながら、チームを組んで動いていることにすごく驚いたんです。楽しそうだし、いいなーって。

そうか。まりおはいい奴だから、すぐ仲間もできるよ。よかったら、ワタクシのセミナーに来てくれた長野の大家さんを紹介するから、連絡してみるといい。

仲間がいると不動産投資が楽しくなるよ
○ そんな二人の最新刊が発売中です

田舎で大家になってシンプルに暮らす101の方法( ぱる出版 )

リスクonまりおくん( ダイヤモンド社 )
○ 次回以降のテーマ
最終回、【 オレ、欲がありすぎてダメなんですかね?】
イラスト協力:原田ミカオさん(加藤ひろゆきさんの顔)
写真撮影:張田満さん
お手伝い:屯田兵1号さん、ぬまってぃさん(運転、ジュース購入等)