対談形式の新連載「 俺たちの不動産投資について語ろう 」。アパート経営に挫折したものの、リッチになる夢を諦めきれないまりおさんが、加藤ひろゆきさんに聞いた「 お金で困らない秘訣 」とは? 最終回の今回は貧乏生活の悲しさ、お金としあわせの関係、まりおさんが不動産で再生するためのポイント等について語り合いました。
■ 本の印税が入ったら、そのお金を不動産に変えたい

まりお画伯はマンガの才能があるからすごい。そういえば、FXの本、読んだよ。面白かった。個人的にはみっちゃんのファンなんだ。

まりおさんマンガの不思議な登場人物「みっちゃん」

ありがとうございます。みっちゃんは実在する人物なんですよ。ただ、FXについては、もう6年も負け続きなので辞めようと思っています。センスがある人は、2年以内にドカンと勝てるようになるみたいで。

そうか。まりおにはできれば不動産に戻ってほしい。FXのように消えてゼロになることはないし、執筆活動と大家って相性がいいよ。

本の印税が入ったら、そのお金を不動産に変えたいっていう気持ちはあるんです。そういえば、加藤さんは文章はいつから書かれてるんですか?

40を超えるまで書けなかった。勤め人時代に会社のくだらない日報とか書いてたけど、内容よりも文章の長さが評価されるという変な会社だった。出版社に勤めていたときも、読むばっかりで書くことはなかったな。そういえば、まりおのお祖父さんは小説家だったんだって?

そうらしいです。

かっこいいな。まりおの才能はそこから来ているのかもな。
■ 部屋に生えていたキノコを食べようか悩んだ貧乏時代

全然違います。オレは昔から貧乏で、何やってもダメなんですよ。高校を卒業して池袋で一人暮らしをしていたときも、食糧が買えなくて、部屋の床に生えてきたキノコを食べようかと本気で悩んだくらいです。そのときからあんまり成長していないっていうか。

いや、まりおにはマンガの才能があるよ。本だって3冊も出している。それってすごいことだよ。それに、若いうちは色々経験した方がいい。オレは高校のときからオートバイに乗って、26才のときはメルセデスでブイブイいわせていたから、やり尽くした感がある。中年デビューだと欲求にキリがなくなるけど、先取りしたからあとがラクだよ。

まりおのやっていることはすごいことだよ。

確かに、貧乏だけど好きなことは色々やりました。東京には遊ぶところもたくさんあったし。加藤さんは若い時にアメリカに行ってよかったですか?

イエス。20代で行ったのがよかった。今から行っても言葉を覚えるのが大変だし、体力も落ちてるから疲れるだけ。アパートだってそう。60才になってからスタートしても、誰も教えてくれない。若いうちは、反対されても、やりたいことはやった方がいい。まりおはまだ、何だってできるよ。

オレ、FXは損ばっかりだし、本業も不景気だし、マンガはやればやるほど睡眠時間が減るし、どうすればいいですかね? 描くのが遅いから、時給にしたら100円くらいになっちゃうんですよ。お金を貯めるのが大変なんで、ドカンと儲けたいんです。

また物件を買って再生するんだよ。FXとか株って打率の問題だから、当たらなければどんどん損をする。でも、不動産はいい球が来るまで待っていても損はしない。ゆっくり狙ってヒットを打てばいいんだ。お金に余裕ができたら、時給なんて気にせず好きなマンガが描けるよ。
■ 自分にお金がないと人にやさしくできない

お金持ちの人って、お金のためじゃないとか言うじゃないですか? オレ、欲がありすぎてダメなんですかね? お金お金って言い過ぎなんじゃないの?って言われるんです。

いやいや、お金も大切だよ。自分にお金がないと人にやさしくできない。自分がお腹一杯じゃないと、人にご馳走もできない。貧乏だと周りに迷惑をかけるじゃない。オレも人に食べさせてもらったことがあるけど、みじめだった。

加藤さんでもそんなときがあったんですね。

うい。少しだけどタクシーに乗っていたときもあるし、父親にも心配をかけた。不動産投資に出会ってからだよ。今のようにダラダラ好きなことをできるようになったのは。

加藤さんの財布はワニ革製

そうか。やっぱり、不動産ってすごいですね。

そう思う。それに、お金があると、悩みが減る。お金が充分にあれば、世の中の夫婦ケンカも減ると思う。それに、投資家が集まれば、やっぱりお金の話をするよ。ただ、株やFXと違って、不動産の場合はペンキ塗ったり、入居者さんと交流したりっていう別の面白さはあるね。
■ 5万円手取りが増えると、1ランク上の生活ができる

あと、お金があってもみんな幸せってわけじゃない。それは考え方によると思う。

お金があっても不幸な人なんていますか?

イエス。そういう人は、リターンを大きく求めすぎているのかもしれない。知り合いで、何億円も投資していて、何千万円も家賃収入がある人が、ビルから飛び降りた。歯車が狂って、レバレッジが逆回転しちゃったんだな。もともと、ビジネスをしていて裕福な人だったのに、もっと金持ちになりたかったんだろう。

オレも、そこまでは追い詰められなかったけど、正直、他人事じゃないですよ。請求書が届くたびに胸が痛くなるくらい、つらかったから。

つらい経験は後で必ず生きてくるよ。

個人的に、5万円って大金だと思うんだよ。5万円のありがたみをわかっている人が、貸家を一軒持てば人生はかなりラクになる。家賃が入るだけでなく、いろんなお金を経費化できるからね。

オレ、5万円手取りが増えると、1ランク上の生活ができるっていうイメージがあるんです。5万円の余裕を追い求めて、いろんなことをやってきたっていうか。

外食も行き放題だし、読みたい本を買うのも我慢しなくていい。ご飯に誘われても、財布を気にせずにOKできる。
■ 建築関係の人っぽく見えるとなめられない

わかります。オレは飲みに誘われても、お金がないって断ってしまうレベルだから。なんだか、やる気がわいてきました。オレ、次は戸建てを現金で買いたいです。コツってありますか? 服装とかも気を付けた方がいいですかね。

それはあるね。建築関係の人っぽく見えるのがいい。ワタクシも8分ズボンでメルセデスに乗って現場にいくと、みんなキリッとした顔で迎えてくれる。

オレ、容姿からもうダメみたいで、業者さんとかにすぐ、なめられるんですよ。リフォーム屋さんもそうだし、みんな、出会った瞬間にオレに対して上から目線なんです。

パンチパーマだよ、まりお。


そうか! オレ、2014年はパンチパーマをあてて、現金を貯めて戸建てを買いますよ。北海道に物件を買ったら、相談に乗ってくれますか?

もちろん。いつでも歓迎する。またこっちに来たらワタクシの事務所に泊まってくれ。まりおの不動産での再生を心から応援している。

また来いよ!
(まりおさんを見送る屯田兵1号さん、ぬまってぃさん、加藤さん)
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リスクonまりおくん( ダイヤモンド社 )
これで加藤ひろゆきさん×まりおさんの連載対談は終わりです。パンチパーマ作戦を伝授され、不動産投資での再挑戦を決意したまりおさんに、大きな幸がありますように。
イラスト協力:原田ミカオさん(加藤ひろゆきさんの顔)
写真撮影:張田満さん
お手伝い:屯田兵1号さん、ぬまってぃさん(運転、ジュース購入等)