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昔も今も・・・バカな相続対策

たかおさん_画像 第25話

「 相続が争族にならないようにしっかりと対策を考えて遺言書に残しておきましょう 」

四半世紀前に新人の信託銀行員として顧客向けセミナーの講師を務めた時の第一声ですが、25年経った今でも普通に使えそうなフレーズです。

そして、相続対策と言えば「 遺言書 」と「 不動産 」であるのは昔も今も同じ。今回は25年前の相続やその対策として用いられた不動産投資について振り返りながら、現状と比較してみたいと思います。

現在「 遺産争族 」というテレビドラマが放映されていますが、他人事のように見えて、実際には頻繁に起こっています。それは財産のあるなしに関わらず、一般的と言っていいでしょう。

まとまったお金を手にするチャンスが普通は、退職金と生命保険と遺産相続しかないのですからその権利者であれば、日頃より主張が強くなるのは仕方ないことだと思います。そういう前提に立てば、遺言書を残すことは被相続人としての義務だと考えるできでしょう。

私は信託銀行に7年勤める間に、30通以上の遺言書を書くお手伝いをしました。信託銀行の場合、遺言信託といって遺言書を預かるのも仕事でしたが、その作成のサポートをするのは、意義があり好きな仕事の一つでした。

ちなみに、遺産分割にばかり目が行きますが、「 被相続人の想いを載せる 」のが最も大切なことだと信じて作っていました。その一方で、最悪だったのは遺言書のない遺産分割協議をまとめる仕事でした。

まさにテレビドラマに出てくるような世界で、被相続人が死亡してから10カ月と定められた相続手続き期間中は、状況が二転三転し、短すぎると感じるくらい大変でした。二度とやりたくない仕事の一つです。達成感もなく徒労感だけ残ったのを覚えています。

現在、そんな問題意識は当時以上にあり、遺言書に基づいて相続を行えば相続税を軽減する「 遺言控除 」の導入も検討されているようで2017年の税制改正で盛り込まれる見通しとのこと。あの不毛な戦いによる全てのロスを考えれば全然安上りの良い政策だと思います( 笑 )。

さて、続いては、25年前に行われていた節税を目的とした不動産投資についてです。当時は不動産バブルの頂点前後の微妙な時期でしたが、税制が変わって相続増税となった現在以上に、節税を目的とした不動産投資は盛んに行われていました。

その中で対象を大きく二つに分けると、「 高額所得者 」と「 地主 」となります。戦略はそれぞれ違いました。

高額所得者は、当時の所得税の最高税率が60%( 現在は今年40%から45%に上がった )であり、かなりの重税感があったので、マンションなどの建物や設備中心に不動産投資を行い、その減価償却費を所得税と損益通算するという手法が取られました。

私も物件の仲介・紹介をしたり、一棟の持ち分を小口化した商品などを販売しましたが、この手法はその後給与所得が損益通算できなくなったため下火になりました。

一方、地主は相続税対策が急務でした。当時の相続税の最高税率が70%( 現在は今年50%から55%に上がった )であり、不動産バブルの影響で土地価格が全国的に急騰していたので、相続対策セミナーや相続税の納税予想額を試算する相談会はいつも満席でした。

対策としては、

「 土地の上に賃貸物件を建てて相続税評価額を下げましょう 」
「 その際には目一杯銀行からお金を借りて資産と負債を両建てにしておきましょう 」


などのありがちなものばかりでしたが、実際に対策後の試算をすると納税予想額は大きく減じるので、大きな投資にも関わらず、その他のリスクを考えずに踏み切るケースが多かったように思います。

その後のバブル崩壊で、その多くがトラブルに発展し、結果を知っている現在から見れば、「 バカな事を・・・ 」と思うかもしれません。

しかし、当時現場にいた者から見れば、先祖代々の土地を持っているだけで、相続税の納税予想額〇億円とか言われたら、何か対策をしたいと思うのは致し方ないことだと感じていました。

ちなみに、当時はバブル期でしたので土地や建物の値段設定が高く、いわゆる投下資金に対する家賃収入で見た投資利回りは2〜4%なのに対して、借入金利は6〜8%でした。つまり、4〜6%の逆ザヤです。

当時は空室リスクはほとんどなく、大半は満室運営でした。それでも毎年5%前後の持ち出しは想像以上に厳しく、その後、所有不動産の全てを手放したという話を何度も聞くことになりました。

バブル期まで日本の富裕層の中心であった地主がこの後に多く没落するのは、単に不動産の価格が乱高下した結果ではなく、このような相続税騒動がその一因であり、取り巻く銀行や不動産・建築会社、税理士にも原因の一端はあると思います。

ところで、現在の不動産投資の世界においては、空室率20%が現実化しており、空室対策が最大の課題ではありますが、当時と違って借入金利が圧倒的に低く、その分の利ザヤが潤沢で投資環境としてはかなり良い状態だと思います。

相続対策として、「 タワーマンション節税 」なるものも出現しました。しかしながら、これもバブル期同様に「 不動産の価格は上がるもの 」という前提で組み立てられており、当時の相続対策の多くが失敗に終わったように、後から見れば「 バカな事を・・・ 」という結果になるように思えます。

現在と25年前を比較して見ると、変わった所と変わらない所、良い点と悪い点、様々ありますが、空室率が高いのに借入金利が上がったら目も当てられません。

アベノミクスの後に待っているのは、スタグフレーションでしょうから金利上昇にはご注意下さい!

               2015年11月下旬 事務所にて
                   たかおさん

                                                                

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ たかおさん

たかお

投資家(生涯一投資家)

東京都在住
妻と長男、長女の4人家族

不動産投資を始めたきっかけなどが詳しく載っています↓
大家列伝【前編】
大家列伝【後編】

■ 経歴

□1966年
大阪生まれ

青年時代に父親の会社が倒産し、商売には浮き沈みがあることを実感する

□1984年
ウォール街をテーマにした映画を観て、マーケットの世界に入ることを決意

□1990年
「30歳で辞める」と宣言して信託銀行に入社

□1997年 
ヘッドハンティングで外資系金融に転職。ハードな毎日を過ごす

□2002年
人生最悪の出来事が起き、仕事ばかりでない人生を模索しはじめる。一度きりの人生の大切な時間をきちんと生きていきたいと強く思うようになる

□2009年
リーマンショックを現場で体感して、外資系金融を退社

□2010年
世田谷区内に8戸の木造アパートを新築、完成

中野区内に店舗物件を購入

□2011年
整体サロンオープン。それ以外にもオーナーとして複数のビジネスの経営にかかわる

□2012年
朝活にはまり、初参加から3カ月で役員になる

□2014年
生涯一投資家宣言

■ 保有資格 

宅地建物取引主任者、競売不動産取扱主任者、ファイナンシャルプランナーなど

■ 今いちばんの幸せ

娘に駒沢公園で遊んでもらう時

■ 夢

世界中の電車を制覇すること

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