• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

9,697アクセス

「その日」に備えよ!アベノミクス失速に関する深刻かつマニアックな話

たかおさん_画像 第30話

4月最終日の日本のマーケットは日経平均が1,000円以上下落したり、ドル円では3円以上円高に振れるなど大荒れの展開となりました。

背景には、更なる追加緩和を期待した市場参加者に対して見送りを決定した日銀に対する失望とされていますが、それほど単純な話ではなく、事態はもっと深刻です。

今回は今後の金利動向にも多大な影響を及ぼすであろう日銀のバランスシートの研究と、その課題について分析したいと思います。



上記は10年前の2006年と現在の日銀のバランスシート( 以下BS )を比較したものです。まず目に付くのはその合計たるBSの大きさです。この3月末で遂に400兆円を超え、この10年間で3倍近くの大きさになりました。

3年前に就任した日銀黒田総裁の基、< デフレ脱却&インフレ率+2% >を目指した大盤振る舞いの結果ですが、当初コミットした2年で達成に対して「 1年延長しても届かない目標 」へ、更なる追加緩和をしても目標達成を目指すべきなのか、検証します。

まずは、日銀のBSの大きさについての適正かという点について比較します。

例えば、米国の中央銀行たるFRBの現在のBSは4.5兆ドルです。2008年のリーマンショック以来金融緩和を続けこの10年で5倍の大きさになりましたが、それでも米国のGDP18.5兆ドルであるため< FRBのBSの対GDP比は約25% >となります。そして現在はBSの拡大を止めて、今後は縮小方向へ舵を切っています。

また、日銀同様現在も金融緩和を続ける欧州では、中央銀行のECBを含むユーロシステムにおいて<ECBのBSの対GDP比は約20%>となっています。が、これでも金融が緩和的過ぎると、ドイツの議会などは問題視しています。

更に、日銀の創設以来の歴史を振り返っても、明治維新直後や第2次世界大戦前後の混乱期においてすら、日銀のBSの対GDP比は30%を上限としておりこれを超えることはありませんでした。

つまり、現在の日本のGDP500兆円に対し< 日銀のBSの対GDP比80% >というのは、欧米比においても、また日銀の創設以来の歴史上においても、異常に高い水準であると言えるわけです。

更に言えば、日銀の金融緩和状態は現在も継続されており、このままの状態でも1年後の日銀のBSは480兆円まで膨らむ予定のため、対GDP比で100%近くになります。

この一点においても相当の問題のはずですが、あまり大きく取り上げられることはありません。国会質問でこの問題を取り上げるよう提案しているのですが、なかなか難しいようで「 これって、タブーなのかな? 」とも勘繰ってしまいます( 笑 )。

次に、上記の表の中からいくつかの項目について少し掘り下げてみましょう。

日銀の保有国債は350兆円になりました。短期国債50兆円、長期国債300兆円です。日銀審議委員の木内委員の試算によると、長期金利が2%まで上昇し場合、この国債による日銀の損失は7兆円程度に達するとしています。

この数字は上記の資本勘定と引当金勘定の合計額に相当し、BSの健全性が大きく損なわれるとし、現在の金融緩和政策に反対しています。

また、信託財産ETFはいわゆる日本株の事ですが、現在7.6兆円保有しています。<中央銀行が株を保有>なんて言うのは、欧米では考えられないので、前述したFRBやECBは株を保有していません。

日銀はこのままでも1年後には10兆円を超える「 日本株式会社の大株主株 」になっていますが、株式市場は更に買い増すことを期待しています。既に日銀が実質日本の大手企業200社の大株主になっているにも関わらず・・・。

最後は、マイナス金利についてです。1月末に導入されたこの制度に対する一般的な理解は進んでいません。マイナス金利を積み上がった当座預金275兆円の一部にかけるというテクニカルな制度ですが、メガバンクなど市中銀行の強い反対を押し切って導入した経緯や< マイナス >というネガティブなイメージから撤回論が根強くあります。

マイナス金利自体は欧州のECBにおいて先行して導入されており、市中金利全体を引き下げたり、不動産市場を活性化するなどのポジティブな影響も確認されています。

実際、日本のマーケットにおいても、日本国債市場の金利が更に低下して10年国債がマイナス金利で定着したり、東証リート市場が活性化したりとそれなりの効果をあげています。ただし、その欧州でもバブル生成の懸念から反対意見が強まっていますが・・・。

総括すると、この3年間続けられた日銀の金融緩和政策はそろそろ限界にきているわけで、更なる追加緩和を期待できるという状態ではありません。というより、むしろ現在続いている金融緩和政策が継続できるのかというレベルの問題だと認識しています。

3年前にアベノミクスの第一の矢としてスタートした金融緩和政策ですが、導入当時は私も日本再生の最後のチャンスとして期待したものでした。しかしながら、アベノミクス全体が失速する中、孤軍奮闘したのが日銀の金融緩和であり、その矢もそろそろ尽きようとしています。

ますますその日に備えておかなくては、と確信する今日この頃です。

◇2016年のヘッジ運用パフォーマンス報告( 1月〜4月 4/28現在 )
ヘッジ1 日本株PUTオプション買い  +417%
ヘッジ2 日本国債ベア型ファンド      -6%
ヘッジ3 金   +5%
合計                   +80%


              2016年4月30日 大阪にて
                    たかおさん

                                          

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ たかおさん

たかお

投資家(生涯一投資家)

東京都在住
妻と長男、長女の4人家族

不動産投資を始めたきっかけなどが詳しく載っています↓
大家列伝【前編】
大家列伝【後編】

■ 経歴

□1966年
大阪生まれ

青年時代に父親の会社が倒産し、商売には浮き沈みがあることを実感する

□1984年
ウォール街をテーマにした映画を観て、マーケットの世界に入ることを決意

□1990年
「30歳で辞める」と宣言して信託銀行に入社

□1997年 
ヘッドハンティングで外資系金融に転職。ハードな毎日を過ごす

□2002年
人生最悪の出来事が起き、仕事ばかりでない人生を模索しはじめる。一度きりの人生の大切な時間をきちんと生きていきたいと強く思うようになる

□2009年
リーマンショックを現場で体感して、外資系金融を退社

□2010年
世田谷区内に8戸の木造アパートを新築、完成

中野区内に店舗物件を購入

□2011年
整体サロンオープン。それ以外にもオーナーとして複数のビジネスの経営にかかわる

□2012年
朝活にはまり、初参加から3カ月で役員になる

□2014年
生涯一投資家宣言

■ 保有資格 

宅地建物取引主任者、競売不動産取扱主任者、ファイナンシャルプランナーなど

■ 今いちばんの幸せ

娘に駒沢公園で遊んでもらう時

■ 夢

世界中の電車を制覇すること

ページの
トップへ