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店舗不動産市場の現状ーテンポイノベーション上場について思うことー

たかおさん_画像 第49話

■ テンポイノベーションの上場について思うこと

先日東証マザーズ市場にテンポイノベーション( 3484 )という会社が上場しました。私が最も注目している飲食系の店舗を専門に取り扱うユニークな不動産関連会社です。今回はこの会社を分析することで、店舗不動産市場の現状ついて紹介したいと思います。

同社は2005年牛角などの外食チェーンでお馴染みの( 株 )レインズインターナショナル傘下の「 居抜き物件 」を活用した事業として創業、店舗の立地施工のノウハウを提供する出店支援がメインの会社として順調なスタートを切りました。

ところが、その後の親会社の業績低迷やリーマンショックなど紆余曲折を経て2011年より出店支援ではなく「 店舗賃貸事業 」と立ち位置を変え、つまりサービス業から不動産業へ転換したことで大きく業容を伸ばすことができました。

個人的にはこの時期、店舗不動産を飛び込み営業しながら一生懸命探していた時期でして、20回以上買い付け証明を出しましたが実際買えたのは1件でした。背景には、こういう新規参入もあったのだと改めて納得しています。

そして現在では同社の保有店舗数が1,000件を超え、売上高は50億円を超える規模にまで成長しました。但し、保有といっても所有しているわけではありません。例えば、同社のバランスシートの資産の部をみるとその6割は差入保証金であることからもわかります。

所有するより賃貸する方が資本効率が良いというのは、今の趨勢にはマッチしています。さて、その辺りの仕組みについては、具体的に私の物件への同社からの提案を事例にみてみましょう。

■ 転貸借と又貸しは何が違うのか?

所有している店舗の現テナントが将来退出した場合、現状の条件の月額25万円で同社が借り、賃料を5万円上乗せした月額30万円にて新しいテナントに転貸する、という提案を受けました。契約期間は基本3年となっています。

つまり、同社は賃料25万円で仕入れた賃貸店舗を30万円で貸すという基本的に単純なスキームでして、予定通り貸せれば差額5万円が毎月の利益なる一方で貸せなければ25万円が損失となるわけです。

貸せない店舗を借りると不稼働資産となるので、その目利きが最も重要となります。これに関しては、現状では稼働率が98%を超えているそうで極めて順調ですが、その理由は事業領域を、「 飲食店・居抜き・東京 」に絞っているからです。

また、規模的には10坪〜20坪程度のものがベストとの事で、私が以前より探していた「 ラーメン屋・東京23区内・駅1分・10坪 」という原則に極めて近いことがわかります。

上記にようなスキームは「 サブリース業 」と似ていますが、一般的に行われているような一括借り上げではなく、個別の区画の積み上げであることに違いがあります。

また、転貸時にはその都度、転貸承諾を大家に対して取る形になっています。これにより、「 店舗の転貸借 」という特殊性に対応する仕組みをとっています。

ただ、それでも転貸借と転貸借契約に基づかない又貸しとを混同するケースが多いようで、実際の契約に至るまでにはかなりのハードルがあるとのこと。

例えば、借主であるテナントと転貸借である同社が同条件で提示した場合には、同社が選ばれる確率は2割程度だそうで、大家サイドの転貸借に対する抵抗感は未だに強いといえます。



■ 83,000軒ある東京の店舗物件の何割を取り組めるか?

しかしながら、大家として同社に貸すメリットは個人的には感じています。例えば、テナントや近隣住民などへのクレーム対応について契約の当事者として対応してくれます。

実際、同社においても過去6年間で延べ1,500回のクレーム対応等に出動しているとのこと。私も過去8年間で20回近く出動していますが、これを代行してもらえるメリットは大きいと考えています。あくまでその他が同条件であればという前提ではありますが・・・。

では、同社の株は有望なのでしょうか? 新しい試みではありますが、さすがにニッチ市場のニッチな手法だけに、限界はあると考えています。もちろん多少持っていますが。

東京の飲食店は83,000軒あるため、市場の開拓余地は大きいように見えます。しかしながら、大手であれば自身で店舗開発するので同社は必要ありません。

また、立地条件の非常に良い新宿や銀座などの超優良店舗は既存の不動産会社がガッチリ固めているケースがほとんどですので、これもまた必要とされません。他方、シャッター街の商店や駅から遠く離れた不便な店舗なども対象外と言っていいでしょう。

それらの状況を勘案すると、対象となる店舗は精々10分の1程度ではないでしょうか。これは私のドブ板営業していた時の経験によるものですが( 笑 )。

それでも、今の1,000件から2倍〜3倍は積み上げは可能でしょうから、しばらくはこの銘柄と店舗転貸借市場の動向に注目していきたいと思います。

■ あっという間に変わる事業の環境と将来性

ところで、以前に検討していたと書きましたコインランドリー事業ですが、先日コンビニエンスストア大手であるファミリーマートが参入するという報道があり、同業種のWASHハウス( 6537 )株が大幅に売られました。

懸案事項であったため、私も売り切りました。事業環境や将来性については、このようにあっという間に変わってしまうことが多々あります。

株であれば、その場の判断で売ったらおしまいですが、事業として参入していればそういうわけにはいきません。なかなか難しいものだと日々実感しております。。。

                         事務所にて
          

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ たかおさん

たかお

投資家(生涯一投資家)

東京都在住
妻と長男、長女の4人家族

不動産投資を始めたきっかけなどが詳しく載っています↓
大家列伝【前編】
大家列伝【後編】

■ 経歴

□1966年
大阪生まれ

青年時代に父親の会社が倒産し、商売には浮き沈みがあることを実感する

□1984年
ウォール街をテーマにした映画を観て、マーケットの世界に入ることを決意

□1990年
「30歳で辞める」と宣言して信託銀行に入社

□1997年 
ヘッドハンティングで外資系金融に転職。ハードな毎日を過ごす

□2002年
人生最悪の出来事が起き、仕事ばかりでない人生を模索しはじめる。一度きりの人生の大切な時間をきちんと生きていきたいと強く思うようになる

□2009年
リーマンショックを現場で体感して、外資系金融を退社

□2010年
世田谷区内に8戸の木造アパートを新築、完成

中野区内に店舗物件を購入

□2011年
整体サロンオープン。それ以外にもオーナーとして複数のビジネスの経営にかかわる

□2012年
朝活にはまり、初参加から3カ月で役員になる

□2014年
生涯一投資家宣言

■ 保有資格 

宅地建物取引主任者、競売不動産取扱主任者、ファイナンシャルプランナーなど

■ 今いちばんの幸せ

娘に駒沢公園で遊んでもらう時

■ 夢

世界中の電車を制覇すること

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