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改めて考える不動産賃貸業のリスクと私の対策。歴史から未来をよむ。

トーマス高島さん_画像 トーマス高島さん 第15話

2021/3/1 掲載

私のリスクに関する対処法や考え方を述べたいと思います。不動産投資や株式投資を進める上でリスクにどう対処するかというのは各個人の考え方ひとつになりますが、サンプルとして参考にして頂けると幸いです。

■ 地震リスクについて

私の祖父母は関東大震災の被災者です。祖父は震源に近い横浜、祖母は故郷である文京区根津でそれぞれ被災しています。祖母の回顧によると丁度昼頃に歩いていた根津の大通り( 不忍通りなのかもしれません )で被災したとの事。

周囲の地割れが凄まじく、地面がパックリと割れて人が何十人も飲み込まれ次の瞬間にはその地面が閉じる、また開き大勢の人々や建物が落下する、また閉じる、それが延々と何回も繰り返されている光景を見て、気絶しそうになったという事です。

根津は文京区ですので地盤が全体としては良好ですが、部分的には軟弱地盤の地域があります。それでも東京東部や埼玉県南部等に比べればかなり安定しています。

その地盤ですらこのような災害が起きているのですから、私は祖母の教訓から東京西部の地形高低図面を参考に台地面に所在している物件のみを投資対象にしています。

関東大震災当時、霞が関では被害が軽微だったので官僚や政治家たちは、まさか地獄のような光景が軟弱地盤エリアで生じているとは夢にも思わなかったと記録されています。

この認識が初動遅れに繋がったという評論も存在しています。いずれにせよ地震保険に最大限加入は勿論ですが、人命が失われないような物件で運営する事が第一なのかなと思います。

私の祖父は戦中に霞ヶ浦航空隊に配属されて航空兵の輸送任務に当たっていましたが、復員後しばらく深川にいました。程なく中野区→東京多摩地域と転居していきます。地盤の安定あってこそ人生の安定があるとでも考えたのかもしれません。

私が祖父母の遺してくれた家に今も居住しているのは、夜安眠できる環境で生活できることが全ての根幹だと思う部分が自分の中では大きいからですし、都心の喧騒から離れた郊外が自分の性格に合っていると感じているからでもあります。

現状、関東大震災のような海溝型地震はまだ周期的に切迫していません。しかし首都直下地震は安政江戸地震から170年近く経過しています。そろそろタイミング的には直下地震が有り得ると思うので、日々備えを怠らないようにしています。

■ 富士山噴火について

江戸時代中期の宝永大噴火が有名です。新井白石の「 折たく柴の記 」には噴火後の江戸市中の様子が書かれています。それによると「 昼なお暗い日が続き、町中の人々は粉塵から咳き込み喉痛を訴えている 」と記述されています。



これが起きてから300年以上経過しているので、東京がまた同様の被害が起きた場合、都市機能のマヒから政治経済の中心地として壊滅的な損害を被るという予測があります。その場合は賃貸経営どころではなくなるのでしょう。

私自身は、しかし噴火を全く恐れていません。自分なりに文献を調べると宝永大噴火は極めて特殊な大噴火だったように感じられるからです。富士山は有史以来かなりの数の噴火を引き起してきていますが、大噴火は数える程度です。

宝永に大噴火した事で次回の噴火は比較的軽微になり得るのではと素人なりに思うのです。今後いずれは富士山噴火があるのでしょうが、それで東京がマヒ状態になるというより、薄っすらと粉塵が花粉のように積もる程度で日常生活にはさほど支障がないものと考えています。

鹿児島を訪れた際にも色々調べてみましたが、根本的にはさほど度重なる火山灰が現代の生活や経済に影響を与えていないように感じましたし、以前浅間山で噴火した際に飛来した火山灰の状況も、東京においては微量でほとんど損害が無かった事を記憶しています。

■ 所有物件での殺人事件や自殺リスク

所有物件での殺人事件や自殺リスクはいつの時代にもどのエリアにも存在するリスクでしょう。火災保険の特約や少額短期保険では、入居者の死亡リスクに対する所有者への補償を近年打ち出してきています。

しかし、金額的には原状回復費用やその間の空室賃料程度しか補償されません。根本的には所有者がその後の物件資産価値低下を受け入れるしかないですし、それを補填する方策がないという事になります。

埼玉県川口市の2階建てアパートで居住する女性が殺害された物件では、その後物件運営が困難になり結果として更地になってしまったと読んだ事があります。

フルローンでもし買われている物件だった場合、大家さんの破産リスクにすら繋がりかねない話だと感じたものです。私自身はこれに対処する為に、所有物件を分散させています。

また、18歳〜20半ば位までの若い女性の入居を基本的にはお断りしています。過去の経験でこの年代の女性には男性トラブルが多いので、万が一に備える為です。

女性はオートロック付きマンションや女性専用の学生会館などの方がリスクヘッジになると私は思っています。また、ある程度のキャッシュポジションがあれば、賃料低下や資産価値低下リスクを緩和できます。

■ 福島第一原発や浜岡原発について

原発事故当時の菅直人首相の回顧録を読みました。「 このままでは東日本の国民5,000万人が避難せざるを得ない事になる。その場合、東京などの地価が暴落して関西が暴騰するのだろう 」と回顧している部分があります。

原発で水素爆発が発生し、事態が混迷を極めていた時に書かれたものです。天皇陛下に京都疎開を進言したというくらいですから、かなり切迫した状況だったのでしょう。

私自身は中年に至りさほど放射能など怖くないのですが、今福島原発に大地震や大津波が再度襲来した場合、最悪の事も再びあるのだろうなと思ってはいます。その場合、強烈な円高と菅直人首相が想像した関西の不動産暴騰という事もありうるのかもしれません。

だからこそ、キャッシュポジションや東京の不動産と逆相関の資産投資も必要なのだろうと考えています。個人的な願望も含め、おそらく今後、これ以上の破局的状況にはならないだろうと予想してはいます。

しかし、東京で不動産投資をしている現状、99%大丈夫なのでしょうが、1%くらいは破局的な状況になり得る、という事が底流しているという事実から逃れる事は出来ないのかもしれません。

浜岡原発に関しては、東南海地震で大被害を受ける地域に存在していますが、津波防御壁を増強していますし非常用電源も複数用意されています。ここまでやっても地震時の被害は大きいのかもしれませんが、メルトダウンは避けられるかなと考えています。

■ 物件供給過剰という未来への対処

日本は法律上、物件を造ることがかなり容易です。諸外国のように建物の総量をコントロールする仕組みがないので、基本的には毎年物件が増えており、今後も増加していくでしょう。

来年には生産緑地の解除という供給増大要因も控えています。私の居住している東京多摩地域は依然として市街化農地や生産緑地がそれなりに残っています。

見ていると、少しずつ建売住宅やアパート等への転換が進んでいます。この調子で今後も特に変更がないのであれば、供給過剰感から賃料低下や空室増加はやむを得ない事になりそうです。

生産緑地解除では緩和策が幾つか講じられています。防災上、美観上、また急速な指定解除からの地価下落を防ぐ事からも、自治体はそれなりに優遇策を打ち出してきているのです。

しかし、某農協の組合員としての縁から聴取したところ、生産緑地所有者の中で3割くらいの人は今後の使い道として、「 賃貸住宅にしていくだろう 」とアンケートで回答しているようです。

コロナ禍で多少見直され需給バランスが好転していますが、根本的には今後も東京都下や練馬区・世田谷区等での農地転用からの賃貸住宅供給増加は止まりません。

そのため、私は原則として生産緑地がある地域で投資をする事を控えています。供給過剰感がいずれ出てくるでしょうし、それが顕在化してしまうと売るも貸すも段々と難しい状況になりかねないと危惧したからです。

また、これまでに小平市や所沢市、国分寺市等で1棟マンションや店舗等を所有していましたが、全て売却しました。無尽蔵に空き地がある中で、供給過剰時代を迎えた時のことを考えたのです。

地主でもない私には予備費が十分にあるわけでもありません。そんな状況で建物をバリューアップしても新築には敵いません。これでは戦いにならないと考えました。

売却したので借入金を相当圧縮でき、結果として経営する上での余裕が出てきました。保有を今後も継続する副都心部物件運営をより保守的に進める事が出来る状況になったのかなと感じています。

他にも様々なリスクが挙げられますが、私が特に気にしている内容をお話しさせていただきました。考えてみれば、現在のコロナ禍も予測出来なかったリスクになります。

所詮人間はどこまでいっても人間であり、神様ではありません。だからこそ不測の事態を幅広く想定して、自分や家族をどう守れるかという戦略が今後益々必要になっていくのかもしれません。

プロフィール

■ トーマス高島さん

たかしま

東京都在住
不動産投資家
ブログ:トーマスの不動産投資ブログ

■ 経歴

□197×年、東京都に生まれる

□幼稚園時代から親の仕事関係で住居が転々と変わる

東京以外には神奈川県や千葉県に居住経験

□大学卒業後非鉄金属会社に入社

祖父母介護の為に退社

社会福祉法人勤務・整体院経営・雑貨店経営・不動産会社勤務など様々な職業を経験

中国に数度の短期留学を経験する

□2001年、兼業で不動産投資を開始

株式投資、ベンチャー投資等も行うが、徐々に不動産投資に集約

□2020年、山手線沿線を中心に約50戸を所有

趣味は読書・競馬。好物は酒

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