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購入を検討したビルの現在。バリュー投資家の視点で不動産を買う。

トーマス高島さん_画像 トーマス高島さん 第16話

2021/4/3 掲載

コロナとの共生が段々と社会の価値観として普遍的になり、街中の賑わいもそれに連れて回復してきています。しかし、飲食店や観光などまだまだ厳しい業界も多々あります。

当然ながらそれを反映して、依然店舗や事務所系の空室率はかなり高い水準で推移しています。私が物件を幾つか所有しているJR山手線池袋駅周辺では、サンシャイン入口横にある東急ハンズの閉店が発表されています。

それ以前からビックカメラの店舗縮小やみずほ銀行、三菱銀行などもエリア内支店の統廃合を進めています。また、牛丼店など大手の飲食店舗も閉店を拡大させています。

池袋の人出数自体は回復傾向ですが、空き店舗増加もあり街中の寂しさは否めない状況と感じている昨今です。特に東急ハンズは私もよく利用していたので残念に思います。

■ 購入を検討した店舗ビルの現在

私自身、コロナ蔓延前に飲食ビル投資を検討していた時期がありました。東日本大震災以前に幾つか飲食店や店舗物件を所有していたのですが、利食い売りするまでいずれも安定して運営できていました。それを思い返して、またやってみようかと思っていたのです。

戦前から戦後という長期間、社会がどう変化しようと一貫して好立地に存在している飲食店舗は居住用物件より割が良いキャピタルゲインとインカムゲインを両取りする事が容易でしたし、空室リスクがかなり少ない状態で進められるのが当たり前だったのです。

そんな事から、不動産投資ポジションをかなり減らしたのだから、また改めて少し買っても良いかもしれない、そして買うなら店舗がいいなと考えていたのです。

検討していたビルはJR山手線北部エリアに近い地下鉄出口目の前の物件で、1階にチェーン店の居酒屋、2階以上は小規模なオフィスや住居の複合タイプで管理時状態が良好な満室稼働収益ビルです。

新耐震で利回りが年利10%以上なので、買っても良いかなあと検討していたのですが2020年からの不況を予測していた事もあり、結局断念して2番手以下にお譲りした経緯があります。

最近このビルを徒歩中に見たので観察してみました。コロナ禍だからでしょうか、空室率がかなり増加していました。メインである1階の店舗が空室になり、上層階も「 テナント募集 」の看板を何枚か確認しました。

大手居酒屋チェーンの退店は今後更に加速していきます。その影響を真っ先に受けたものなのでしょう。私のような零細投資家がこの物件を購入していたらさぞかし大変だったろうと改めて感じたものです。

ビルをローンで購入していた場合、空室率が半分を超えて返済原資捻出に困る事もこれからの時代は普通に有り得る現象ですが、そんな危機的な状況に至った場合で手元流動性が尽きてきたら売らざるを得ない情勢になったのだろうと思うからです。

こんなビルでも、資産家が買う場合は全く問題がないと思います。現金ポジションが数十億円以上ある投資家の場合、アセットアロケーションの一環で収益を現状産まない好立地の不動産に将来性を重視して配分するのはインフレヘッジになるので、選択肢として有り得る事でしょう。

しかし、同じ物件を現金のゆとりがない零細投資家が買うと悲惨な事になりうると思います。毎月の返済や建物の維持費、固定資産税や火災保険まで賄うという不動産投資に付随する経費を所有者が負担するという当たり前の事が、空室率上昇という現象が具現化すると大変な重荷になるからです。

■ リターンは低いがリスクも少ない居住用物件

私は以前、葛和満博さんという方が書いた「 店舗バンク 」のシステムに関する本を何冊か読み、ご本人ともお会いして店舗投資を進めていた時期があります。

葛和さんが事業として進めている区分店舗こそ購入しませんでしたが、店舗の安定性や好況時には賃料が上昇しやすい部分等に着目し、自分でコツコツと店舗物件を買い足していこうと思っていたのです。

過去、実際に幾つか店舗物件( 飲食店、美容室、物販店、マッサージ店等 )を所有運営していて感じたのは、景気の変動を結構受けるし将来的にかなり現金ポジションが出来てから改めてこの分野に進出しても遅くはないかな、という事でした。

好況時は良いのですが、不況時は賃料を下げても埋まりにくいですし、募集賃料を下げてもオフィスならまだ効果があるのですが、店舗の場合「 安いから引っ越してきました 」という事業者があまり存在しません。

加えて好立地の場合、投資金額が数千万では難しく場合によっては億単位のお金が必要になってきます。それでいて、景気後退時に空室になると売るも貸すも出来ない事も普通に想定される訳です。

これでは投資する側自体にかなりの資本的な厚みがないと投資する資格がないとも考え、最近では零細投資家の身の丈に合わせてという観点から、居住用物件のみを私は投資対象にしてきました。( 2020年以降は1軒も店舗を保有していません )

居住用不動産は、募集賃料を下げる・他に広告料を積み増す・内外装を整えるなど営業の工夫次第で、満室稼働を続ける事が店舗系に比べればまだ容易というのが実感出来ていたからです。

当然、店舗のように賃料大幅上昇はどんな好景気でも望めないですが反面、不況時でも空室リスクは低いです。居住用でも賃料は当然下落しますが、そのパーセンテージは店舗とは比較にならないレベルです。

今はしかし、居住用物件もまだJR山手線沿線では割高な状況ですので、情報収集のみに留め、株式投資をインフレヘッジという部分を念頭に進めています。

■ 株式投資へのスタンス

私の株式ポジションの内訳は、ロングが約55%、ショートが約45%になります。ネットではロングなのですが、ショート部分もそれなりにある状況です。ロングは資源株セクターで、その中でバリュー投資になるものを選定して購入しています。

ショートは主に指数で、今後の機関投資家リバランス等で市場が調整する時に備えているからで、それが具現化したタイミングでおそらく私はショートを解消してドテン買いに転じていくのだろうと思っています。

米国では追加で巨額の現金給付が改めて行われますし、ワクチンの効果も期待以上のものがあります。これではリスク資産が騰がらざるを得ないのでしょう。しかし、その前の調整も当然視野に入れておく必要がありそうです。

資源に注目している理由は、世界人口が依然増殖しつつある中でコロナ禍があり、それに付随して不換紙幣も更に増殖している観点からです。

私自身、不動産を所有している現状からあまりリスクを取れないのですが、もし身軽な状況ならば割安な資源株や金( ゴールド )を買い増していく事に躊躇なく取り組んでいく事と思います。

不動産投資をしているとどうしても長期空室や賃料下落、大規模改修費用等、不測の事態に備える必要があり相対的にキャッシュポジションを残しておく必要性があります。

そんな訳で、私は全力買いこそ出来ていないですが当面は資源株( その中でも割安で世界屈指なシェアを持つ株式 )ポジションを更に高めていくつもりです。

■ バリュー投資家の視点で不動産を買う

少し話が変わりますが、私が昔、不動産投資を進める上で勉強になったのが、ベンジャミン・グレアムの「 賢明なる投資家 」、遠藤四郎さんの「 株で0から30億円稼いだ私の投資法 」の2冊です。

特に遠藤さんの書籍は今から24年前の私が大学生時に読んで感銘を受け、その影響から私は一貫してバリュー投資家になっていった経緯があります。

私の不動産投資の手法は、購入物件を改めて見返してみるとバリュー投資の視点を意識して買い入れてきたのだなと感じています。

例えば、2018年初に購入したJR山手線沿線の1棟マンションは、平成中期頃建築の重量鉄骨造3階建てで整形地・公道に面する満室稼働な物件でしたが、買いの根拠は新築時の建築費と現状の土地値から見ると、半額以下で仕込む事が出来るというバリュー投資のやり方に合致する指値が通ったからです。

土地相場から見ても土地値以下ですし、その場合はまだ築が浅い建物が無料という計算になります。これは地方投資の場合だと流動性が低いので机上の空論になる事もあるのですが、23区内でまずまずな立地ならば上記の様な計算が成り立つのかなと私は考えています。

株式市場ではこの2冊のやり方は現状ではあまり通用せず、市場と違う点が多々あるので古典として見られがちな著作なのですが、不動産投資の視点から見た場合、この2冊は今でも勉強になる部分がある書籍だと考えています。

私が今までに購入してきた不動産は全てバリュー株の視点から吟味して、気に入ったものがほとんどです。不動産投資家の皆様も不動産だけでなく、株式投資の勉強を併せて進めていく事で、自分に合った投資スタイルが更に確立されていく事だろうと思います。

そんな考え方もあるのだなと多少なりとも参考にして頂けたら幸甚です。



プロフィール

■ トーマス高島さん

たかしま

東京都在住
不動産投資家
ブログ:トーマスの不動産投資ブログ

■ 経歴

□197×年、東京都に生まれる

□幼稚園時代から親の仕事関係で住居が転々と変わる

東京以外には神奈川県や千葉県に居住経験

□大学卒業後非鉄金属会社に入社

祖父母介護の為に退社

社会福祉法人勤務・整体院経営・雑貨店経営・不動産会社勤務など様々な職業を経験

中国に数度の短期留学を経験する

□2001年、兼業で不動産投資を開始

株式投資、ベンチャー投資等も行うが、徐々に不動産投資に集約

□2020年、山手線沿線を中心に約50戸を所有

趣味は読書・競馬。好物は酒

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