• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

9,902アクセス

東京五輪中止なら日本の不動産投資はこう動く

トーマス高島さん_画像 トーマス高島さん 第6話

2020/6/3 掲載

新型コロナウイルス蔓延がピークアウトしてきたことで、全世界的に楽観論が大きくなりつつあります。株価は3月末に暴落した最安値から半値戻し程度まで回復してきて、経済活動再開やワクチン開発期待で明るいマインドが強くなってきた雰囲気があります。

しかし、ベテラン投資家達は総じて先行きを楽観視していません。例えばバークシャー会長のウォーレン・バフェットは暴落したタイミングで買い増していたデルタ航空など4社の航空株を全て損切しました。

仮にワクチンが出来ても、人々の行動パターンが回復するかは分からない、今までのように気軽に旅行しなくなるかもしれない、だから航空産業の不確実性が依然として高いと判断したのでしょう。

加えてバフェットは売却した航空株以外、新規の株式を買い入れている訳ではありません。むしろ銀行株を少しずつ売却しています。まだまだ景気の先行きが読めないと考えているのかもしれません。

カンタムファンド創業者のジョージ・ソロスも、株式保有の縮小を継続していますし、その後継者と一時期言われていた天才的なファンドマネジャーであるスタンリー・ドラッケンミラーも「 私のキャリア中、今の株価は一番割高だ。市場は景気が急回復すると思っているようだが、それは幻想なのでは」 と語っています。

債券王と言われるジェフリー・ガンドラッグも株式の空売りを再開したと報道されています。ヘッジファンド最大手ブリッジ・ウォーターのレイ・ダリオも金( ゴールド )の買い増しを継続していますが、株式保有は控えめです。

以上に挙げたファンドマネジャー以外も、株式や不動産等のリスク資産が割高だと考えているヘッジファンドは少なくありません。

過去に類を見ないほどの金融緩和を考慮しても「 割高感が強い 」という彼らの考えがもし的中するのならば、今後のリスク資産価格調整は不可避という事になるのでしょう。

■ 東京五輪中止なら不動産はどうなる?

日本のリスク資産価格は、基本的に米国株に連動している部分が大きいといえます。日経平均はニューヨークダウやS&P500等の動向に左右されますし、過去のデータから東京のマンション価格は日経平均と相関性が非常に高いことが見てとれます。

今まで東京のマンション価格が高騰してきたのは、日米の株式市場が堅調だったからという側面もあると思います。ところがその東京で、2021年に延期されたオリンピックが中止になるという観測が高まってきました。

IOCのコーツ調整委員長が「 2度目の五輪延期はしない。東京大会の中止も選択肢 」と発言しています。確かに日本でのウイルス被害はさほどでもないのですが、欧米や南米など世界的な被害が大きく、しかもまだ終息していません。

この状況で諸外国はまず命あっての物種で生き残る事を優先しているので、選考会をしたり五輪準備を進めたりという事が難しいのでしょう。

世界的に準備不足な状況では、日本だけが頑張っても開催自体が危ぶまれるのはやむを得ないでしょうし、観客を入れられないなら興行的に予定収入が見込めず、強行開催しても意味がないという判断もあるようです。

確かに、開催を強行したとしても、何万人もの観衆が殺到するなかで「 2メートルの間隔を空けて観戦してください 」というのは実際には実行できなさそうな感じです。

もしもソーシャルディスタンス五輪になったとしても、来日に必要な飛行機搭乗、トイレや会場までの往復移動がある訳で、「 3密 」を避けられない事態になってしまいそうです。

いずれにせよ東京五輪が中止になった場合、東京の地価下落速度は更に増すと思います。これまで五輪を当て込んだホテル開発や民泊開業、中国人向けの商業施設開発など様々な投資がかなりのボリュームで進められてきました。

しかし、正式に五輪中止になれば需要がないのに供給が多い状況で、投資した資金回収の見通しが暗い事になり、しかもせっかく造り上げた五輪関連の施設群も不良債権化するという大変な負債を抱える事になります。

結論として、まだまだ先行きの不透明感が強く、個人投資家が不動産投資を急ぐ必要性は強くありません。今はもう少し様子を見る時期なのではないでしょうか。



■ リモートワークで都心のオフィス需要減退へ

今後はリモートワーク移行が徐々に進み、都心オフィス需要減退が不可避な情勢です。その場合、一番大変なのは都心部の雑居ビルだと思います。

最新鋭ビル群の空室率が高まれば、ビル事業者はフリーレントや賃料ディスカウントを武器に中堅ビルに入居している企業を引き抜き営業する事になり、結果として中堅クラスのビルから新鋭ビルへの移動が起こるでしょう。

その状況から中堅ビルの賃料低下や空室率上昇が起きてくると、今度は雑居ビル( 狭小ビル )から中堅ビルへの移転も増加しそうです。

入居事業者を引き抜かれた雑居ビルは、もう引き抜き先がありません。猛烈な勧誘営業をしたくてもやりようがないのです。

新規に雑居ビルに入る起業家自体が減少していますので、狭小ビルがテナントの抜けた穴埋めの為に新規募集を進めても、需要減退から相当困難な事になるかもしれないと思います。

狭小オフィスを借りるくらいの規模感ならば在宅でホームオフィスが出来るでしょうし、バーチャルオフィス制度を使い、本社住所を都心部に置いて必要な時だけ会議室などを借りて使うやり方も一般化してきています。

以前のように、商売をするならどうしても物件を借りないといけない、という状況ではないのです。これが現実になれば、雑居ビルの空室率上昇が起きるでしょう。

そのままで需要が厳しいとなると、コンバージョンで住居に改造するか、ワンルームデベロッパーに土地を売却してマーケットから退陣していくくらいしか打つ手はありません。

そうなると都心部でのワンルームマンション供給は今後、かなり増加する未来も予想出来ます。都心部でワンルーム投資をする際には周辺の状況を相当綿密に調べ、対策法を考慮しておく必要性を感じます。

私はこのような状況下では、JR山手線沿線など都心近接エリアにおいて、広めで安いという差別化が図れる物件を賃借人に提供することで、高稼働率を維持できると考えています。

具体的には、広めのファミリークラスの需要がリモートワーク浸透で高まりつつありますし、書斎の必要性も再認識されてきています。最近は単身向け市場でも、安めの1DKや1LDKの需要がかなり強いです。

在宅で仕事する場合、1Kやワンルームだとベッドの上で作業する事になりかねないので、それでは頭の切り替えが出来ないし物理的にも辛い事になります。

だからこそ「 安めで広い物件が良い 」という事になってきているのでしょう。実際、私が所有しているJR山手線某ターミナル駅徒歩圏内の1DKや1LDKの空室確認が最近本当に多くあります。

営業マンに聞いてみると、やはり「 多少古めでも良いから広いのが良い 」と言うお客さんが増えているという事です。今のところワンルームでもJR山手線沿線ならば高稼働が維持できるでしょうが、将来的なワンルーム供給増予測を念頭に置いておく必要性があります。

■ 太陽黒点と不況との関連性

実は今年、深刻な状況が起きる可能性が高いと、一部の欧米投資銀行やスイスのプライベートバンクでは早くから予想していました。それは2020年の太陽黒点数が過去最少になると観測されていたからです。

例えば、クレディ・スイス証券( 日本 )の白川浩道副会長は、顧客向けレポートで去年から「 2020年は太陽黒点極小期になるので、どんな事象かまではまだ判然としないが相当深刻な事が起こる 」と注意喚起をしていました。

全てではないのですが、過去の景気後退は太陽黒点極小期に起きていた事が判明しています。どんな因果関係が働いているのか、科学的にはまだ解明されていないのですが、所詮人間も太陽の影響を受ける動物にしか過ぎないのかもしれません。

私も自身の経験から言えることですが、欧米の投資家達は経済的な指標だけでなく、案外このような超科学的なデータも綿密に調べ、それを投資に生かしているようです。

相当前に某スイスのプライベートバンカーと話した事があります。印象的だったのは、「 顧客には経済の各種データ以外にも、占星術から見た社会情勢の予測も添付する事がある 」と言っていた部分です。

私は数字だけで判断する合理主義者が資産家には多いと思っていたので、少々意外な感じでした。彼が言うには、占星術や太陽黒点数も統計データの一種であり、科学であるという事でした。

まだまだ先行きが読めない情勢ですが、今年の秋冬に起きうるパンデミック第2波や第3波まで多少時間の猶予があります。個人レベルでも今から出来る対応策を進めていく事で、今後の激動を乗り越えていく準備が整えられると思います。

私もこの貴重な時間を生かして、不要物件の売却・食糧の備蓄・現金比率を高める・地震保険の再点検など対策を進めていくつもりです。



プロフィール

■ トーマス高島さん

たかしま

東京都在住
不動産投資家
ブログ:トーマスの不動産投資ブログ

■ 経歴

□197×年、東京都に生まれる

□幼稚園時代から親の仕事関係で住居が転々と変わる

東京以外には神奈川県や千葉県に居住経験

□大学卒業後非鉄金属会社に入社

祖父母介護の為に退社

社会福祉法人勤務・整体院経営・雑貨店経営・不動産会社勤務など様々な職業を経験

中国に数度の短期留学を経験する

□2001年、兼業で不動産投資を開始

株式投資、ベンチャー投資等も行うが、徐々に不動産投資に集約

□2020年、山手線沿線を中心に約50戸を所有

趣味は読書・競馬。好物は酒

ページの
トップへ