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契約書を堂々と無視する入居者の話

徳田文彦さん_画像 第31話

みなさん、こんにちは! 今回は昨年末に遭遇した災難( ? )とその顛末についてご報告したいと思います。

突然ですが、皆さんは、投資物件を取得し、賃しに出す際には必ず契約書を結びますよね? その契約内容は( 内容がよほど不当なものでない限り )基本的に賃貸人、賃借人相互が遵守するのが普通です。

家賃の支払期限や、敷金の返還ルールやら、99%以上の人は契約書に定められたルールに従って賃貸人、賃借人としての生活を送っています。例えば、今賃貸住宅に住んでいる人の殆どが、期日までに家賃を振り込んでいます。

ところが、不動産投資が一定の規模まで拡大してくると、大家の想定を上回る発想をする( ! )賃借人の方に遭遇する確率が高まってきます

端的に言うと、契約書に書かれている事を全く守らずに開き直るという方も、ごく稀にではありますが、出てきてしまうのです。そんな賃借人に、私は所有している店舗物件で遭遇してしまいました。昨年末に( 苦笑 )。

■ 突然主張し始めた無理難題

店舗物件では、保証金という名目で家賃の何か月分を大家が預かるケースが一般的です。一般の居住用物件でいうところの敷金のような位置づけです。

私がこの店舗物件を購入した際は、入居者が既に営業をしており、私は前の所有者から契約内容をそのまま引き継ぐという形で購入しました。

この保証金、解約時に一定額が償却される( 一定額が入居者には返還されない )とされている契約が多いのが実情です。

法律上の論争は色々あるのですが、実際には保証金から一定額を差し引き、それを原状回復費用( 造作物の撤去など )に充てるケースが多いようです。私が引き継いだ契約書も、ほぼ同内容でした。

その物件に、年末に賃借人から解約の申し入れがあったのですが、その際の主張が驚くべきものでした。主な主張は3つです。

@ 保証金は無条件に全額返金してほしい。契約書に書いてある償却は一切認めない。原状回復費用も一切負担しない
A 保証金は、退去日当日に現金で手渡しをしてほしい
B これらが実現しない場合、自分( 賃借人 )はこの物件に居座る( ! )


保証金の償却は議論があるところですし、契約書に償却が明記されても、自動的に一定額を償却しなくても良い、という腹積もりは、こちらにもありました。

ただし、店舗の使用状況は良いとはいえず、残置物も多く、原状回復にはかなりの費用が掛かることが予想されました。そのため、以下の主張は、大家からすると無理難題といえるものでした。

・「 原状回復費用は一切負担しない 」
・「 従って、退去日に全額保証金を現金で返還しろ 」


困りました。居住用物件で、入居者が「 退去日に敷金全額、耳を揃えて現金で手渡しで返してください。原状回復は一切知りません 」と言っているようなものです。私は早速、管理会社さん達と、対策を考え始めました。

■ 必要になる冷静な判断

こういった無理な賃借人の主張に対しては、契約書を根拠に、弁護士などを通して徹底的に争う手もあると思います。ここまで無理な主張の場合、大家側が有利な結果を得られることが多いでしょう。

少なくとも、「 退去日に全額を保証人に現金で手渡しする 」などという必要はなくなると想像できます。私も性格的に白黒はっきりさせたい方なので、そういった解決方法を好みます。

しかし、ここで原状回復費用を巡って入居者と交渉しても、数か月時間を浪費する可能性があります。その間、新しい入居者の募集は行えず、ある意味不毛な訴訟手続きなどに労力を割かれることになります。そこで発生するロスは、単に「 居座られる期間の賃料 」だけではないのです。

そう考えると、次の入居者を短期間で決める自信がある場合は、現入居者に早々に退去してもらい、次の募集に移るのも合理的な選択である、とも考えられます。

■ 物件選択で間違えなければ、モンスター入居者も怖くない

結論をいうと、今回の物件は、「 新たに賃貸募集すれば比較的早く新しい入居者が決まる 」と判断しました。そして、入居者の無理難題をあえて飲み込み、早期に退去させる、という方法をとることにしました。

その結果、

・前入居者は期日通りに退去( 保証金を払い戻すための条件として、「 期日までの完全退去 」を設定しました )
・退去後約2カ月で次の入居者が決定


という事で、決着しました。

問題を長期化させないという意味で、感情的にならずに対処したことは、正解だったと思います。とはいえ、原状回復費用は全額、大家が負担しなければいけないので、キャッシュフロー的には厳しい選択にはなりました・・・( 涙 )。

今回の経験を通じて改めて感じたのは、「 物件選定の重要さ 」という不動産投資の基本です。要は「 空室リスクの低い物件 」への投資がいかに重要か、という事です。

店舗物件でいえば、空室リスクを減らすためには、駅からの距離が絶対的に重要です。人口減少や高齢化の結果、駅周辺の商店街の範囲は縮小傾向にあります。

今後は、駅からきわめて近く、かつ通行人から視認性の良い物件でなければ、なかなかテナントが見つからない時代になっていくでしょう。逆にいえば、このような物件さえ購入できていれば、モンスター入居者に遭遇しても恐れる必要はないということです。

本コラムを執筆中、日銀によるマイナス金利導入のニュースが入ってきました。銀行は貸し出しを一層強めねばならず、とはいえ実体経済がさほど良くない状態の中、借入ニーズは少ないため、銀行の資金は大量に不動産への融資に向かうと予想します。

つまり、不動産投資家にとっては、融資環境は確実に良くなると言えるでしょう。一方で、投資物件の争奪戦はこれまで以上に激しくなると想像されます。そんな市場環境の中でも、購入する物件の選択に妥協は禁物です。

周囲の環境に左右されず、自分が空室を埋める自信を持てる物件を、粛々と購入していきたいものです。そうすれば、入居者とのトラブルが発生しても、過度に恐れる必要はありません。

そして、最後になりますが、不動産投資にはこのような問題が一定の割合で起こるということも、知っておいてほしいと思います。これも、「 人 」を相手にする不動産投資の一つの側面なのです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 徳田文彦さん

tokudasan

東京在住

□不動産投資家
□企業向け戦略コンサルティング

■ 経歴

□1974年生まれ

□1999年
慶應義塾大学卒業後、同大学院修了

□2006年
大手広告会社に勤務しながら不動産投資を開始

多忙な合間を縫って効率的な不動産投資方法を追及した結果、エリアを厳選して高い入居率を見込める物件を購入し、 入居者募集や管理業務を徹底して効率化する投資手法に到達する

□2013年
サラリーマンをセミリタイア

□2014年
サラリーマン卒業後は、企業への戦略コンサルティング業務に従事

■ 著書

徳田さん本
5年で引退できるセオリー破りの不動産投資(ぱる出版)

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