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私が「Airbnb」に手を出さない理由

徳田文彦さん_画像 第33話

■ 利回り2倍も狙える!?

最近、経済紙やTVでも「 民泊 」という言葉をよく聞くようになりました。とりわけAirbnbが取り上げられることが多くなってきましたね。不動産投資としてAirbnbに注目し、そのノウハウを記した不動産投資本も出版されているようです。

しかし、現時点で、私は Airbnbや中国系の「 自在客 」といったプラットフォームを使って民泊をあてにした投資をする事には否定的です。今日は、私がなぜAirbnb投資に手を出さないか、その理由についてかいてみたいと思います。

この投資法の売りは、一般的に、通常の不動産投資より利回りが高くなる「 可能性がある 」点にあります。

東京で家賃10万の少し広めの部屋が、宿泊単価1.5万円で貸し出せるという前提で利回りを計算してみます。稼働率80%、運営経費( 清掃費等 )が50%と仮定して計算すると、月に18万円が手元に入ってくることになります。

つまり、表面利回りは1.8倍に膨らむ計算ですから、興味を持つ人が多いのも頷けます。問題は、それがいつまで継続可能なのか? ということです。

■ アメリカとは違う日本の規制

私は今後、この分野に関して、投資環境が悪化することを見込んでいます。その大きな理由が「 規制 」と「 業界団体 」です。

ご存じの通り、現行法( 旅館業法 )のもとでは、ごく特殊な場合を除き、いわゆる民泊を行うことは違法です。( 国家戦略特区の一部、例えば大田区などでは一定要件を満たす場合のみに認められています )。

外国人観光客が増加する中、2020年に向け一部のエリアで規制緩和が進む可能性はありますが、これが全国的に、どのエリアでも自由にできるようになる、という事には懐疑的です。

国家戦略特区などの一部エリアでは条件付きで認められるでしょうが、そのエリア内に物件を持つのは、一部の投資家に限られるでしょう。

また、旅館業を営んでいる事業者の団体からすればAirbnbのようなサービスは、自分たちの利益を害するものです。今後、様々な働きかけを行い、巻き返しを図る可能性もあります。

こう考えると、「 Airbnb投資 」を取り巻く環境は、ブームである今がピークのように思うのです。普通に不動産投資で利益を出せている投資家が、リスクを冒して手を出すサービスとは思えません。

一方、地域によってはルールが明確になっているアメリカ等で、合法的に低利回りの物件をAirbnbで高利回り物件に変え、インカムゲインを得ながら数年後に高値売却を狙う、という戦略は合理的ですし、有効だと思います。

■ 内なるリスクにも要注意

規制や業界団体の働きかけなどの「 外圧 」だけでなく、「 内なるリスク 」も存在します。

まず、区分所有物件を民泊用に活用する、という投資手法は、早晩行き詰ると考えるのが無難です。まともな管理組合がある物件であれば、今後どんどん民泊への転用を管理規則で禁じていくはずです。

居住者の権利意識が強い物件では( 宿泊者が入ってくることで )不特定多数が物件に出入りすることを嫌がるからです。今は民泊に転用できる物件であっても、購入後1年もしないうちに管理規約で禁止されるようにルール改訂されるかもしれません。

結果的に、区分所有物件で民泊に転用できる物件は、「 管理組合が殆ど機能していないマンション 」になります。物件の質や管理状態はどうしても落ちるものになるでしょう。そのような物件を投資物件として購入するのは、将来的な資産性の観点から不安があります。

管理組合の干渉を受けないためには、自分が所有する一棟物件で民泊に乗り出すしかありません。一棟物件を保有し、家賃の低下や空室率の高さに悩んでいる方が一時的に試してみるのは悪いことではないのかもしれません。

ただし、一棟物件でも、民泊に提供されていることが周辺住民に伝わると、クレームになる恐れは十分にあります。そうなれば、無理やり営業を続けることはできても、先行きは極めて不透明と言わざるを得ないでしょう。

また、そもそも宿泊客を安定的に取り込める一棟物件は、東京、大阪、京都といった観光需要の強い一部都市に建つ物件に限られることにも注意が必要です。

■ ブームには敢えて乗らない

最近、私が住んでいるマンションでも、Airbnb等のプラットフォームを利用した旅行者への貸し出し、民泊利用を規約で禁じるようになりました。居住者としては安心感がある一方、投資家目線では「 民泊想定でこの物件を買った人はどうなるのか 」と考えたりもします。

恐らく、今後は投資物件を中心に手掛ける不動産業者、デベロッパーによって「 民泊専用マンション 」が建築され、一般の投資家に販売されていく流れになると思います。最初から民泊目的で建てられている為、設備や内装もそれらしく整えられ、近隣対策も行われた状態で販売されるでしょう。

当然、価格はそのぶん割高になるので、利回りはかなり抑えられたものになるでしょう。こうなれば、何のために民泊をターゲットにした投資をするのか、分からなくなってしまいます。

民泊というのは一つのブームです。
ブームである以上、いつか終わりが来ます。大事なのはブームのピークで、高値で掴まないことです。

実際、Airbnbを利用して手広く民泊を手掛けていた投資家が、最近は簡易宿泊所( 行政の許可が必要 )にシフトしているという話も聞きます。目鼻の効く人は、純然たる民泊には見切りをつけ、既に次の投資に目を向けているのかもしれません。

ブームに乗らない、というのは非常に勇気のいることです。しかし、経験的にはそういった「 逆張り 」の行動こそが、投資成績を高めていくコツではないかと思います。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 徳田文彦さん

tokudasan

東京在住

□不動産投資家
□企業向け戦略コンサルティング

■ 経歴

□1974年生まれ

□1999年
慶應義塾大学卒業後、同大学院修了

□2006年
大手広告会社に勤務しながら不動産投資を開始

多忙な合間を縫って効率的な不動産投資方法を追及した結果、エリアを厳選して高い入居率を見込める物件を購入し、 入居者募集や管理業務を徹底して効率化する投資手法に到達する

□2013年
サラリーマンをセミリタイア

□2014年
サラリーマン卒業後は、企業への戦略コンサルティング業務に従事

■ 著書

徳田さん本
5年で引退できるセオリー破りの不動産投資(ぱる出版)

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