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メガ大家さんが近年増えている理由

徳田文彦さん_画像 第49話

皆さん、こんにちは。本コラムの読者の方は、国内で不動産投資をされている方が大半だと思います。ただ、最近は本当に投資できる物件が少ないです。海外不動産を案内する会社さんが増えているのもうなずけます。

私は現時点では海外不動産投資は検討していませんが、これだけ高利回り物件が減ってしまうと、海外不動産に限らず、他の投資先に目先を変えたくなる方の気持ちも理解できます。

よく、「 日本の不動産は海外の不動産に比べて利回りが高い。だから投資に適している 」と言われます。しかし、私は「 実質利回りで考えると、一概にそうとも言えない 」と最近は感じています。

というのも、これくらいの利回り水準になってしまうと、投資として収益を上げるのはかなり難しいのでは、と感じているからです。

■不動産投資は実は儲からない?

皆さんは不動産投資の「 収益 」をどのように捉えているでしょうか? 投資経験の浅い方の中には、不動産投資の収益を、

「 家賃収入‐銀行返済額 」

と捉えている方が、かなりいます。投資物件を扱う不動産業者さんの謳い文句でも、収益を上記のように計算するケースが多いので、こうした認識が広がるのも無理がないのかもしれません。( かくいう自分も、当初はこのような認識でした )。

しかし、実際の収益は、上記の収益より遥かに少ないのが実態です。まず、一定の修繕費や、( 管理会社を使う場合は )管理費が必ずかかります。

特に、原状回復費用や設備等の故障に伴う修繕費用の負担は、一部屋当たり賃料が低い物件の場合、ばかになりません。1回の工事で、半年分、1年分の賃料が吹き飛んでしまうことも珍しくありません。

そうして残った家賃から、毎年必ず固定資産税が差し引かれます。さらに、その残り対して、所得税、住民税がかかってきます。

こうしてみると、不動産投資の収益は、表面上の「 家賃収入‐銀行返済額 」から、かなりの額が「 減額 」される事がわかります。

よく、「 不動産投資は税金との戦い 」といわれる所以は、こうした構造があるからです。私は個人的に、不動産投資は「 修繕費と税金との戦い 」というように捉えています。

■メガ大家さんがたくさん誕生する理由

不動産投資の収益がこのような構造である以上、利回りが低下した昨今の投資物件から得られる収益が、より厳しくなっていることは言うまでもありません。

大まかに試算すると、物件価格1億円、表面利回り7%の新築物件をフルローンで購入した場合、各種税金等を考慮した後の手残りは、150万円程度にすぎません。利回りにして実に1.5%です。

( 借入金への元本充当分は収入に入れていませんが、これは売却時にしか現金化されないので、ここでは考慮していません。また、新築なので修繕費は発生しない前提で試算しています )。

つまり、1億円の物件をフルローンで買っても、150万円しか自由になるお金は生み出せないのです。これでは、とてもセミリタイアなど望むべくもありません。

借り入れを使ってセミリタイアできる程度の収入を得ようとした場合、これでは足りないため、更に借り入れを起こし、物件を追加購入することが必要になります。

1億円で150万円のキャッシュフローですから、10億円分の同様の投資物件を購入すれば、理屈の上では1,500万円のキャッシュを生み出せることになります。これくらいあれば、セミリタイアは可能に見えます。

( 1億以上の借り入れを起こせる方は、世帯年収が高い方が多いので、一旦1,500万円程度の年収が必要として試算します )。

ただし、この時点で、投資不動産の規模はかなりのものになっています。万一の場合に備え、不動産経営の為のコストを積んでおく必要があるでしょう。

仮に、1億円の物件あたり、年間50万円のリスク対策コスト( 急に必要になった修繕コストや広告費等を想定 )を積んでおく前提で試算すると、以下のようになります。

1億円の物件で獲得できるキャッシュ:150万円‐50万円=100万円

今のマーケットでローンを組んで、一応リタイアできる程度の収入( 年間1,500万円のキャッシュ )を得ようとすると、15億円分程度の投資が必要になるということです。

この数年で一気に物件を買い進み、メガ大家さんになる人が増えている背景は、このような事情があることがわかります。

つまり、セミリタイアレベルのキャッシュフローを築くために、銀行評価が出やすい新築物件( ただし利回りは相対的に低い )を、銀行の積極融資姿勢を背景に、銀行から評価される属性( 大手企業勤務等 )がある方が買い進んだ結果ということです。

この事からすると、物件の利回りが今よりも高く、融資がここまで出なかった5年〜10年以上前では、今よりメガ大家さんが少なかったのは当然と言えるでしょう。

■ 不動産投資の収益が上振れするのはどんなケース?

このように「 利回りの低下 」と「 金融機関の融資姿勢 」があいまってメガ大家さんが生まれたとすると、そこまでは至れない一般の投資家はどうすればよいのでしょうか?

少ないキャッシュフローに甘んじるしかないのでしょうか? 私はそうは思いません。先ほど見たように、現在のマーケットは全体的に利回りが低くなっており、月々の家賃収入、つまりインカムゲインでは大きな利益は望めません。

インカムゲインに期待できない場合、不動産投資で収益を上げるためには、キャピタルゲイン、つまり値上がり益を狙うしかありません。

しかし、そもそも高値である今のマーケットでキャピタルゲインを狙うことは容易ではありません。となると、今探すべきは、仮にキャピタルゲインが狙えなくとも「 値下がりリスクの低い物件 」となります。

売却時に、購入価格と同じ価格で売却できれば、元本返済分の金額( 毎月の返済額のうち利子充当分を除いた金額 )について、利益を確定することができます。

そうすると、利回り7%程度の物件でも、実質的な利回りは( 先に挙げた1.5%よりも )大分高くなってくるのです。( 短期譲渡の場合、税率が高くなってしまい収益的に不利なので、ある程度の長期で保有できる物件を購入する必要はあります )。

物件から得られるキャッシュフローが薄くても、属性を活かし、物件を買い増すことで、メガ大家の方向に行こうとする方も多くいますが、個人的にはおすすめしません。

テールリスクではありますが、大震災等不測の事態が起きた場合に、抱えきれない程のリスクをわざわざ不動産投資で負う必要はない、と考えるためです。

もちろん、各自の背景により、何が正しいかは変わります。それでも、大部分の「 普通 」の投資家にとって、今は「 値下がりリスクが低いかどうか 」を判断の基軸にして、堅実に投資を進める時期ではないかと思うのです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 徳田文彦さん

tokudasan

東京在住

□不動産投資家
□企業向け戦略コンサルティング

■ 経歴

□1974年生まれ

□1999年
慶應義塾大学卒業後、同大学院修了

□2006年
大手広告会社に勤務しながら不動産投資を開始

多忙な合間を縫って効率的な不動産投資方法を追及した結果、エリアを厳選して高い入居率を見込める物件を購入し、 入居者募集や管理業務を徹底して効率化する投資手法に到達する

□2013年
サラリーマンをセミリタイア

□2014年
サラリーマン卒業後は、企業への戦略コンサルティング業務に従事

■ 著書

徳田さん本
5年で引退できるセオリー破りの不動産投資(ぱる出版)

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