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中東マネーの行方が示す、不動産投資市場の先行き

徳田文彦さん_画像 第67話

ようやく涼しくなってきましたね。私の方は、夏ももうすぐ終わり、満室で9月を迎えられると思った8月末、バタバタと空室が立て続けに発生してしまいました。

管理会社さんの頑張りもあって、現時点で残り空き1室まで挽回しつつありますが、早く満室にして、余裕をもって秋を迎えたいところです。

■ 中東マネーの行方と不動産市場

さて、夏休みは仕事も兼ねて中東の経済都市、ドバイ( アラブ首長国連邦 )に行ってきました。8月のドバイは灼熱地獄で、気温が50度近くに迫ることも(!)。

今年の東京の夏も暑かったですが、確かに一段ギアが上がった感じの暑さで、殆ど徒歩では移動できませんでした。( 暑すぎて、路上を歩き続けるのは、大人でも10分程度が限界と思います )

何件か回ったプレビルド物件のモデルルームでも、セールスマンに「 なんでこんな暑い時期に来たんだ? 」と呆れられる始末。販売現場でそんなことを言われるとは思いませんでしたが、確かに、モデルルームの中に人影はまばらでした…。中には、モデルルーム中に客は自分一人だけ、という物件もありました。


暑いためショッピングモール内にショールームを構える物件が多い。
EMAARというドバイ最大手デベロッパーの物件のショールーム。装飾が中東的。


■ 暑さだけではない? モデルルームが閑散としている理由

ドバイと言えば、中東有数の経済・金融都市。オイルマネーだけではなく、中華圏やアフリカからの資金も流入し、不動産市場も非常に活況を呈しているイメージがあります。

世界一高い高層ビルであるとされるブルジュ・ハリファ( 高さ828メートル ※東京スカイツリーは634メートル )は、中国人投資家が「 フロア単位 」で投資用に購入した、という話もあります。


ブルジュ・ハリファ148階からの眺望。
60階級のビルが小さく見える。遠くには砂漠が広がる。


また、ドバイでは2020年に万博が開催予定で、現在も建設ラッシュが続いています。販売用パンフレットを見ても、世界から観光客が多く集まる万博開催を、アピールポイントとしてかなり強調しています。

しかし、その建設ブームに乗じて、なぜか住宅やオフィスビルも大量に建設中となっており、需要に対して供給過剰感が出ています。現地の駐在員にヒアリングしてみても、外国人用アパートの供給もだぶつき気味で、昨年くらいから家賃は下落傾向にあるとのこと。

家賃下落をにらみ、よりグレードの高いアパートに移ろうとする駐在員も多い様子で、そうすると競争力のないアパートの空室は増大するでしょう。こうした傾向は外国人向けアパートだけでなく、一般の賃貸住宅についても同様で、やはり賃料下落傾向が出ているようです。

ドバイの不動産価格( レジデンス )は、イメージに反してそう高くなく、外国人が所有できるビジネスエリアのレジデンス物件でも、東京と同じかそれより少し安いくらいです。

それに比して、想定賃料が比較的高い為、想定利回りが高く、新築で6%程度を見込む物件もザラです。実際私が見た物件の中にも、利回り6%以上を謳う物件がいくつかありました。

しかし、賃貸需要の絶対量が増えない中の供給過剰はやはり懸念です。物件価格自体についても、近隣国であるカタールとの関係悪化により、同国の投資家からの売りが出て弱含んでいるとの情報もあり、今後価格が急上昇するということは、見込みにくいように感じました。

モデルルームが空いていたのは、暑いだけでなく、こうした理由もあるのかもしれません。

■ 東京と似ている?

2020年に向けた供給過剰、しかも2020年に万博のような大規模イベント開催、と聞くと、「 東京と似ている 」と感じる方も多いと思います。

2020年にオリンピック開催を控え、国際的なイベントを控えている点は同じです。また、会場やそれに備えたインフラを整備中であることも似通っています。しかし、住宅の供給過剰という点は、一部異なります。

例えば、首都圏の新築マンションの供給戸数はここ数年、3万戸台半ばで推移し、今年度も38,000戸と予測されています。これは、8万戸近い供給が行われていた2000年代前半の半分以下。居住用マンション( 区分所有 )の供給は、過剰とは言えません。

一方、増えているのが新築木造アパートに代表される「 貸家 」の供給。全国の貸家の着工戸数は、2017年度で約41万戸。2010年度に比べて約1.4倍になっています。

もともと空室率の高いエリア、人口減少が激しいエリアでは、ここ数年で恐恐過剰が加速したと見るべきです。日本とドバイの不動産には、ある物件種別で「 供給過剰気味 」という共通点があるようです。

こうしてみると、前回コラムに書いたように、供給過剰になっていない居住用物件、区分物件に投資していくのがベターかなと、改めて感じます。また、供給の増えようがない、駅から近い路面店舗などは、引き続き( 私は )投資を検討していく事になると思います。

その反面、最近、融資や勧誘手法が問題になっており、乱立している新築アパート等は、よほど吟味して検討する必要があるでしょう。

この問題については、以前のコラムでもリスクが高いことを指摘させて頂きましたが、結局何に気を付ければ良いのかは、別の機会に譲りたいと思います。

冒頭お伝えしたドバイの不動産の中でも、現時点で世界で最も高い「 ブルジュ・ハリファ 」や、ドバイ・クリークに建設中の( 今後ブルジュ・ハリファを超える高さになるという )「 ザ・タワー 」周辺に供給予定のレジデンス物件等、ランドマーク的物件は依然として人気が高く、価格も下がっていないと言います。

居住用区分物件を対象に投資する際にも、エリアや行政区内で( ランドマークとまでは行かなくても )目立つ物件、多くの人が知っている物件というのは、投資の際に安全域が大きいと言えるでしょう

私も、首都圏の行政区内で利便性が高く、目立っている物件をリストアップし、売り物件を探すという作業を地道に続けています。天候の不安定な日が続きますが、物件探し、頑張っていきましょう!


激安物件の広告で埋め尽くされているドバイのバス停。暑いためバス停は全て個室でエアコンをかけている

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 徳田文彦さん

tokudasan

東京在住

□不動産投資家
□企業向け戦略コンサルティング

■ 経歴

□1974年生まれ

□1999年
慶應義塾大学卒業後、同大学院修了

□2006年
大手広告会社に勤務しながら不動産投資を開始

多忙な合間を縫って効率的な不動産投資方法を追及した結果、エリアを厳選して高い入居率を見込める物件を購入し、 入居者募集や管理業務を徹底して効率化する投資手法に到達する

□2013年
サラリーマンをセミリタイア

□2014年
サラリーマン卒業後は、企業への戦略コンサルティング業務に従事

■ 著書

徳田さん本
5年で引退できるセオリー破りの不動産投資(ぱる出版)

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