• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

5,834アクセス

「早く売った方が良い!」は本当か? ムードに流されず最適な売り時を見極める方法

徳田文彦さん_画像 第69話

■「 今は売り時 」なのか?

あっという間に10月も末に入り、秋らしくなってきました。年末、年度末が近づき、金融機関のノルマ達成に向けた貸し出し需要も強まりそうです。

「( 金融機関の )融資の扉が閉まってきた」という話も良く聞きます。良く理由に挙げられるのは、スルガ銀行の問題。波及して、他の銀行が実行している不動産投資向けローンにも、金融庁から厳しい目が向いている為、と説明されます。

融資が閉まれば、買える人の数が減りますから、物件価格は下がるはずです。そこから、「 所有している投資用不動産は早めに売却を 」「 今は買い時ではなく売り時 」という論調が、ここ3カ月ほどでかなり目立ってきました。

こうしたニュースや意見を聞けば、「 今が売り時か、売却した方が良いかな 」と考えるのも、無理のない事です。私も、こうしたニュースに触れ、今が本当に売り時なのか、をこの数カ月考えていました。

今回は、その結論を皆さんにシェアできればと思います。

■「 融資の扉が閉まると物件価格は下がる 」は本当か?

先程「 融資が閉まれば物件価格は下がるはず 」と書きました。理屈の上ではそうなのですが、一つ不思議な事があります。

それは、「 金融機関の融資は、スルガの問題が起きる以前の昨年から既に厳しくなっていた 」ということです。だとすれば、既に1年以上前から、物件価格は下落しはじめて良いはずです。

健美家の掲載物件のデータを見てみると、以下のような結果になっています。

・区分マンションは1年前より値下がり傾向
・一棟アパートの価格は1年前から僅かに値下がりもほぼ横ばい
・一棟マンションの価格は1年前より上昇




( 参照:健美家ニュース )

最も融資を使って買う事が多く、融資によって価格が左右されるような「 一棟マンション 」が1年前より値上がりしているのです。これは、「 融資が閉まると物件価格は下がる 」という説と矛盾します。

実際に物件を探す立場からしても、最近特に物件が安くなった、とは感じません。郊外物件でたまに目を引くような利回りの物件を見つけても、投資には難ありの物件がほとんど。価格が下がった、と感じる場面はほぼありません。

つまり、「 融資が厳しくなること 」は不動産価格下落の、十分条件ではないのです。

■ FPはなぜ「 投資物件を早く売れ! 」と叫ぶのか

話は少し変わりますが、某マネー誌で連載している、FPへのお金にまつわる相談記事を、私は愛読しています。そこには、以下のような質問が寄せられています。

・50歳で貯金が5000万円。早期リタイアは可能でしょうか?
・47歳で貯金が3000万。55歳で早期退職プログラムに応募して引退は可能?


このような、年齢と資産額を明記した「 早期リタイア 」の相談がたくさん載っていて、面白いのです。( ちなみに、相談する方はなぜか単身の方で、FPの回答もほぼ毎回「( 節約すれば )早期リタイア可能です 」で終わります。この「 安定感 」も毎回楽しめます )。

そこで相談に乗っているFPの方が、不動産投資にやたら厳しく、「 手持ちの投資不動産はすぐに処分するように 」と主張するのです。こうした記事を見て、「 手持ちの投資不動産は早く売った方が良いのか 」と感じる方も多いと思います。

FPが主張する不動産を処分した方がいい理由は、以下の二点です。

・修繕費や税金を考えると不動産投資は儲からない
・金額が大きく流動性が低いため、いざという時に処分に困る


相談者の所有物件を見ると、もっともな意見にも見えますが、不動産投資家からすると、やや乱暴な意見と言えます。

恐らく、FPがこう主張する理由は、「 相談者が不動産投資で苦しむ事例( 経営難や相続問題等 )をたくさん見てきたから 」だと思います。

新築ワンルーム物件を複数つかまされている、といった相談者もいたはずです。相続絡みで不動産の処分で揉める親族を多数見てもいるでしょう。このFPの方からすると、不動産投資は見るのも嫌なものなのでしょう。

ですが、本来、所有不動産をどうすべきかは、「 どんな物件を保有しているか 」により変わるはずです。従って、こうした紋切り型の意見も、さほど気にする必要はないと思います。

■ 本当の売り時は?

私は、投資物件の値下がりを招くのは、「 金利の上昇 」だと思います。金融機関の融資が閉まり始め、それに加えて、貸出金利も上がれば、今よりも利回りがないと儲からない構造になる為、物件価格の調整も始まるでしょう。

金利の上昇については、様々な予測があるのでここでは触れません。個人的には、安倍総理が退任してしばらく経った2022年あたりには、金利が上昇しているのでは、と思っています。

だとすれば、売り時の一つの目安は、2021年中くらい。まだ3年以上の時間があります。このことから、私自身は、今、慌てて全て売却するという判断にはなりにくいと言えます。

ただ、そう言いながらも、その時になって大きく価格が下がるかというと、その点は懐疑的に見ています。なぜなら、不動産投資の裾野が広がり、都心物件を中心に、買いたい人は数多く待機しているからです。



また、金利が上がると言っても、バブル期のように激しく上昇することは考えにくいですし、自己資金を一定レベル持った買い手であれば、ある程度の価格、低利回りにもついてこられるでしょう。

だとすれば、引き合いの強い場所、東京都心部の賃貸需要が強含みの場所などでは、さほど物件価格が下がらないと予想できます。

感覚的には、実利で6%の物件が7%になるくらいではないでしょうか。この場合、約15%の値下がりです。このくらいが価格ダウンの「 上限 」だろうと思います。

値下がり幅に関しては色々な意見がありますが、私は都心物件については、落ちてもこの程度と思っています。そのため、これが数年後に起こるかも、というくらいのスタンスで、売り時についても検討しています。

一方、買い手の立場からすると「 値下がりするなら購入を待とう 」という考えも当然ありえます。ただし、この頃には融資の門が狭まり、今よりも購入が難しい時代になっている事を頭の隅に置いておく必要があります。

だとすれば、6%の物件を今のうちに買っておいて、3年分の賃料収入を得ておけば、2022年まで待って購入するのとほぼ同価格で購入したことになる、という考え方も、ありかもしれません。

以上は全て、私の仮説です。不動産投資を検討している方は、経済的なリテラシーが高い方が多く、様々な観測がありうると思います。

世の中にあふれる「 売り時 」論調に惑わされないためにも、自分でマーケットの見立てを持っておく事をおすすめします。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 徳田文彦さん

tokudasan

東京在住

□不動産投資家
□企業向け戦略コンサルティング

■ 経歴

□1974年生まれ

□1999年
慶應義塾大学卒業後、同大学院修了

□2006年
大手広告会社に勤務しながら不動産投資を開始

多忙な合間を縫って効率的な不動産投資方法を追及した結果、エリアを厳選して高い入居率を見込める物件を購入し、 入居者募集や管理業務を徹底して効率化する投資手法に到達する

□2013年
サラリーマンをセミリタイア

□2014年
サラリーマン卒業後は、企業への戦略コンサルティング業務に従事

■ 著書

徳田さん本
5年で引退できるセオリー破りの不動産投資(ぱる出版)

ページの
トップへ