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セミリタイアした人は本当に幸せになったのか?意外と多い会社員に戻る人たちとその理由

徳田文彦さん_画像 第73話

先日、不動産投資を始めたいという後輩の相談にのる機会がありました。「 今は割高な物件が多いから、小さな物件から少しずつ始めたらどうか 」という話をした後、不動産投資をやってみたい理由を聞いてみました。

「 今の仕事に疲れたので、ペースダウンしたい。いずれは好きな事を仕事にしたい。だが、新しい仕事は当面お金になる目途が立たないため、不動産投資で生活費を賄いたい 」

要は、今の仕事は辞めて、生活費を不動産投資で稼ぎたいという、セミリタイア志向です。確かに、これまで不動産投資で 「セミリタイア状態 」を築いた投資家は沢山います。彼がそう期待するのも無理のないことです。

しかし、今の市況でそれを目指すのが本人にとって良い事なのかどうか、私としては答えに悩みました。

会社員に戻る人も意外と多い


というのも、私が実際にセミリタイアをした人の話を複数聞いた限り、どなたもが必ずしも「 セミリタイア状態に満足しているわけではない 」という印象が強いのです。

例えば、40代後半で会社勤めをセミリタイアした方は、会社を退職後1年ほどで、とある生活習慣病を発症。継続的な通院と服薬が必要になりました。

会社を退職後、外出の機会、外を歩く機会が格段に減ったとのことで、「 ライフスタイルの変化が病気に影響したかもしれない 」と話していました。( 因果関係は断定できませんが )

上記は少し極端な例かもしれませんが、サラリーマンだった方は、セミリタイアによる運動量、活動量の低下は警戒すべきリスクの一つだと思います。普段は気づきませんが、毎日の通勤、クライアントの訪問、出張などが、結構な運動量を担保してくれています。

私も、会社を退職して、今の仕事を始めるまで、しばらくの間( といっても1カ月程度 )仕事をしない期間がありましたが、その間、だいぶ運動量が減りました。

退職前は、ジムなどに行く事で運動量を担保出来ると思っていましたが、実際に退職してみると、ジムに行った日でも、1日の歩数ベースでみると、サラリーマン時代より大きく減少していました。

もう一つ、良くあるのは、「 仕事をすることによる刺激 」 「 やりがい 」が減ってしまい、精神的満足度が低い状態になってしまうことです。

この状態になる方は本当に多く、結果として、彼らのほとんどが、何らかの仕事に戻っている印象です。再び就職活動をして、前職より規模の小さい企業のサラリーマン( ネット系のベンチャー等 )として働いている方も何人か知っています。

そうした方が良く言うのが、「 職場の同僚、部下との協働の大切さ 」です。セミリタイアして不動産管理業だけになると、人との接点はゼロにはなりませんが、人を巻き込んで何かの達成を目指す、という事の回数やスケールはサラリーマン時代より大きく下がります。

すると、チャレンジや達成感などによるアドレナリンが出る回数が減って、退屈に感じてしまうんですね。そういう方は、個人事業主になるよりも、やはりそれなりの規模の企業に戻るのが良いのだと思います。

「 結局会社に戻るのか 」と言われそうですが、一度セミリタイアしたことで「 会社勤めの良いところ 」に気付けたのなら、それに気づかないまま働いていた頃よりもずっと、個人的には良い事だと思います。

生活レベルを維持できない


色々書きましたが、セミリタイアすることの一番大きなリスクは、生活コストを維持できなくなることです。会社を辞めても生活できる見込みを立てて辞めたはずが、お金が足りないとはどういうことなのでしょう。

1つは、ライフステージが変化したケースです。結婚や子供が増える、家族の介護が必要になる等々、会社を辞めた後に生活コストが激増する、というのは、それほど珍しくありません。

不動産投資によるキャッシュフローが年間1,000万円あれば、単身世帯や二人世帯であれば暮らしていけるでしょう。ただし、子供が1人、2人と増え、教育費を人よりもかける方針となれば、十分ではないかもしれません。

自分はこの先も単身だから、とか、子供は作らない方針だという方は結構いますが、私が見る限り、後から高い確率で修正されています。人間、将来のことはなかなかわからないものだな、というのが正直な感想です。

また、家族構成等に変化はなくても、セミリタイア後のお金の使い方に関して戸惑われる方もいます。

先の例ですが、セミリタイアに際し1,000万円のキャッシュフローを用意したとして、退職前はサラリーマンの給料もあるので、そちらが1,000万円だとすると、単純計算で年収は2,000万円以上です。

これが会社を辞めると、1,000万円のキャッシュフローのみになるので、使えるお金は半減します。( それでも世の中的には高収入ですが )。サラリーマン時代には可能だった、自家用車の保有や、旅行や外食等の遊興費、子供の習い事等を諦めなければいけないケースも出るでしょう。

セミリタイアを志向する人の中には、退職前の生活水準が高くなってしまっている人も多くいます。その場合、生活コストも無意識に上がっているので、それを踏まえたセミリタイア計画が必要なのです。

このリスクを避けるには、セミリタイアに際して準備するキャッシュフロー額を、かなり余裕のあるものにするしかないでしょう。

それでもどうしても辞めたい場合


以上のように、様々なリスクがあるセミリタイアですが、それでも会社を辞めたい、という人もいるでしょう。家庭の事情や健康状態等が原因でどうしても会社勤めを続けられない、というケースもあります。

そういう方が、不動産投資で一定額のキャッシュフローを確保し、セミリタイアを実現することは、意味のある事だと思います。ただし、特にそうした問題がない方は、不動産投資でセミリタイアを実行するのは、慎重に行うべきだと思います。

よく、「 好きなこと( 趣味 )に思いっきり時間を使いたい 」という理由で、セミリタイアを目指す方もいますが、1年365日の時間が必要な壮大な趣味はそうはありません。

ゴルフが大好きで、完全にリタイアして1年中世界各地のゴルフコースを巡っている、という方をネットで見かけたことがありますが、そこまでお金をかけて趣味だけに没頭できるという方は少ないと思います。

何らかの事情があってセミリタを実現せざるを得ない場合も、以下の条件は守るべきだと考えます。

@セミリタイアに際して準備するキャッシュフローの額に余裕を持たせる( 具体的には、サラリーマンとしての年収の1.5倍以上の額を確保する、等。つまり、年収の高い人ほど、セミリタイア実現は難しいという事になります )

Aセミリタイア前から生活レベルを落とし、セミリタイア後にサラリーマン時代よりも生活コストを下げる努力をする

繰り返しになりますが、「 セミリタイアし続ける 」のは意外と難しい事です。セミリタイア後も人生は続きます。皆さんの賢明な判断の一助になれば幸いです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 徳田文彦さん

tokudasan

東京在住

□不動産投資家
□企業向け戦略コンサルティング

■ 経歴

□1974年生まれ

□1999年
慶應義塾大学卒業後、同大学院修了

□2006年
大手広告会社に勤務しながら不動産投資を開始

多忙な合間を縫って効率的な不動産投資方法を追及した結果、エリアを厳選して高い入居率を見込める物件を購入し、 入居者募集や管理業務を徹底して効率化する投資手法に到達する

□2013年
サラリーマンをセミリタイア

□2014年
サラリーマン卒業後は、企業への戦略コンサルティング業務に従事

■ 著書

徳田さん本
5年で引退できるセオリー破りの不動産投資(ぱる出版)

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