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融資可の金融機関も。私が「借地権物件」を買う時に気を付けていること。

徳田文彦さん_画像 徳田文彦さん 第74話 著者のプロフィールを見る

2019/3/31 掲載

みなさん、こんにちは!
投資物件を見に来た出張先で、この原稿を書いています。

インバウンド効果もあり賃貸需要が高まっているエリアなので、期待して見に来たのですが、今のところ「これは!」という物件に、全く出会えていません。東京や首都圏だけではなく、地方の不動産市場も、過熱ぶりは物凄いですね。

こんな状況ですので、いわゆる「 ノーマルな投資用物件 」については、私も全く投資チャンスに恵まれていません。最近よく検討しているのは、借地権や再建築不可といった、「 土地の価値にやや難がある物件 」ばかりです。

今回は、こうした物件への投資に対する、私の考えをお伝えできればと思います。


融資は絶望的なのがネック?


一般的に、融資を使って投資規模をどんどん拡大したい、という投資家に、「 借地権 」「 再建築不可 」 「 土地が共有 」といった「 土地の価値に難のある物件 」への投資は不評です。

1つ目の理由は、「 金融機関の融資が付きづらい印象があること 」。また、金融機関の担保評価とも関係しますが、実際、不動産投資をする際に「 土地の価値 」を重視する方が多いことも理由といえます。

しかし、1つ目の融資については、借地権の物件、及び区分所有物件については、都市銀行や大手の地方銀行でも、融資の対象とする金融機関がありますので、買わない理由にはなりません。

もちろん、通常の所有権の物件に比べて評価額は抑え気味になりますが、借地権や土地の共有持ち分についても担保価値を見てくれるところも存在するのです。

また、ノンバンクであれば、区分所有はもちろん、借地権や再建築不可物件であっても、融資をするケースがあります。ただし、①貸出金利が高いこと、②共同担保を必要とするケースが多い事から、私自身はあまり前向きに検討したことはありません。

共同担保が必要となると、現金で購入した物件( もしくは融資の返済が終わった物件 )が必要になる為、一般的な投資家にとっては、利用のハードルが高いと思います。

まとめると、借地物件については、都市銀行にしてもノンバンクにしても、融資を出す可能性があります。ならば、借地物件は所有権の物件同様、どんどん規模を拡大できるかというと、そう簡単にはいきません。1つ難点があるからです。

それは、融資の条件に、「 地主からの抵当権設定承諾書が必要 」とするケースが多い事です。これを飲んでくれる地主は非常に少ないのが現状です。結果として、融資を受けられる借地物件の数は、限られてしまっています。

こうしたことがハンデとなって、借地権の物件への投資は、人気がありません。その代り、人気のない物件の「見返り」として、利回りが高い物件が多くなりますから、ここが投資家にとってのチャンスになります。

「 低価格 」と「 利回り 」がとても重要


「 購入時に融資が使いにくい 」ということは、購入後に売却しようとしても「 買い手の数が少ない 」事を意味します。これは、結果的に、他の物件よりも、売却する際に売却損が出る可能性が高いという事です。

第70回のコラムで書いた通り、投資成績を最終的に左右するのは「 売却価格 」です。したがって、借地権や再建築不可物件に投資するには、「 売却損 」を避ける為、ある条件が揃っている事が必要だと思います。

では、その条件とは何でしょうか。

私は、「 ( 物件価格が )低価格であること 」がまず重要であると思っています。

東京や大阪といった大都市では、「 8,000万円の借地権店舗( 一棟 )」や「 6,000万円の区分所有事務所( 土地の権利は借地権 ) 」という様な売り物件を散見します。

一棟のレジデンスでは、借地権でも1億、2億円を超える物件もあります。こうした物件は、管理費や借地料を除いた表面利回りは10%を優に上回っていたりします。それでも、私はこうした物件は避けています。

高額ゆえに買い手の数が極めて限られ、売却損が出る可能性が高いと考えられるためです。逆に、数百万円、東京都心部で1,000万円台くらいまでの価格帯の物件であれば、富裕層が気に入って、ポンと買ってくれる可能性が高まるため、候補に入ってきます。

売却時の値崩れリスクを低める為にも、グロス価格が大きい物件は、借地や再建築不可物件では避けることが鉄則だと思います。

また、こうした物件の最大の強みは「 利回りの高さ 」です。

購入を検討する場合、利回りにはこだわる必要があります。「 売却が難しければ、最悪、保有し続ければ物件価格は回収できる 」という見通しの立つ物件なら、検討の俎上に上がるでしょう。

実利が5%の再建築不可物件には投資できませんが、実利10%の物件なら、10年保有できれば物件価格を回収できる、とも考えられます。実利20%なら5年で回収です。

どの程度の回収年数なら投資できるか、という「基準」を設定しておくのが、土地の価値に難がある物件に投資する際には重要だと思います。

「 買ってもらえる立地 」であること


かくいう私も、実際に借地物件や再建築不可物件に投資しています。先日は、首都圏の地下鉄駅徒歩1分の店舗物件を購入しましたが、土地の権利は借地です。また、現時点でも借地の住居への投資を検討しています。

首都圏ではさほどの利回りを確保できないですが、実質利回りで10%+α以上を確保できる事を目安に、グロス価格が高くない物件を狙っています。出来れば15%オーバー程度の利回りが欲しいですが、今のマーケットでは望み薄です。

場所を選ばなければ、それくらいの利回りの物件はあるのですが、私が検討する物件では、前述の条件に加えて「 立地の知名度 」を意識している為、驚くような利回りの物件には中々出会えません。

しかしこれも、売却時に、売却価格が購入価格を下回らないようにするための工夫です。立地に分かりやすい知名度があれば、売却時に購入候補者の数が少しでも増えると予想できるからです。

私自身、借地や再建築不可といった物件については、投資こそすれ、実際に売却して出口を確定したことはありません。( 区分所有物件はいくつか売却しています )。高利回りで、稼働率も比較的高く推移している為、賃料により売却価格を回収することを重視していることの結果です。

ただ、実際に賃料の回収が終わった物件が出てきているので、そうした物件は今後売却を検討していくと思います。

今回書いたような条件を守って購入した「 土地の価値に難のある物件 」がどういう出口を迎えるのか、実際に売却が確定し次第、コラムの中で報告していければと思います。

都心好立地の売り物件が少ないので、こうした物件でもすぐ売却できるのか、それともやはり、投資家から敬遠されて売却に時間がかかってしまうのか。どういう結果になるのか、私自身も他人事のように( ? )少し楽しみにしています。
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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

■ 徳田文彦さん

徳田文彦さん

東京在住

□不動産投資家
□企業向け戦略コンサルティング

■ 経歴

□1974年生まれ

□1999年
慶應義塾大学卒業後、同大学院修了

□2006年
大手広告会社に勤務しながら不動産投資を開始

多忙な合間を縫って効率的な不動産投資方法を追及した結果、エリアを厳選して高い入居率を見込める物件を購入し、 入居者募集や管理業務を徹底して効率化する投資手法に到達する

□2013年
サラリーマンをセミリタイア

□2014年
サラリーマン卒業後は、企業への戦略コンサルティング業務に従事

■ 著書

徳田さん本
5年で引退できるセオリー破りの不動産投資(ぱる出版)

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