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築58年のボロ物件を入居者居住のままシェアハウスに再生した事例紹介

不動産投資の投スポ/茂助さん_画像 第15話


皆さんこんにちは! 投スポ編集部です。久しぶりの「 突撃・となりの不動産! 」。



本日は、ボロボロの賃貸併用アパートからモダンなシェアハウスに生まれ変わった築58年の再生物件にお邪魔します。ご案内いただけるのは、オーナーの依頼でリノベーションのお手伝いをしたという茂助さんです。ところが、現場近くまで来ても、築58年の物件が見当たりません。困ったなあ・・・。



■ 築古賃貸併用アパートをシェアハウスにしようと決めた理由




おーい、ここですよ。


あ、茂助さん。こんにちは。この家だったんですね。


そうなんです。外観はリフォームをしたので、そんなに古く見えないでしょう。前は、もっとボロボロだったんですよ。これがリフォーム前の写真です。




わー、想像以上です。随分と印象が変わりましたね。そもそも、どうして茂助さんがこの物件の再生を手伝うことになったんですか?


2010年に知り合いの大家さんから、「 築54年の老朽化したアパートがあるけど、建て替えるとお金がかかるので何か手はないだろうか 」と相談を受けたのがきっかけです。行ってみると、オーナーの元自宅の3DKと、風呂ナシ・トイレ共同の6畳の和室×11部屋がくっついた賃貸併用住宅で、写真の通りボロボロでした。

ただ、驚いたことに賃貸部分は満室。中野駅と高円寺駅から徒歩8分で、家賃が3万〜3.5万円と安かったので、ニーズがあったんですね。建替えとなると立ち退きの問題もありますし、なんとか壊さずに使える方法を模索することにしました。


安全性は大丈夫だったのでしょうか?


それを確かめるために、さくら事務所に耐震診断とホームインスペクションを依頼したところ、結果は「 問題ナシ 」。同時に、かかる費用を計算すると、新築だと8,740万円、リフォームだと3,300万円と大きな差がついたことから、改めてリフォームでいくことを決めました。

ただ、せっかくなら単なるリフォームではなく、付加価値をつけて賃料を上げつつ、最終的にはシェアハウスとして長く運用できるものにしたいと考え、下のような「 リノベーション 」プランを作ったんです。


【ビフォー】左が元オーナー宅で右がフロなしアパート(図面は1階)


【アフター】1階:シェアハウス7室+レンタルオフィス、2階:シェアハウス2室、アパート5室+レンタルオフィス

■ 入居者が住んでいる状態でリノベーション工事を敢行


しかし、入居者さんがいるままリノベーションをするのは大変では?


その通りです。そこで、工事を3ステップに分けることにしました。ステップ1は、入居者さんが住んでいる状態でアパートの共用部分をリフォームし、コインシャワーとコインランドリーを設置するというもの。

それが終わったら、ステップ2として元自宅部分をシェアハウスにリノベーションし、最後にステップ3として、アパートで退去が出た部屋から順次工事をして、最終的に16人が住めるシェアハウスにするというものでした。


【ビフォー】元オーナーの自宅部分(10万円で賃貸していた)


【アフター】シェアハウスのLDK(賃借人退去後にリフォームを実施、賃料は31.5万円に)

現在はステップ2まで終わり、ステップ3を進めているところです。


数年がかりで順次、建物を工事しているのですね。斬新です。ここまで、計画通りに進みましたか?


そうですね。ステップ1のアパートの共有部分の工事が終わったところで、家賃を5,000円アップしたのですが、大半の方がすんなり応じてくれました。中にはこちらからお願いする前に、値上げを申し出てくれた人もいるくらいです。

とはいえ、出て行った人もいます。隣にできたシェアハウスの住人と、もとからある風呂なしアパートの住人はタイプが違うので、それが嫌で退去された方もいるかもしれません。でも、大きなトラブルもありませんし、全体としてはうまくいっていると思います。



■ 戸建てをシェアハウスに改修して家賃収入が3倍に


ステップ2のオーナーの元自宅部分をシェアハウスに変えた件について、詳しく教えてください。


部屋数に対して水周りが足りないので、シェアハウスにすることにしたのですが、都内ではすでに飽和状態。差別化が必要と考えて、「 クリエイター向けシェアハウス 」というコンセプトを打ち出しました。


具体的にはどんな方法で差別化をはかったのでしょうか?。


自室で仕事をしやすいよう、120センチ幅のデスクとビジネス用のチェアを設置、有線の光速インターネットも備え付けました。また、プラス1〜2万円で専用の仕事部屋も持てるようにしました。「 中野アドレスに仕事場と居室を7万円台で借りられる 」ことをウリにしようと考えたんです。


シェアハウスの居室(左)とオプションで借りられる仕事部屋

■ シェアハウスは最初に仕組みを作ることが大切


それなら、リフォーム費用も早期に回収できそうですね。家具や設備の選定なども、茂助さんがされたのですか?


はい。私は自分の物件で、築古の戸建てとアパートをシェアハウスにリノベーションした経験があるので、シェアハウスに必要な設備を、最低限の予算で揃えることが得意なんです。IKEAやニトリ、AMAZONなどを使い、安くてデザイン性の高いものを選びました。家具類の調達原価は1部屋当たり4万円です。


クリエイターをターゲットにするという作戦は当たりましたか?


それが、実際にはクリエイター以外の方が多く、仕事部屋にも申し込みは入りませんでした。その部屋はリビングの脇にあったので、今では畳をしいて共有のくつろぎスペースになっています。集客は「 ひつじ不動産 」や「 東京シェアハウス 」などのシェアハウス専用のポータルサイトを使いました。


他に、シェアハウスの運営に関して工夫した点があれば教えてください。


冷蔵庫、靴箱、郵便受けなど、共有で使うものは一人ずつ専用のスペースを設けています。



特に冷蔵庫は、食物を入れたまま退去する人がいて、すぐに一杯になるという問題があります。そこで、各人のスペースをカゴで仕切り、退去者のカゴの中に入っている食品は退去と同時に処分するようにしました。

冷蔵庫は、カゴが多く入るように、あえて野菜室やチルドルームがない2ドアのシンプルなものを選んでいます。シェアハウスは最初に仕組みを作ることが非常に大事です。途中でルールを変えると、全員に周知するまでに苦労することになります。

■ 古くても工夫次第でお客さんが来るし、家賃も上げられる


第3ステップの、風呂なしアパートで退去になった部屋をリノベーションしていくというプランは、どこまで進みましたか?


9室中4室の工事が終わりました。この調子で全ての部屋を再生したいですね。


【ビフォー】傷みが激しかった風呂ナシアパートの居室部分


【アフター】リノベーション後はキッチンつきで広さも十分にあるシェアハウスの居室に


そのモチベーションはどこから来るのですか?


私も古い物件を相続して苦労したので、同じ苦労をしている人の役に立てるのが嬉しいんです。実は先日、「 カモネギ太郎・花子と学ぶ 茂助流不動産投資法 」という本を出版しました。それと最近、この本を教科書にした「 カモネギ脱出ゲーム 」というゲームを考案して、全国でゲーム会を開いています。

 

これも、不動産投資で失敗する人を防ぎたいという思いが動機です。シェアハウスの運営もそうですが、不動産投資は甘いものではありません。勉強をしないと、業者のカモになってしまう。微力ですが、私の活動を通じて不動産投資で不幸になる人を減らせればいいなと思っています。

それと、個人的な話になりますが、この物件を通して「 こんなに古くてもちゃんとお客さんが来るし、家賃も上げられる 」とわかったので、今後も築古物件の再生に尽力したいと思うようになりました。

せっかくローンを返したのに、新築すればまた大きな借金を背負うことになります。これからは、古い物件は壊すという従来の常識を捨てて、いかにうまく活用するかを考える時代だと思います。海外では築100年なんて当たり前ですよ。


そのご本、読ませていただきました。安易な気持ちでシェアハウスを経営したり、築古物件を買って失敗する事例が載っていましたね。茂助さんのイラストがとてもかわいくて、楽しく学ぶことができました。これからも築古物件の再生エキスパートとしてがんばってくださいね。


【 編集後記 】
不動産投資を煽るような情報が多い中、リスクを軽視せず、堅実な手法をすすめる茂助さんの教えはとても貴重だと思います。超築古物件の新たな可能性を感じるステキな時間となりました。茂助さん、ありがとうございました。


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 投スポ取材班

日夜スクープを追い求めて不動産投資業界を駆け回るフリーのジャーナリスト軍団。

不動産投資業界でウワサされるあんなことやこんなことの真相を確かめるべく、全国の事件(?)現場を取材している。

ジャーナリストの中には兼業で大家をしているメンバーも含まれるらしいが、その正体は不明。

ミーティングでの合言葉は「事件は会議室で起きているんじゃない。アパートで起きているんだ!」

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