私は数々のユニークな( ブッ飛んだ )貸家を持っていますが、今回ご紹介するのは横須賀の山の上にある、グーグルでは検索出来ない、通称「 辿り着けない家 」です。
この物件は、私が数々の横須賀エリアに物件を買い進めるきっかけになった、横須賀での記念すべき最初の物件です。
■ 50万円で買った「 幻 」の古家
この物件までの道中は、それはそれは狭くて舗装はおろか街灯もない、眼下は直ぐに崖なのに、柵もないようなケモノミチです。
しかも、そのケモノミチは狭いだけでなく、草木の生い茂る山の中にあるので、夕方以降は足元も見えず、雨の日はすべりやすいこともあり、不動産会社の人も、晴れた日の昼間しか現地案内できないという面倒くさい物件でした。

※写真はイメージです。実際の道はもっと細いです。
そんな物件なので、当然案内してくれた営業マンも売れずに困っている様子でした。
ウメ男
「 立地が強烈ですね〜 」
営業マン
「 そうなんですよ〜。安いから問い合わせは多いんですが、案内しても決まらなくて困ってるんですよ。ウメ男さんなんとかしてくださいよ〜 」
ウメ男
「 ・・・分かりました! では今回この物件、ワタクシが買いますよ 」
営業マン
「 えっ、いいんですか? こんな場所なので、買っても誰も住みたがらないと思いますよ! 」( おい )
ウメ男
「 その代わり、今度いい物件が出たら一番に紹介してくださいね 」
営業マン
「 もちろんです 」
と、未知なる世界に飛び込んでみることにしました。
元の売値は150万円でしたが、ワタクシは50万円で指値して購入。家としては爆安ですが、あんな場所に建つ家に住む人がいるかどうかはわかりません。こうなると投資というより投機です。
まあ、価格も価格だし、最悪、誰も住まなくても、土地が広いので融資を受ける際の共同担保として使えばいい( 安易 )と考え、気軽に購入しました。( 良い投資家の皆さんはマネをしないでね、ダメ絶対! )。
そしていつもの様に、リフォームはせずに、掃除だけで募集をしてみると、まさかの数日で「 申込が入った 」との連絡が・・・。
どんな人が申込んできたんだろう・・・。
忍者?
いや仙人?
少なくとも男性だろうと思っておりましたが、まさかの女性でした。しかも、女優の鶴田真由さんを地味にした感じの大人しい感じのアラサー女性とのこと。
この時ばかりは、人間の価値観の多様性を感じました。
鶴田さん( 仮名 )は無職でしたが貯金があったため、保証審査は通過。家賃は4万円です。住みたい理由としては、もともとこの近所に住んでおり、自然の多い環境が気に入っているとのこと。
そしてこの鶴田さん( 仮名 )ですが、「 本当はこの家を買いたかった 」という程、ここでの暮らしが好きだそうで、もう4年も住んでくれています。( 50万で買った家に対し、192万円の家賃をいただいたことになります )。
鶴田さん( 仮名 )は現在も労働はしていない様ですが、毎月、きちんと振り込みがあります。時おり、連絡が入りますが、大した連絡ではありません。
鶴田さん( 仮名 )
「 庭に大根を植えていいですか? 」
ウメ男
「 どうぞ、どうぞ 」
とか
鶴田さん( 仮名 )
「 飛んでくる虫は、なんとかなりませんか? 」
ウメ男
「 大丈夫ですよ! この物件は、ペット可ですから!! 」( 答えになっていない )
などと答えながらなんとか4年やり過ごして来ました。未だに鶴田さん( 仮名 )の正体は謎めいてますが、末永くお住まいいただきたいです。
世の中にはいろいろな生き方があり、好き勝手に住めるボロ物件というのは、そういう方々の受け皿的な意義もけっこう大きいような気がします。
■ 鶴田家( 仮名 )の周囲の家を3戸も購入した理由
さて、話は変わりますが、私はこの鶴田さん( 仮名 )の住む家を買ってから、その近所に3戸も古家を買いました。
一番立派なものは約100万円で買い、約5万円で貸しています。その他の2つは小屋みたいな家で、中古の軽自動車くらいの価格でした。こちらは未だ空室です。
なぜ、こんな場所に続けて物件を買ったかというと、ケモノミチの家を売った営業マンから、
「 あの家の近所に安い家が出ましたよ。ウメさんが買わないと、鶴田さん( 仮名 )が買って貸家を出て行ってしまいますよ 」
と脅迫を受けているためです( 笑 )。
あの家は、他に住んでくれる人はいないでしょうから、そう言われると、別の家も買わないと! という気になってしまいます( 笑 )。
他の家もケモノミチではないものの、いずれも膝が不安な人なら躊躇するような急な坂の上にあり、ワタクシなら絶対に住めません( 笑 )。
でも、過去には200段以上の階段のある家を「 通勤がトレーニングになって良い 」と自衛隊の賃借人がつくなど、世の中には様々な賃貸需要が存在することを知っているので、強い心で買いました。
こちらも担保評価は出るので、このままでもいいか、と思っています。
余談ですが、ボロ家のひとつの庭に、大きなサボテン風の植物が育っています。バッサリ切ろうとしたら、お隣の奥様( 初老 )に
「 私が30年前に嫁いできたときに一度、サボテンの花が咲いたのよ。そろそろまた咲くはずだから、切らないでね 」
と懇願され、現在、放置プレイ実施中です。
ワタクシはサボテンの花( 多分、サボテンでもない竜舌ランらしい )にはまったく興味ございませんが、お隣の奥様( 初老 )の勢いに押されて、「 いいですよ〜 」と笑顔で快諾してしまいました。
この奥様( 初老 )が、サボテンの家を買ってくれればいいのにと思い軽く振ってみたのですが、それについては、笑顔でスルーされました。( 涙 )。

実際の写真です。
■ 古家を買った営業マンから、都心の一棟ビルも買っています
さて、ここまで読んで、「 そんな物件買ってしまって大丈夫? 」と思った方も多いでしょう。結論からいうと、無問題( モーマンタイ )です。
というのも、このボロ物件たちをソフトに押し売りをしてくる営業マンから、すでに複数の優良物件を紹介してもらい、買っているからです。
その中には相場よりも安い都心のビルや、マンションなども含まれます。そこで得たメリットを考えたら、坂の上の古家の出費や維持費など、安いものです。
彼らだって人間ですから、仕事のしやすい人とビジネスをしたいはずだし、借りがあれば返そうと考えます。僕たちははやりのWin-Winの関係なのです( 笑 )。
ワタクシはよく、「 どうやってそんなに安い物件を買っているんですか 」と聞かれるのですが、その答えの一つが、こうやって営業マンとの関係性を強めていることです。
そんなソフト押売り営業マンとも、最初の出会いはネットでの物件問い合わせでした。そういう意味で、ネットでの検索というのは、どんなステージにあってもかかせないといえます。
「 鋼のメンタルを持つウメ男だからできた 」ではありません。今の自分で今日からできることがきっとありますよ。
ほとんどの人には参考にならないと思いますが、変態物件が好きな一部のマニアの方に向けて、紹介させていただきました。
繁忙期もいよいよ追い込みに入ってきますね〜、皆様、がんばっていきましょう!
それでは、ごきげん麗しゅう!