皆さま、こんにちは。今年も張り切って変態物件を買っていきますので、ご期待ください。今回は、昨年購入した都内のアパートで起こった出来事をお話ししたいと思います。
■ 2年半の滞納が発生している都内のアパートを購入
去年、東京都大田区の駅から徒歩10分にある木造アパートを購入しました。こちらの物件は入札に参加して無事に落札したものです。主要なターミナル駅までも徒歩圏で、東南方角の角地というまあまあの好立地です。
購入価格は2,400万円、築年数は50年近くで、一棟に4戸入っているごく普通のアパートです。土地は約20坪なので、坪120万円で購入することができました。土地値は約4,000万円なので、更地にして売却すればかなりの利益が見込めます。
結論から話すと、こちらの物件は入居者に退去してもらい、解体して更地として住宅の建売業者様に販売しました。おそらく、建売業者は2,000万円程で建物を新築し、土地・建物を合わせて7,000万円台後半で販売するものと思われます。
こう書くとスムーズに購入から売却に至ったように見えますが、実はそんなことはありませんでした。こちらはいわゆるいわくつきの物件で、一般市場では売却が難しい物件だったのです。
というのも、4戸の内2戸で計2年半以上滞納している入居者がいたのです。不動産屋さんはこういった手間のかかる物件は、仲介したがりません。自分が仲介を頼まれたとしても、やりたいとは思いません(笑)。
2年半の滞納のあった部屋、家賃は4.3万円だった
滞納している2人は兄弟で、隣同士で住んでいました。弟さんの方が更新をしたタイミングから滞納し始め、立退きが完了するまで実質2年半も滞納し、その額は130万円を超えていました。ちなみに、2人はそれぞれがお互いの保証人になっていました。
結局、滞納の問題は解決せず、ご兄弟共に立退いていただく結果となりました。一度滞納が発生し、その額が積みあがっていくと全額返すのは困難になります。その2人は生活保護を受給することになり、晴れて今住んでいる部屋よりもいい部屋に越していきました。
■ 2階の入居者には60万円を支払い全員の退去が完了
滞納している人は通常、大家とのコンタクトを避けるため、設備などに不具合があっても連絡してきません。そのせいか、部屋の中はだいぶ傷んでいました。床にはご自身でガムテープを用い、補修している箇所もあり、通常なら人が住むのには厳しい環境でした。
その兄弟は1階に住んでいました。その1階のかなり傷んだ部屋の状況を2階の入居者に見てもらいました。そして、「 建物の老朽化が進み、これ以上住んでいただくのは危険 」と伝え、それぞれ60万円ずつ支払い、退去してもらうことになりました。
4部屋の立退きが完了するまでの約半年間、なかなか骨の折れる作業となりました。しかし、立地がよく、安く買っていたため、立ち退きが完了した後の売却はさくっと進めることができました。
このアパートは滞納がある前提での購入の為、市場価格よりかなり割安で購入できました。普通の人であれば躊躇するような物件を購入することで、うまくいけば大きな利益が見込めます。しかし、当然、リスクも大きくなります。
ワタクシは、読者の皆さんにも是非こういった癖のある物件にチャレンジしてもらいたいと思っています。ワタシ自身は宅建業の資格を持っています。業者の免許がないなら、しばらく運用したあとで売却することになりますが、やる価値はあると思います。
■ 公売と競売で物件を買う方法
話は変わりますが、ワタシは各地方にある財務局のホームページをチェックして、公売の入札に参加することがあります。これは誰でも閲覧可能です。正直、入札しても滅多に落とせません。しかし、ごく稀に落札できますので、諦めずにコツコツやっています。
ワタクシの得意エリアである横須賀の場合、金額が低いものも見つかりやすいです。1つ数百万円のものなら、保証金も50万円程とハードルが低いので、まとめて5本入札するようなこともあります。
競売も見ています。競売は時期によって増減があり、今は増加基調です。全体の不動産相場が上がってきている中で、無理して購入してローンが返せず持ちきれない人が増えているからです。最近も、築2年ほどの築浅物件が出ていました。
ちなみに競売は(ケ)と(ヌ)の2種類に分かれます。(ケ)は住宅ローンが支払えなくなったもので、「 期限の利益の喪失 」にもとづいて手続きが進みます。入居者は自分がローンを払えなくなったから仕方ないと、揉めることなく出ていきます。
一方、(ヌ)の方は個人間の債権が競売に掛けられるケースが含まれます。不動産に抵当権がついているわけではないのですが、持っている資産に差し押さえをかける中に、不動産が入ってきます。それが競売に出てくるのです。
(ヌ)の場合は、債権者と債務者が揉めて競売取り下げになることも珍しくありません。少々手間取ることもありますので、ワタクシは(ケ)に限定して入札しています。
「 ここ数年、競売の落札価格が高くなって、全然買えない 」という声を聞きます。それでもワタシが競売に参加するのは、競売は任意売却に比べれば高いけれど、市場価格よりはまだ安く買えるものが多いからです。市場に出る価格は競売の3割増しという印象です。
私的な入札も含め、年間で20本くらい入札していると思います。規模でいうと、数百万円から1億円超えのものまで様々です。入札してもお金を用意できないと買えないので、今でも入札した時はいろんな意味でドキドキします。
余談ですが、競売物件は外観しか見られないので、確認はGoogleマップだけで現地には行きません。ワタクシにとってはこれが正解ですが、Twitterに書くと叩かれそうなので、小さい声で言うようにしています( そもそもTwitterをやっていませんが・笑 )。
■ リーマンショック後は任売却物件が増えた
これは業者としてですが、以前は公売、競売情報を見るだけではなく、官報を見て破産情報もチェックしていました。その破産情報を元に、保有している物件が競売に出るかどうか、その可能性を探るのです。
そして、競売になる前に謄本を上げて、任意売却の媒介を取ることを狙います。破産者は官報に掲載された途端に不動産屋がたくさん訪ねてくるので驚くようです。そのあたりの事情を分かっていて、不動産屋を警戒している人も多いです。
ただ、現在は任売よりも競売が主流になっています。競売の方が高く売却できるためです。債権者である銀行もなかなか任意売却に応じません。任意売却になると、抵当権者の2番手以降はハンコ代金が回収できるので、彼らは比較的協力的です。
任意売却になるか、競売になるかということはその時代によって波があります。リーマンショック後は任意売却になるケースが多くありました。今の高値相場がはじけた後にも、任意売却が増加すると予想しています。( いつはじけるかはわかりませんが )
そんな2022年は貨幣の価値が下がり、モノの値段が上がっているので、今年もお金を不動産に換えていくつもりです。と言い訳をしながら、今年もたくさん不動産を買おうと思っています(笑)。
最後に、今回のコラムで紹介した大田区の立退きを行った物件に関するYouTubeをお笑い芸人の千原せいじさんとワタクシの友人の闇沢ウラ男さんが案内しています。よかったらご覧ください!
それでは、ご機嫌うるわしゅう~♪
今年もよろしくお願いします~♪