内覧時、入居希望者さんの印象に一番影響を与えるのはもっとも目に入る面積の大きい床・壁・天井です。手を抜かずしっかりと手を加えていきたいポイントを紹介します。
1.ボロ物件投資って何?
2.良いボロ物件と悪いボロ物件
3.ボロ物件マーケティング
4-1.激安リフォームのコツ( 電気まわり )
4-2.激安リフォームのコツ( インフラ )
5.激安リフォームのコツ( 水回り )
6.激安リフォームのコツ( 床・壁・天井 )←今回はココ!
7.激安リフォームのコツ( 電気・照明 )
8.心を奪うモデルルーム化
9.賃貸営業
10.特約事項で安定運営
■ 6. 激安リフォームのコツ( 床・壁・天井 )
◯ 床
入居希望者さんが物件を訪れた際、一番最初に目に入る場所( =チェックする場所 )が「 床 」です。リフォームする際は、元の床材の種類に関わらず、原則的にはフローリング化してしまうことをおすすめします。床がキレイだと、それだけで物件に対する印象が高まります。
既存の床がじゅうたんの場合、家具や冷蔵庫の跡がつくため原状回復費用が継続的にかかる上、どうしても「 ダニがいるのでは? 」というイメージが残るため、客付け上の問題があるからです。
既存の床が既に床板の場合は、床なりやレベルが取れていない( 床が斜めになっている )などの問題があれば、新しいフローリングにやり替えてしまうといいでしょう。その際、根太等の下地も大工さんに見てもらい、問題があれば抜本的に修繕してしまうといいと思います。
既存の床板に機能上の問題はないが、見た目がキレイではないという場合は、既存の床板の上にクッションフロア( CF )かフローリングを増し貼りするといいと思います。
クッションフロアにするか、フローリングにするかは、部屋の状況( 水回りの湿気の有無 )や床の高さ( フローリングを既存の床材の上に増し貼りすると、9〜12ミリ床の高さが上がるため )に応じて適切なものを選択しましょう。
既存の床が畳の場合は、じゅうたんの場合と同じく、迷わずフローリング化するのがおすすめです。お金がかかるように感じるかもしれませんが、今後の畳の表替え費用を節約できるので、数年で元が取れるはずです。

※ 脇田がお手伝いした物件のリフォーム前の様子。

※ リフォーム後の部屋。畳はフローリング化し、和室2間をつなげて開放的なリビングとした。
◯ 壁
中古物件の壁を効果的にキレイに仕上げる方法は大きく2パターンあります。
既存の壁が既にクロスの場合は、新しいクロスに貼りかえるだけで劇的に見た目の印象を向上させられます。ポイントは平凡な白系の量産クロスは避け、例えばサンゲツであれば、「 FINE 」などの1000番台のクロスを使用することです。

※ 脇田がお手伝いした物件のリフォーム前の状態。壁には化粧ベニアが使用されていた。
もう一つの方法は、既存の土壁や繊維壁の上に石膏ボード等を大工仕事で施工し、その上にクロスを貼る方法です。
この方法の長所は既存の和室の柱等も石膏ボードの下に隠せるため、完全な洋室に仕上げられることと、既存の壁と新しい壁の2重の壁になり防音・断熱効果が上がる点です。
短所は、大工仕事が増える分コストがかかることと、室内の有効面積が若干狭くなってしまうことです。

※ 脇田がお手伝いした物件のリフォーム後の状態。
写真の物件では、経年劣化した化粧ベニアの上にサンゲツのFE-8733( 左側壁 )、FE-8732( 正面壁 )を施工し、アクセントとしてミラー付きのプレートを4枚、縦に設置しました。古めかしい部屋が、明るくモダンになりました。
○ 天井
原則的に、天井はシンプルに白系のクロスを施工するといいと思います。グレードも天井に関しては量産クロスで良いと思います。ただし、ロフトがある天井の高い物件の場合は天井部分のみアクセントとして濃色のクロスを施工しても面白いと思います。

※ 脇田がお手伝いした物件のリフォーム後の状態。
写真の物件では、サンゲツのFE-9594( 天井部分・黒 )を採用し、天井とのコントラストを際立たせるため壁面はあえて白色としました。壁面は量産クロスではなく、サンゲツのFE-8998〜FE9005の傷などに強い「 スーパー耐久性( ペット対応 ) 」を採用しています( 写真ではFE-8998 )。
壁、床、天井は表面積が大きい分、少し工夫をして、手を入れるだけで、物件を差別化し、入居希望者に与える印象を大きくアップする効果があります。皆さんの参考になれば幸いです。
〜 次回に続く 〜