多くの方からご相談をいただくようになってきた。
先日も、都内在住の30代の女性から次のような質問をいただいた。
「 現在、23区内で、自身の居住用に区分マンションを借りている。
その部屋のオーナーから、 『 この部屋を購入しないか? 』 と勧められている。 いくらなら買っても問題ないか? 」
とのご相談をいただいた。
ちなみに簡単な物件情報は下記の通り。
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■立地
- 東京都23区北西部
- 地下鉄駅徒歩8分
- 鉄筋コンクリートマンション
- 区分所有1室
- 3LDK/70平米
- 築30年程度
- 10階建て
- 総戸数200戸
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答えのない難しい質問だ。
購入の意思がどの程度あるのか?
売主様の売り出し理由は?
物件の状態は?等
いろいろと確認したい事項もある。
しかし、
「 ケースバイケースなので一概には答えられない 」
と回答するのも能が無いので、
参考金額として、
もし、脇田が投資用として購入するのであれば、いくらで購入するか?
という前提で回答をさせてもらうことにした。
まずは、収益還元価格を算出する必要があるので、
「 当該物件を貸し出すとしたらいくらで貸せるか? 」 を、
「 ネット 」 や 「 複数の賃貸業者さんへの聞き込み 」 で調べたところ、
原状回復程度のリフォームで、月額約12万円で賃貸可能
という結果が出た。
この金額は、
既に築30年を超えており、今後家賃は減少傾向にあることや、
周辺に似通った間取りの新築物件がコンスタントに供給され続けていることを考慮して、 厳しめに算出した数字だ。
月額賃料から計算すると
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△利回り7%
物件価格は2057万円 ( 税金・諸費用は別 )
△利回り10%
物件価格は1440万円 ( 税金・諸費用は別 )
△利回り15%
物件価格は960万円 ( 税金・諸費用は別 )
△利回り20%
物件価格は720万円 ( 税金・諸費用は別 )
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となる。
※今後必要となるリフォーム費用については、
当面は現状のままで居住可能とのことなので一旦除外して考える。
あとは、利回りをいくらに設定するか?ということになるのだが、
脇田が購入する場合、という前提なので、
「 23区内であっても、最低15%、出来れば20〜30%以上は欲しい 」
と回答させてもらった。
ただ、自分のような投資家が物件を購入するのと、
既に賃貸している部屋を自身の名義に変更するために購入するのとでは、 条件がまったく異なる。
その物件を購入することで、購入者が幸せになるのであれば、
利回りが低くても、プライスレスな価値があるということもできる。
判断が難しいところだ。
ちなみに、近隣エリアで売り出し中の類似物件は、
利回り5〜7%程度 ( 2000万円台前半 ) で売り出されているものが
多いようだった。
とりあえず、前述の、
「 “収益還元法による価格算定”と“既に当該物件を賃借していること”
を拠り所に、 まずは交渉をはじめられたら良いと思う 」
とアドバイスさせてもらった。
物件購入時に掛かる費用は、
その物件を所有している間に必要となる費用のごく一部にすぎない。
今後、リフォーム費用も必要になるだろうし、仕事の都合で他の物件へ
引っ越さなければならなくなるかもしれない。
賃貸なら問題ないが、自己所有となると想定外の費用が発生してくる
可能性もある。
なので、物件購入時には、
投資用はもちろんのこと、自身の居住用であっても収益還元法で価格を算定した方がいいと思う。
納得のいく買い物になればいいのだが。
今後の推移を見守りたい。