今回は、大家の立場からの、賃貸物件の検索サイトを意識した、家賃・共益費・敷金・礼金等の効率的な設定についてお伝えしていこうと思う。余計なコストを掛けずに営業マンに電話をするだけで、たった5分で出来る効果的な対策だ。
■2010年01月26日( 火曜 )
夕方。
長崎で賃貸募集をお願いしている会社の新人営業マンから電話。
「 脇田さん。繰り返しになるかもしれませんが、、、 」
と切り出された。
「 繰り返しになるかもしれませんが、
現在募集中の元弁護士事務所だった区分マンションの
募集条件を確認させていただいてもよろしいでしょうか? 」
とのこと。
条件は既に伝えてあるのに、なぜ再度確認する必要があるのだろう?
と不思議に思っていたら、営業マンのほうから、
「 家賃6万5千円。敷金3ヶ月でよろしいでしょうか? 」
との言葉が。
実際には 「 家賃6万円。共益費5千円。礼金3ヶ月 」 が正しい。
「 既にお伝えしていますが、
家賃6万円。共益費5千円。礼金3ヶ月ですので訂正をお願いします 」
と再度お伝えし直しておいた。
今後のこともあるので、再度この新人営業マンには説明することにした。
多くの賃貸物件検索サイトでは、
5,000円区切りの家賃でお部屋の検索を行う仕様が一般的だ。
家賃・共益費を含めたトータル金額が同じ6万5千円でも、
ただ単に 「 家賃6万5千円 」 と、
「 家賃6万円、共益費5千円 」 とでは検索のされやすさがまったく異なる。
当然、
後者の方がリーズナブルに見えるため、入居希望者の目に触れやすい。
一見、姑息な(笑)テクニックのようだが、入居者募集を行う大家さんにとって何よりも重要なことは、一人でも多くの入居希望者に自分の物件を認識してもらうこと。
現在の入居希望者の大部分は、インターネットで物件を検索している。インターネットの検索サイトを意識した募集条件の設定を行うのは必須だ。
また、敷金は退去時に返却しなければならないが、
礼金であれば、当然のことだが返却の必要は無い。
敷金を預かっていなかったからといって、退去時に問題があれば、
国土交通省のガイドラインに沿って、補修費を請求するものはするわけだから、敷金という"担保"があるかどうか?だけの問題だ。
それであれば、入居時にいただく一時金は、
礼金でいただいた方が大家にとっては良いはずだ。
ただ、商談中の入居希望者が、
「 将来返ってくる敷金ではなく、礼金を支払うのが嫌なのでこの物件には住まない 」
と考えるリスクはもちろんある。そういった人はまだまだ少数派だと思う。
一言で 「 空室を埋める 」 と言ってもその方法は一つではない。
コストを掛けてリフォームをすることも重要だが、
「 部屋探しをしている入居者希望者には、
自分の物件はどのように見えているのか? 」
ということを、マーケティング的な観点で意識しながら、入居希望者に選択していただきやすいように、自分の物件を変化させていくことも重要だ。
この営業マンによると、今週末に一組案内の予約が入っているとのことだ。
まだ、物件のPOP貼りやモデルルーム化を行っていないので、
成約に結びつくかどうか不安だが、早く入居が決定すると嬉しい。
〜次回に続く〜