「 階段立地 」という言葉を知っていますか?
通常、建物は「 道路 」に面しています。「 道路 」というと日本ではアスファルトで舗装された幅4メートルとか6メートルとか、それ以上の道幅で自動車が通れる道のことをイメージする方が多いと思います。
しかし、「 階段立地 」の場合、物件が接している「 道路 」は幅数十センチ~1メートル程度の階段やスロープであり、自動車で直接物件に入ることはできません。そのため、物件の資産価値は下がります。
また、階段ですから、自転車を使うにも不便です。このように、階段立地の物件は一般的なものよりも利便性が低いため、適切な対策を講じなければ入居付けの面で苦労することもあります。
しかし、私は階段立地の物件を多く持っています。場所は長崎です。長崎は平地の面積が少ないため、階段立地の物件が他の地域に比べて多く、地元の人たちにとっては、特に珍しいものではありません。
さらに、そのような物件は戸建で30万円未満、アパートで100万円台というように、驚異的に安く売られていることがあります。そのため、私はこれらの物件を取得し、高利回りでの投資を実現しているのです。
東京や大阪など、階段立地になじみのないエリアの投資家の方にとっては、「 車が入れないような不便な物件に賃貸需要があるの? 」と思われかもしれません。
結論をいえば、全く問題ありません。私自身、ここ数年で階段立地のアパートや戸建をいくつも購入してきましたが、ほぼ全期間において満室で運営できています。
しっかりとした事前調査を行ったうえで、適切な運営ノウハウを駆使すれば、階段立地でも充分に賃貸経営は可能というのが私の考えです。
ここでは、そのノウハウをいくつかご紹介したいと思います。
長崎に所有しているアパートの前の接道。
自動車が入れないため物件の資産価値は相対的に低い。
■ 驚異的に低い価格で物件を取得できることもある
0円の戸建( 3万円台後半で賃貸中 )、5万円の戸建( 3万円で賃貸中 )、約50万円の戸建( 約4万円で賃貸中 )、150万円のアパート( 約17万円で賃貸中 )。
これらは全て、私がここ数年の間に購入した物件です。例えば、0円の戸建の場合、最初は某検索サイトで50万円程度で売りに出ていたものを交渉して購入しました。
5万円の戸建は、当初150万円程度でネットに掲載されていましたが、長期間売れず、「 早く処分してしまいたい 」という売主様の意向で10万円に値下げされたところを、私が交渉し5万円で購入しました。
物件の取得後にリフォームを行っているため、単純に購入金額だけで投資の良し悪しを判断することはできません。しかし、私はこれらの物件について、既にリフォーム代を含めた総投資額を回収し終えています。
方法さえ間違えなければ、階段立地においてもボロ物件投資を成功させられるということを、私は身を持って感じています。
ここまで述べたように、階段立地はもともと格安で売られていることが多い上に、さらに指値が通りやすいという特徴があります。
「 車が入れない階段立地の物件なので、あげるつもりだった身内が欲しがらない 」
「 高齢になったのでもっと便利な物件へ引越ししたい 」
「 所有している階段立地の物件をどう処分しようか? 」
「 所有しているだけで税金や保険料がかかってしまうから、安くても良いので誰か引き取って欲しい 」
売主様がそんな風に考えている階段立地の物件に対して、大幅な指値を入れていくことで、高利回りを実現することができるのです。
■ 入居者探しにはそれほど苦労しない
階段立地が存在するエリアでは、私たちが考えているほど、「 階段立地であることが特別なことではない 」と認識されているため、入居希望者さんはそれほど抵抗なく借りてくださることがほとんどです。
とはいえ、わざわざ「 階段立地の物件に住みたい 」という賃貸需要があるわけではないので、事前に地元の賃貸仲介さんの意見をヒアリングしつつ、本コラムでも紹介してきた他の対策も合わせて実施することが大切です。
~ 次回に続く ~