自ら大家としての経験も有する、不動産・相続トラブルに注力する弁護士の山村が、不動産トラブルを予防するために、実話を基にした解決事例をご紹介します。
1、補修工事費用を巡る訴訟トラブル
前回から、「 損害賠償額 」についての裁判所の傾向を説明しています。
参照:杜撰な業者のせいで生じた「 余計な費用 」は賠償請求できる?-賠償請求に関する裁判所の考え方-
建築瑕疵トラブルが生じた場合でも、訴訟費用、建築士費用等々を考えると訴訟まで行って請求するのは難しいという現実があります。また、前回お伝えしたように、裁判所は「 差額説 」という考え方を基本としています。
加えて、裁判所は「 確たる資料がある実損ベースの賠償 」を認める傾向にあります。この点について、具体例を見ていただこうと思います。
2、建築瑕疵の補修工事費用の請求はできる?!
まず、建築瑕疵によって補修工事費用を請求できるかどうかですが、一般論としては、「 できる 」ことが多いです。もっとも、この請求が認められるためには、「 建築瑕疵がある 」と原告の側で立証しなければなりません。
分かりやすく言いますと、裁判所の立証責任の制度上、建築瑕疵の被害を...
1、補修工事費用を巡る訴訟トラブル
前回から、「 損害賠償額 」についての裁判所の傾向を説明しています。
参照:杜撰な業者のせいで生じた「 余計な費用 」は賠償請求できる?-賠償請求に関する裁判所の考え方-
建築瑕疵トラブルが生じた場合でも、訴訟費用、建築士費用等々を考えると訴訟まで行って請求するのは難しいという現実があります。また、前回お伝えしたように、裁判所は「 差額説 」という考え方を基本としています。
加えて、裁判所は「 確たる資料がある実損ベースの賠償 」を認める傾向にあります。この点について、具体例を見ていただこうと思います。
2、建築瑕疵の補修工事費用の請求はできる?!
まず、建築瑕疵によって補修工事費用を請求できるかどうかですが、一般論としては、「 できる 」ことが多いです。もっとも、この請求が認められるためには、「 建築瑕疵がある 」と原告の側で立証しなければなりません。
分かりやすく言いますと、裁判所の立証責任の制度上、建築瑕疵の被害を...
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