自ら大家としての経験も有する、不動産・相続トラブルに注力する弁護士の山村が、不動産トラブルを予防するために、実話を基にした解決事例をご紹介します。
1、補修工事期間中の代替賃料問題
前回に続いて「 損害賠償額 」についての裁判所の傾向をご説明していきます。損害賠償額の認定は、裁判ごとに個別要素に大きく左右されるのですが、大きな裁判例の傾向を知っておくことは大切だと思います。
以前のコラムでお話したように、裁判所は「 差額説 」という考え方を基本に、「 確たる資料がある実損ベースの賠償 」を認める傾向にある、といえます。今回は、補修工事中の代替賃料問題です。
2、大家は、代替住居費用を負担する必要がある!?
まず、「 漏水トラブルが生じてしまい、住居として利用できない程度の影響がある場合 」を仮定します。大家としては、賃借人のために、ホテル費用など代替住居費用を負担しなければならないのか、という問題です。
これについては基本的に負担する必要があると言えるでしょう。以下の条文は、一番基本の賃貸借の条文ですが、大家業での賃貸借とは、お金をもらって、部屋を貸す契約です。
そのため、住居として貸したにもかかわ...
1、補修工事期間中の代替賃料問題
前回に続いて「 損害賠償額 」についての裁判所の傾向をご説明していきます。損害賠償額の認定は、裁判ごとに個別要素に大きく左右されるのですが、大きな裁判例の傾向を知っておくことは大切だと思います。
以前のコラムでお話したように、裁判所は「 差額説 」という考え方を基本に、「 確たる資料がある実損ベースの賠償 」を認める傾向にある、といえます。今回は、補修工事中の代替賃料問題です。
2、大家は、代替住居費用を負担する必要がある!?
まず、「 漏水トラブルが生じてしまい、住居として利用できない程度の影響がある場合 」を仮定します。大家としては、賃借人のために、ホテル費用など代替住居費用を負担しなければならないのか、という問題です。
これについては基本的に負担する必要があると言えるでしょう。以下の条文は、一番基本の賃貸借の条文ですが、大家業での賃貸借とは、お金をもらって、部屋を貸す契約です。
そのため、住居として貸したにもかかわ...
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