その仲介スタッフさんはある日、私にこう言いました。
「 山岡さん、あのね、立地、日当り、室内内装、家賃、水回り設備、全てを気に入った! と盛り上がったのに申し込みまで行かないお客様って意外と多いんですよ。その原因はね・・・・・下駄箱のサイズなの( ̄ー ̄)ニヤリッ 」
そう、下駄箱のサイズが小さすぎると、他がどんなに良くても、申し込みに至らないケースが多々あるのです。
■ 昭和風小型下駄箱が成約の足枷になっている問題
ファミリー世帯をターゲットにした間取りの物件なのに、下駄箱は全高が約1mの小型の下駄箱、という物件を良く見ます。

新し目の物件では、下駄箱はトールサイズが多いのですが、古い物件はなぜか決まって小さな下駄箱。そうです。天板に季節の小物を飾れるようなアレなんですが、ちょっと昭和チックですよね( 笑 )
単身者や二人で住むのでしたら小型の下駄箱でも問題ありませんが、ファミリーとなるとそれでは足りません。ある調査によれば、日本では個人で所有している靴の数は6〜10足が一番多く、次いで3〜5足となのだそうです。
男性はビジネスシューズ・スニーカー・カジュアルシューズ・アウトドアシューズ。女性はパンプス、ミュール、サンダル、ブーツ、長靴など。お子様は、主にスニーカーと長靴といった感じでしょうか。

↑上部のスペースがもったいないですよね
更にどの家庭にもある、サンダルやクロックス系のちょい履き用の履物も無視できません。雪国ならこれに、スノーブーツ・防寒靴系、除雪用長靴が加わります。ビジネスシューズも底が夏用/冬用で異なったりして、靴の数はさらに増えます。
特に女性は、履物を沢山所有する方が多い傾向にありますし、ブーツも多数所有するので収納スペースを圧迫します。これではとても、昭和チックな小型の下駄箱では収納しきれません。
■ 下駄箱のリフォーム事例紹介

こんな風に下駄箱が小さいと、「 収納力不足 」で奥様からアウトが出ます!

そこで、先程の玄関にあった下駄箱を、トールサイズの3ドアの物に交換しました。中の棚板はダボで高さを変更できるため、ブーツなども余裕で収納できます。棚上と天井との間のスペースにも、箱に入れた靴を収納できちゃいます。
次は戸建の事例です。写真は小型の下駄箱を撤去したところです。

スペースがあったので、トールサイズを2つ設置しました。これなら大家族の履物を余裕で収納できます。冬季の雪も考えて、土間と空間を空けて設置しました。

どういうことかというと、下駄箱下の土間空間に、雪で濡れた長靴やスノーブーツを置いて乾燥スペースにするのです。そうすることで、下駄箱内の湿気防止やカビ防止に役立ちます。
次は3LDKのマンションの下駄箱です。

こちらも土間と下駄箱の間に空間を設けた点がポイントです♪ 築年数が古く、枠類が傷で全滅でしたので、ブラウンに塗装しました。下駄箱も同色系のものを選んで色の統一を図りました。収納力は抜群です。

こちらも3LDKのマンション。築年数が古い物件なので、昭和風な小型の下駄箱がついていました( 苦笑 )

まぁ時代ですよね〜。この下駄箱では絶対に決まらないので、トールサイズに変更。

苦労したのは天井の梁が邪魔をしてトールサイズの下駄箱が入りにくかったことです。この梁下に出来るだけぴったり入る下駄箱を探しました。( とても面倒でしたが、ぴたっと決まると印象がいいのでがんばって探しました )
■ まとめ
いかがでしたか? 繰り返しますが、室内の内見の際、第一印象を左右するのは玄関です!
女性のお客様は特に、所有している履物が適切に収納できるかどうかを瞬時にジャッジしており、履物の収納能力が低いと一発アウトになってしまいます!
( ただし、大型のウォークインクローゼットがあるなど、室内に大きな収納があれば季節的な履物はそこに仕舞えるので、リカバリー可能。靴の衣替えをすれば問題解決 )。
ファミリー物件の空室対策で重要なのは、女性目線( 奥様目線 )で住みやすそうと思ってもらうことです。見落としがちな玄関ですが、意外と重要ですよ。
みなさんの空室対策の参考になれば幸いです。次回もお楽しみに〜(^_^)/