何度かの転職も経験しました。しかし、職場を変えても違和感は消えませんでした。結婚して子供ができた時、「 もう転職のリスクはとれない。ここで定年まで頑張ろう 」と決めました。違和感は、いつしかあきらめへと変わっていきました。
会社自体はいい会社だったのです。自分を雇ってもらって今でも感謝しています。しかし、どれだけ頭を切り替えようとしても、この生活がずっと続くと考えると、気持ちが暗くなりました。
問題は自分の中にありました。
その頃の給与の手取りは17万円台で、それで家族を養う必要がありました。私の財布にはいつも千円から二千円位しか入っていませんでした。
ある日、子供たちにお祭りで100円の焼き鳥をねだられた私は、「 これを買ったら自分の小遣いが減るな… 」と返事につまってしまいました。その時、自分の人生、これでいいはずがない、と思い、本気で変わることを決意しました。
もともと不動産は好きでした。父は産まれた時から単身赴任で家にはいませんでした。母は私が幼稚園の時から病気で入退院を繰り返していました。幼少期は祖父母のもとで育てられました。
そんな子供時代の小さな楽しみは、学校から帰ってきて、チラシの裏に間取り図を描く事でした。好きな間取りを書き、好きな家具家電を配置する。その中で、自分が生活をする事を想像するのが好きな、そんな子供でした。
ちなみにもうひとつの好きな事は、アメリカのバスケットで、架空のマッチョなバスケットボール選手のイラストをよく描いていました。当時の夢は身長2mになる事と、建築家になる事でした。
そんな私は30才で不動産投資に興味を持つと、すぐに夢中になりました。
■ 1棟目を買うためにしたこと
不動産投資を始める為に最初にしたのが、「 本を読む 」事です。賃貸経営は大きなお金を借金して行うイメージでしたので、とにかく不安でした。まずは知識を付けようと、不動産投資の書籍を100冊読む事を目標としました。
本を買うお金もなかったので、当時流行っていたヤフオクで不用品を処分しました。数十万円の売上になり、これで好きなだけ本が買えると、とても嬉しかった事を覚えています。
購入する時にこだわったのが、「 著者は実際に不動産投資をしている人か? 」です。評論家ではなくプレイヤーの話を聞いてみたかったのです。特に加藤ひろゆきさんや赤井誠さん、吉川英一さんの書籍からは、たくさんの事を学ばせて頂きました。
本を読んでいる時、自分は書籍から知識を得ているだけでなく、大きなモチベーションを受け取っている事に気が付きました。
その頃、もうひとつ大きな学びとモチベーションを貰っていたのが、健美家コラムでした。毎日、会社の昼休みに読むのを楽しみにしていました。先輩大家さん達を自分の未来と重ね合わせて、力をもらっていました。
本やコラム以外にも、大家さんの集まりがあると参加して、先輩たちの話を聞かせてもらいました。札幌でもセミナーが開かれるようになると、そこにも参加しました。周りの人全員が大家という環境に身を置くと、自分もきっと大家になれると思えました。
ちなみに、私が初めて参加させて頂いたセミナーでお会いしたのが、極東船長さんとハリーさんでした。極東船長さんと二人きりでお話しさせてもらえた経験は、その後の大きな支えになりました。ハリーさんとはその後、家族ぐるみのお付き合いをさせて頂くほどになりました。
そして焼き鳥を買うことに躊躇した夜から7か月たった頃、一棟目のアパートを買えました。自分を変えるには、環境を変える事が大切だったなといま改めて感じます。
■「 学び 」「 行動 」に「 仲間 」が加わって目標を達成できた
ここまで、10年と少し賃貸経営をさせて頂き、不動産経営で結果を出す為に必要だと感じることがあります。それは「 学び 」と「 行動 」のふたつです。成功している方たちは、それを継続しています。
自分を振り返ると、初期の頃は「 学び 」のウェイトが大きくなりがちでした。本を読んで分かったような気になっていたものの、実践では戸惑う事もよくありました。「 習うより 慣れろ 」とはよく言ったものです。学んだ事を実践して体験すると、グッと理解が深まりました。
サラリーマン大家になった私の一番の目標は専業大家になる事でした。自分の人生を、自分の一日24時間の使い方を自分で決められる。家族のことを最優先に出来る。そんな生活を一度でいいから体験してみたかったんです。
「 学び 」と「 行動 」は続けていました。しかし、目標のキャッシュフローにはなかなか届きません。会社の仕事は忙しく、諦めそうになる事もありました。そんな中、自分自身を引っ張り上げてくれたのは、周りの大家さん達の存在でした。
先輩たちは、トラブルが起きれば適切に対処し、一つ一つ乗り越えて進んでいました。週末の大家の会でそんな話を聞く度に、興奮して妻に話すのが、お決まりになっていました。そうするとまた次の一週間、頑張れました。
自分一人で大家になり、成功していく人もいると思います。一方、周りの人がいたお陰で出来る人も居ます。私は後者でした。「 学び 」「 行動 」に「 仲間 」が加わったことで、うまくいかない時も諦めずに進むことができました。
■ 情報発信とミーティングとオンラインスクール
そうして私は、専業大家になるという目標を叶えました。自分や自分達が満たされると、初めて周りに目がいきました。それまでは自分の事、家族の事で精一杯でした。そんな自分も気付くと少しだけ変わっていました。
それからは、自分の経験が昔の自分のような人の何かの参考になれば良いなという想いから、発信活動をするようになりました。ブログはゼロイチを達成した時から書いていましたが、もう少し幅を広げることにしました。
専業大家になってからはTwitterに挑戦しました。2年半ほぼ毎日投稿しました。全国の大家さんと交流出来て、たくさんの出会いがありました。文字でわかりにくい部分は、YouTubeで発信しました。
SNSだけではなく、先輩たちが開いてくれていたようなリアルでの集まりを作りたいと思い、週1回のミーティングも始めました。参加者の多くは初心者の方で、たくさんの質問に答えました。参加者同士の交流も生まれました。
「 この人の話を皆さんに聞いてほしい 」という方に出会い、セミナーを主催する事もありました。そして次第に、自分自身がセミナー講師を依頼される機会が増えてきました。TEDを見ながら、何度も練習しました。緊張したけれど、やりがいも大きかったです。
ところが、3年前の新型コロナウィルスの流行と共に、対面での活動が一切出来なくなりました。この頃始めたのが、スタンドFMです。今も毎日、配信を続けています。
その他に、この環境で何が出来るかを考えた時に、始めたのが「 オンラインスクール 」でした。( 私のこれまでの活動を見てくれていた仲間が、後押ししてくれたのも大きかったです )。
授業は「 学び・行動・仲間 」をキーワードに組み立てました。これまでの経験から、経験の浅い方が躓きやすいポイントは知っています。物件紹介はありません。ワーク( 調査や行動を必要とするレポート )は多くあります。
前回から健美家さんのパートナースクールという形で開催させて頂くようになりました。そのスクールの第4期がこの4月から始まります。
「 有料のオンラインスクールは必要か? 」
これについては、色々な意見があると思います。私の答えは、「 人による 」です。私自身はセミナーには多く出ましたが、スクールへの参加経験はありません。そういった意味では必要なかったのかもしれません。
これからも、「 有料オンラインスクール 」の是非は問われ続けると思います。そんな中、絶対に必要なのが講師である私自身の成長だと考えます。それは、賃貸経営的にも人間的にも、です。そのために、学ぶことは今も休まず続けています。
コロナも次のステージに進む中、「 今の環境で何が出来るか? 」という思いで始めたその環境自体も変わってきました。これまでのオンラインのみで行うスクールという形も、今回が最後になるかもしれません。
その分、今期は参加されたひとり一人の方と個別に向き合いたいと思っています。参加される方はよろしくお願いいたします。
今日は少し、私自身の話をさせていただきました。この10年ちょっと、色々なことがありましたが、不動産投資を始めてよかったと心から思います。
今は色々な形で学びが得られる時代です。皆さんも自分に合った形を見つけていただければと思います。それではまた次回、お会いしましょう!

先日、「 三姉妹 」が祀られているという広島県の厳島神社に家族で出かけることができました。
我が家の三姉妹も楽しんでくれました。