所有権を無事に移転して、人生初のアパートオーナーとなった矢先、床下一面の浸水被害という瑕疵が見つかった可哀想な新米大家( ←オレ )
瑕疵の保証に関して( 瑕疵担保責任 )、全くやる気のない仲介不動産屋と、超無責任の売主にしびれを切らしつつも、「 入居者様の安全第一 」を考え、赤鬼荘の瑕疵修補工事だけは粛々と進めていました。
お金がないので、工事の資金は政策金融公庫から借りました。せっかく現金で買ったのに借金しちゃった。。。o(TヘTo)
しかし、落ち込んでばかりもいられません。次なる一手は、そう!
「 出るところに出ちゃう! 」(#゚Д゚)ムキー!
つまり、私は法廷闘争をも覚悟し、そのための準備を始めることにしたのです。とはいえ、多くの人と同様に、訴訟に関してはド素人です。
まずはアノ状態が本当に瑕疵なのか? 私の独りよがりではないという事を確証しなければイケナイと思い、弁護士センセイの「 無料法律相談 」を訪れました。そして、「 よしゆきさんの主張に間違いはないでしょう 」というお墨付きを得られたところで、覚悟を決めたのです。
「 こうなったら裁判、やっちゃうもんね! 」(#゚Д゚)オラー!
まずは手始めに、売主に「 内容証明 」を送達する事からスタート!
念のため説明すると、内容証明とは自分の意思、要求を相手に伝え、かつそれらを「 請求した証拠を残す 」ために利用する郵便物のことです。裁判を起こす前の最後通達として、内容証明を送る場合もあります。
そして、この内容証明が訴訟ごとなどの前段階として使用されることの大きな理由に、法律上、例え送り先の人物が受取拒否しても「 送り主の意思表示は受取人に届いた 」とみなされる、という事があります。
「 なにそれ? 聴いてないんだけど・・・? 」(-.-;)
という相手の言い逃れを防ぐために、実に有効な手段なのです。昔は自筆で送る必要があった内容証明も、今は自宅に居ながら24時間365日、全てインターネットで送ることができます。
★e内容証明⇒http://enaiyo.post.japanpost.jp/mpt/
私はこの「 内容証明 」を通じて、のらりくらりと逃げ続ける売主に、瑕疵の発生時期や症状、今までの経緯を正しく「 確認 」させるとともに、それに対する売主からの「 具体的な解決方法 」の提案を求めました。
私が記載した内容は、以下のようなものです。
・瑕疵の発覚日時
・瑕疵の内容( 浸水被害、無筋基礎、フーチング厚み不足 )
・話し合いの経緯( 確かに現場で説明したよね? と言う確認 )
・工事金額の請求( 約380万 )
・具体的な対案
・返事の期日は1カ月以内!( 期日をもって裁判に移行する事を記載 )
もちろんこれは、
「 俺は本気で怒ってるんだよ! 次は裁判だ! 」
(`Д´)バイガエシダ!
という心理的な圧迫を狙ったモノでもありました。これで売主がビビってテーブルに乗って来るのであれば、裁判なんてお互いに時間とお金の無駄。できれば穏便に、話し合いで瑕疵問題の解決を図りたいと願っていました。
手紙をインターネットから投函したのは、2011年2月12日。瑕疵の発覚から半年が経過しようかと言う日でした。
「 ああ、このまま無視されて、俺は普通に裁判を起こすんだろうな・・・ 」と思っていたので、期日ギリギリになって、内容証明に対する売主からの返答が届いたのは少し意外でした。しかし、その内容はというと・・・。
「 床下のことは点検口がないので確認できませんでした 」
↑そもそも瑕疵担保の意味がわかっていない
「 私の事情もわかって下さい 」
↑はぁ?自分の事ばっかりぃ~??
「 そもそもお金がありません 」
↑だ・か・ら、オレだって金がないんだよ!( 怒 )
そこには、私から売主に求めた「対案」はひとつもありませんでした。しかし、私はすぐに裁判に持ち込むことはしませんでした。
なぜなら、この手紙を受け取ったのは2010年3月11日、午前11時。その数時間後に、あの東日本大震災が発生したからです・・・。
我が家も屋根瓦が落ち、陳列していた商品がことごとく壊れるという被害にあいました。少し経って、赤鬼荘の入居者さんの無事を知った時は、借金をしてでも、補強工事をしておいてよかった、、、と心からホッとしました。
その直後からは、大家仲間と一緒になって、自分なりの精一杯の被災地支援に取り組みました。そして、ボチボチと本業と私生活が落ち着きを取り戻した6月。ようやく、私は法廷闘争を始めるために法律事務所の扉を叩いたのです!
【 よしゆき、本日の格言 】
滞納督促や明け渡し訴訟などにも応用可能。「 内容証明 」は身近で手軽な大家さんの武器となります!