私が初めて買ったアパート「 赤鬼荘 」を内見に行ったときの信じられないようなホントの話です。
インターネットに掲載されていた赤鬼荘の画像は、外見写真の数点のみでした。あとはロケーションの写真( 駅の様子とか、近隣企業の工場写真 )が多く、私はそこに何らかの作為を感じていました。
※ 物件に直接関係のない写真ばかり載せている業者さんを見ると、何か隠していると思ってしまうのは私だけではないはずです。ダメなところも正直に見せてくれた方が嬉しいのに・・・。
とはいえ、安いのはやっぱり魅力です。張り切って内見を申し込んだ私は、前回のコラムに登場した仲介業者の竹中社長の案内で、まだ見ぬ「 赤鬼荘 」に向かいました。
そして数分後、「 もしかしたら写真より実物の方がいいかも・・・ 」という期待は玉砕。敷地内に入ると、想像を上回る「 おんぼろ 」物件がすごい臨場感で迫ってきました・・・Orz
うす汚いあずき色の外壁は痛んでいて、なるべく早期の塗り直しが必要そう。全体にダメージが大きい印象でしたので、竹中社長に過去の修繕履歴をお聞きすると・・・
「 存じません 」( ん。を上げ気味に )
ヤケにキッパリと、つれない返答です。
・・・(^_^;)
まぁいいや。そんじゃぁと敷地をぐるりと回ったあとに、アパートの中に入りました。アパートの外階段も錆び付いて酷い状態です。コチラの方も24年間メンテナンスしていないのでしょう。
続いて2階に上がると、3枚の玄関扉が開いているのがわかりました。2階には4部屋の空室があるのに、なぜ3部屋だけ扉が開いているのか? 違和感を感じ、竹中さんに疑問をぶつけると、意外な答えが返ってきました。
「 ああ、売主さんが鍵を3部屋分しか送ってこなかったんですよ 」
平然!( ・`ω・´)
空室は1階に2つ、2階に4つあるはずです。それなのに、内見可能の部屋は2階の3部屋のみ。
2階は「 1部屋だけ見せない 」。1階は「 全部見せない 」。
・・・・(;゚Д゚)
あれ? 普通、空室があれば、全部見せるよな~。
いや、例え内見希望者が全部の空室を見なくとも、どの部屋を見られても良いように全ての鍵を用意するのが本来じゃないですの?
少なくとも今まで見た物件は、空室全てを見られる状況にはなっていたなぁ~!
オカシイナァ~! (-_-;)
・・・すみません、何か隠していますよね!?(´-ω-`)
まあ、とにかく見られる部屋だけは見せてもらう事にして、今回は見られない他の部屋の様子を、竹中社長にお聞きしました。
「 たぶん、あまり変わりません 」( ん。を上げ気味に )
・・・たぶん、てなんだよ。この竹中社長の、イイ加減で投げやりな態度に、会って20分も経たずにうんざりしてきました。とはいえ、ワザワザ貴重な休みを取り、2時間も電車を乗り継いで来たのです。
・・・もう少し、付き合ってやろうじゃないの( 大分上から目線 )。私は無言で一番手前の開いているドアに入りました。
汚い。(´Д`;)
生後24年の築古なのは知っていましたが、古いのと汚いのは別。一応、スリッパは用意されていましたが、それを履いても歩きたくない!
フローリングは所々めくれ、何でしょう? 歩くたびに積年の汚れが怨念を持ってスリッパ裏からネチネチと音を発します。さらに、部屋の隅には田舎特有のBigサイズな虫くんたちが、無念の骸を晒しています。
竹中社長にとっては、これがお客様を迎える態度なんだ・・・。
こんな状態では、売却を任せている売主様にとっても「 とっても不利益 」だと思うんだけど。。。( ←いや冗談抜きで )
私はネチネチと足裏に多少の粘度を感じながら無言で窓まで近づくと、窓を開けて深呼吸しました。そして、帰りたくなる気持ちを抑えて、部屋の隅の三点ユニットバスを攻めることにしました。
この部屋の汚さからいって、三点ユニットも相当なダメージが予想されます。しかし、私は勇気を振り絞って、扉を開けました。
!!!!!!!
不意に鼻を付く異臭!!!!!
なになに? 何なの、ねぇ?
この臭いは何なの??
ま、まさか? まさかね? まさかだよね?
頭の中はパニック!
私は勇気を出して、便座のフタを開けました。
ソコには!
↑イメージ図です。お食事中の方申し訳ございません。m(_)m
・・・(゚д゚lll)
・・・(@_@#)
・・・プチーン。
俺、確かに内見するっていって来てるよねぇ? それなのに、なんでこんなことになってるの?
こみ上げる怒り! そして疑問!いえ、悪いのは竹中社長だけではないのかもしれません。売主様がもう少しマシな状態で物件を預けていれば、竹中社長だって、もうちょっと愛情を持ってこの物件を扱う気にもなったのかもしれません・・・。ともかく、私は後ろを振り返り、竹中社長に告げました。
「 もう十分、わかりました。もう結構です 」
私はサヨナラのあいさつもそこそこに、駅のホームへと歩き出したのです。まさか、こんな●●●物件を、数日後に買うことになるなんて、このときは思いもしませんでした・・・。
<以下次号>
【 よしゆき・本日の教訓 】
古い物件と汚い物件は全く違います。貸すときも、売るときも、アパートは「 商品 」として愛情込めて磨きをかけましょう。それは入居者様のため、関係業者様のモチベーションアップのため、そして廻り廻って自分のためにもなるのです。