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【BBA編最終回】そしてBBAはいなくなった。家を売った「バカ野郎」と呼ばれて。

渡辺よしゆきさん_画像 第53話

貧乏零細子沢山大家!よしゆきです。今回はいよいよBBAとの戦いにピリオドが打たれます!? ここまでのストーリーを忘れてしまったよ、という方は以下をチェックしてみてください。

・第41話「 「 ぶっ殺す 」が口癖の隣人が住む売りアパート
・第42話「 困った隣人「 ぶっ殺す! お婆さん 」との対面
・第43話「 困った隣人の無茶な要求、そして和解
・第44話「 困った隣人を襲った悲劇とまさかの物件買取り依頼
・第45話「 生活保護を申請した店子と、大家の使命
・第47話「 いつ売るの? 今でしょ! BBAとの最後の聖戦!
・第48話「 緊張の退去勧告とタカシ。BBAの「 家賃使い込み 」の過去発覚。
・第49話「 BBAの受け入れ先問題勃発!
・第50話「 BBAの転居を阻む保証人の壁!極悪ブラザーズ登場!
・第51話「 BBA転居の新たな壁。「 お役所の事情 」とダンボール40個!



時は12月終盤。とうとう、BBAの引っ越しの日がやってきました。私が現場に向かうと、そこには怒号を弾き仁王立ちするBBAと、それとは対照的に粛々作業を進める引っ越し屋のあんちゃん達がいました。



私の姿を見てまずはBBAが凄い剣幕でやってきました。

「 渡辺さん! こいつら! こいつらに何か言ってよ! もう段ボールの中身も見ずにバンバントラックに積んでいくんだから! ほら! 乱暴に! 私は1つ1つ中身を確認して積みたいんだよ! 」

「 BBAさん、私も何回も言いましたが、中身の確認をするのは昨日までにしておかなければいけなかったんですよ。彼らは残っている荷物をトラックに乗せて、次の家に運ぶだけです 」

「 あ! ほらアンタ! そんなに乱暴して! こら!お前らガギャ●○△×!!! 」

BBAはブルブルと肩を震わせながらダンダンと床を踏みしめ、最後は言葉にならない怒気を発していました。

しかし引っ越し屋のあんちゃん達は1秒も作業を止める事なく、ハイハイと段ボールを運び出して行きます。私は後ろからBBAの肩に手を置き宥めるのが精いっぱいです。

BBAを落ち着かせて座らせると、次は引っ越し屋の現場責任者の元に行きました。

「 どーですか? あとどの位入りますか? 」

私の問いに、30代前半の責任者は半笑いで答えます。

「 え? いや、もう入らないですよ。後はテトリスみたいに上とか積んで・・・。最低でもタンスは開かなくなっっちゃいますけど、しょうがないですよね? 」

「 しょうがなく無いけど・・・他にアイデアあります? 」

「 ないです。次の家に入らないからって段ボールもタンスも事前に半分くらいは処分して下さいって伝えましたよね? その約束での仕事ですし、時間も限られてますから 」

「 では段ボールを優先して、タンスは入らなければ置いて行って下さい 」

どうせ解体する現場です。残置物の量で解体費に多少の追加料金が出ても、引っ越し祝いのつもりで払ってやるわ!( 涙 )

催促しても催促しても減らなかった段ボール山を見て、私も覚悟を決めておりました。

一方で、BBAは怒鳴ろうが脅そうが機械的に荷物を運び出す引っ越し屋さんを前に、成すすべなくヘタリ込むばかりでした。こうして3時間ほどで現場はすっかり綺麗になりました。



イナゴの通り過ぎた畑のような室内に呆然と立ち尽くしていたBBAは、柱や壁、室内のそこかしこを、ただただ愛おし気になで回していました。

「 どうします? 乗って行かないんですか? 」

BBAは引っ越し荷物と一緒に移動する手はずとなっています。引っ越し屋のあんちゃんに促されたBBAは、最後に私に何かを言いたげでしたが、私が

「 私は緊急連絡先ですし、何か困ったら連絡して来て下さい( ホントは嫌だけどね、これもご縁ですから・・・ )」

と伝えると、ちょこんと無言で頭を下げ、トラックに乗り込んで行ったのです。

いつしか雪も止み、私はBBAすらも居なくなった家と周囲を見て回りました。

BBAと周囲の人との軋轢の種となった私道。タカシがバンバンとストーブを燃やしていたのも懐かしい思い出です( 笑 )。迷惑に並べられていた植木達も、今は見る影もありません。

数々の戦いの日々を思い出しつつ、私は家の外を見回り、家の中に足を踏み入れました。タンスなどがまだ残っていたものの、段ボールや細かな荷物は全て撤去された室内は、思っていたよりも広く感じられました。

感慨を抱きつつ屋内を見回った私は、ふとある一点に目を奪われました。




「 家を売った事 ばカで困る ばカヤラウ 」


ガランとした室内に書きなぐるように残された文字。もしこれがBBAの残したモノであるならば、 私の今までの苦労は何だったのか・・・?

私以外の誰かがこの家を買うよりは、BBAにとって絶対に「 良い結末 」を迎えられたと私自身は思っていたのですが、やはりそれは私の勝手な印象であり、BBAにとっては後悔しても後悔しきれぬ想いが残ってしまったのかもしれません・・・。

最後に苦い思いを抱える事になりましたが、こうして長かったBBAとの関係は、一端の終わりを迎えたのです。

近隣に住む人たちはおろか、自分の実の子供たちをも巻き込み、最後には周囲の人びと皆から「 禍つ神 」のようにも扱われていたBBA。

その心情は最後までうかがい知ることが出来なかったのは残念でしたが、しかし一方で不動産に携わる者として、様々な経験をさせていただけたことも事実でした。

何よりも、一人の人間としても色々と考えさせられる貴重な経験をさせてもらいました。

大家業は人間業。不動産賃貸経営は投資としての側面はあるもののそれが全てでは無く、むしろこうした泥臭い人間ドラマに数多く関わる必要がある事を、読者の皆様にお伝えしつつ、BBAの物語を締めくくりたいと思います。



あれから半年、私が所有する数十年も前から様々なドラマを産んできたBBAの家とその周辺の家はすっかり取り壊されました。

今ではまっさらな住宅が建ち、新しい3組の家族が来るのを待ち望むように、静かに佇んでおります。


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡辺よしゆきさん

よしゆきさん

「空室率75%のおんぼろアパートを満室にしたブログ!」
よしゆきさんのツイッター
よしゆきさんのメルマガ

■ 経歴

現在アラフォーの貧乏零細子沢山兼業大家さんです^^

1973年
東京生まれ

2004年
店舗兼住宅取得

2006年
不動産投資の勉強を始める。浦田健さんや藤山勇司さん、長嶋修さんの著作により多くの基礎知識を得る

2007年
競売により埼玉県越谷市に戸建を落札(表面利回り18%)

2010年
競売物件による賃料収入+鬼のような節制で資金を貯め、 埼玉の山奥にある空室率75%の廃墟寸前アパートを現金一括購入。 1R8戸(表面利回り28%)

しかしこのアパートで・・・7日目にして床下浸水の瑕疵が発覚、 40日目にして2人しか居なかった入居者様のお一人が居室内でお亡くなりになりΣ(゚д゚lll)、 90日目にしてアパート一帯が土砂災害警戒危険区域の選定検査を受ける。(;゚Д゚)!

が、数々の困難を乗り越え、 アパートを再生し8ヶ月で満室に導く。

2011年1月
「行動する大家さんの会(AOA)」を大家さん仲間と共に創立。(初回の勉強会で早くも会場費用自腹の危機を迎える・・・Orz)

2011年5月
全国大家ネットワークに参加
東日本大震災被災者の方を空室に受け入れる運動 「住まいりんぐ」及び「借り住まいの輪」に賛同。現在も被災者の方をアパートに受け入れている。

2011年12月
「FPコミュニケーションズ」主催 「金持ち大家さんアカデミー賞」にて最優秀賞MVPを授賞するというラッキーパンチが炸裂する(TへT

2012年3月
茨城県水戸市にRCマンションを取得。 店舗3戸、1DK×4戸、2DK×8戸(表面利回り24%)

2012年6月
新感覚の管理会社「みまもルーム」へ 外部アドバイザーとして参加

2012年7月
東京ビックサイトにて行われた「賃貸住宅フェア2012in東京」にて 講演

2012年9月
土地活用ドットコムのアドバイザーとなる

2012年12月
「FPコミュニケーションズ」主催 「金持ち大家さんアカデミー賞」にて最優秀賞MVPを2年連続授賞。史上初の二連覇を達成するというマサカのラッキーキックが炸裂!^^;

AOA勉強会やその他の勉強会にて 自身の経験を伝えるセミナーを多数開催。

「全国賃貸住宅新聞」「家主と地主」「日経新聞」などのメディアにも「汗をかく大家」として多数掲載されている。

■ 所有物件

2013年現在
3棟24室賃貸中

■ 著書

よしゆきさん本

「新米大家VSおんぼろアパート【赤鬼荘】-満室までの涙の240日」(ごま書房新社)

■ 投資に対する考え

「貧乏、暇なし、子沢山」と、元々の属性が低い(年収280万程度)為に 「地に足の付いた堅実な投資」をコンセプトとする。

「弱者の戦略」を練った結果、 実績を積むまでは現金購入を念頭に投資を展開。 競売戸建⇒築古地方アパートとじっくりと実績を積む。

次の段階として、資産の拡大へ。 状況が整った為に2012年に借入れにより物件を取得。しかし返済比率を30%未満に抑える事を重要視する事から地方都市での投資となった。

長期計画から、次の物件は「利回りが低くても近隣の物件」を取得する事を目標とし 年内を目処に購入予定。

また次のステージを目指し、法人による物件取得を模索中。 一方で大家業と言う狭義を飛び出した活動を模索。

様々なボランティア活動の他「この世界をどうやって楽しくしていくのか?」を 同じ目線で「今」を生きる多くの人達と一緒に考え、活動する。

NPO法人「みんなの森」へ賛同し、福島の子供達を東京都下の森への キャンプに招待する活動にも賛同、参加。

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