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新築マンションの元請会社が資金難に!そのとき、現場では何が起きたのか!?

サラリーマン大家ゆめさん_画像 サラリーマン大家ゆめさん 第4話

2021/2/22 掲載

私のマンション建築失敗に関する連載コラムへようこそ。

私は2018年2月に2億4,000万円のマンションを建設するため、工事請負契約を締結しました。これまでのコラムでは、スケジュール通りに進まないトラブルや、契約書にないお金を請求された話などをお伝えしてきました。

この工事請負会社( 元請会社 )に関わったことで損失を被ったのは、施主である私だけでなく、下請会社も同じです。今回のコラムでは、元請会社が破綻した( しそうだった )ときに何が起きたかを紹介したいと思います。

■ 工事請負契約の利害関係者たち

まず、この工事の利害関係者を整理します。一棟マンションに限らず、戸建てやリノベーションなど様々な工事の請負契約には、( 規模にもよりますが )多額の資金と利害関係者が発生します。利害関係者は請負契約の中でそれぞれの利益を得ます。

・元請会社:工事受注金額と下請発注金額の差が利益
・下請会社:元請からの工事受注と納品物や作業費との差が利益
・金融機関:融資に対する金利が利益
・施  主:完成物の取得

この利益に基づいて、利害関係者は誠実に業務を行い、様々な業務や納品を行うことがすべての前提になります。



■ お金の流れがストップするとどうなるのか

それぞれが自社の利益を得るために仕事を進める中、お金の流れがストップするとどうなるでしょうか? ちなみに、お金の流れがストップする要因としては、以下のようなものがあります。

・施主に何らかのトラブルが発生した場合
→銀行融資がストップして、元請に工事代金の支払いが行われないケースなど
・元請会社に何らかのトラブルが発生した場合
→下請会社に工事代金が支払えないなど

お金の流れが止まるとは、利益の受領が難しくなるということです。上記のような状況が発生すると、それぞれの利害関係者たちが自社の利益を確保するために行動します。具体的には、それぞれの立場に応じて、以下のように損失の最小化を図ります。

・元請会社:会社資産の外部流出をストップ
・下請会社:納品の停止、回収
・金融機関:金銭消費貸借契約の解約と融資額の回収
・施  主:???

恐ろしいことに、施主にできることはほとんどありません。( 弁護士に相談することくらいでしょうか )。そして最悪の場合、建物が完成しないにもかかわらず、借金だけが残ることになります。

■ 請負会社が経営破綻して起こったこと

契約書にないお金を請求されるなど、明らかに資金繰りに窮していた工事請負会社は、結局、破綻しました。そして、破綻する前に、「 会社資産の外部流出をストップ 」しました。

要するに、関係者への未払いが発生したのです。具体的には、社員給与・下請会社への工事代金・家賃や光熱費、通信費などの固定費などの支払いを止めました。また、前回のコラムに書いたように、施主である私に対して工事代金の前払い請求を行いました。

参照:度重なる「 契約にないお金 」の請求!マンション建築で施主が負うリスクの大きさを心得よ

焦りました。私はすでに工事が始まっており、多額の資金もつぎ込んだマンションを完成させたい一心で、銀行に融資残金の支出を交渉しましたが、銀行の承認はおりませんでした。

そこで、カードローンや親族からの借金をして現場の下請会社に直接代金を支払うことで、建物を完成させる方法を考えました。建物が完成しさえすれば、完成後に銀行から支払われる融資の残金で、すべて返済できると考えたからです。

そして、下請会社から工事見積書を出してもらい、「( 元請会社ではなく )施主から直接工事代金を支払う代わりに、工事を継続する約定 」を結びました。それに合わせて、請負会社( 元請会社 )とも、「 施主が下請会社に工事代金を直接支払うことができる覚書 」を締結しました。

もちろん、私がマンションを新築するにあたり、契約を結んだのは元請会社です。しかし、立て続けに起きるトラブルから、工事代金を元請会社に振り込むと私的利用される危険性が高いと考え、このような方法を取りました。

しかし、それで解決はしませんでした。元請会社は下請会社が出す見積書の中に自社の関連会社を潜り込ませ、不正に工事代金を受領し、しかもその関連会社から即日、全額を元請会社社長の個人口座に振り込ませるという行為を行っていたのです。

私は、下請会社の担当者の「 これで完成します 」という言葉を信じ、その見積書に記載されていたこれから必要になる工事の内容や金額、工程をよく確認することなく、支払いを行ってしまいました。

とにかく、建物を完成させたい一心でした。まさか、この期に及んで請負会社がまだこんな悪事を働くとは、思いもしませんでした。

■ 下請会社からの請求

今回のような元請会社が資金に窮すると、下請にも大きな影響が出ます。下請会社の工事代金への支払いは、作業完了後になることが通常です。そのため、元請会社は下請に工事だけさせて、支払いを渋るというトラブルが生まれやすいのです。

工事が進まなくなってきたとき、元請会社の社長が、「 カネカネ言っていうことをきかない下請は切って、新しい下請に発注して工事をやらせればいい 」と恐ろしいことを言っていたのを聞いたことがあります。

しかし、下請もやられっぱなしではありません。私の新築物件においては、下請会社は法的な対応として、次の方法を取ってきました。

@施主の元請会社への債権に対する仮差押処分

下請会社が元請会社からの代金の支払いを受けていないことを理由に、「 施主が元請会社に支払う予定となっている工事代金の支払債券 」を差し押さえる方法です。

私の場合、すでに元請会社に支払った金額が工事完成割合から見て多めだったため、元請会社に対する支払債券はなく、差押の対象となることはありませんでした。( 多く支払っていたことは弁護士との相談の中でわかりました )

A納品物への代金未払いを理由とする留置権を前提とした現場占有

元請会社からの代金未払いを理由に、下請会社が「 自社の納品物に対する留置権 」を主張し、土地建物を占有する方法です。これについても弁護士を間に入れて検討を進めました。

様々な理由から留置権の主張が認められる可能性は低いことがわかり、粘り強い交渉の末、下請会社の占有は解除となりました。( この話の詳細は次回コラムで紹介予定です )

■ もっと早く「 損切 」を決断するべきだった

お金の流れが止まった時、私には、何ができたのでしょうか? 一つは、「 損切り 」だったと思います。「 契約を結んだ元請会社のもとで建物を完成をさせたい 」という考えは、暴落中の株に追加で資金を投入しているのと同じでした。

反転する可能性はゼロではないですが、どこまで落ちるかもわかりません。バケツに穴が開いたような状態の元請会社に工事の発注を続ければ、永遠( ? )に資金を投入し続けることになります。この少し後に元請会社との契約を解除しましたが、遅すぎたと思います。

今思えば、「 この元請会社で完成させる 」ことを早々に諦め、請負契約解約のタイミングを見計らいながら、冷静に次の元請会社を探すことが必要でした。それに気づいたのは下請会社に工事代金を直接支払った後でした。元請会社の詐欺的な行為も、見抜けませんでした。

一方で、下請会社からの請求に対しては、間に弁護士さんを入れ、十分に検討しながら対応したため、大きなトラブルに発展することなく回避できたことはよかったと思います。

【 今回の反省とまとめ 】

・「 損切 」も選択肢に入れて次の策を検討するべきだった
・法的なトラブルについては躊躇せず、弁護士に相談することが大事

プロフィール

■ ユメさん



サラリーマン大家
関西在住

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不動産投資本当にあった怖い話

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夢が叶うか不動産投資

ユメさんのtwitter
@yumechoKM

■主な経歴

高卒で一部上場企業就職

組織の論理が優先される会社員に限界を感じ、不動産投資にチャレンジ

2棟購入後、2億4000万円のマンションの新築にチャレンジするも請負会社が倒産、必死で状況を立て直す

不動産投資の失敗談やサラリーマン大家の気持ちを中心とした情報発信を行う

不動産投資失敗王を目指す(逆境を乗り越えて復活へ)

家賃収入約1,600万円
キャッシュフロー約650万円

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