• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

17,574アクセス

確定申告は税理士に頼むべき?

渡邊浩滋さん_画像 第11話

今月から確定申告の受付が始まります。
大家さんにとっては、最も嫌な時期ではないでしょうか( 笑 )。

「 確定申告書の作成を税理士に依頼した方がよいのでしょうか? 」という質問をよく受けます。確定申告を自分でやれば、物件の収支がよくわかるというメリットもありますが、会計や税金の知識がないとハードルが高いというのも事実です。

そこで、どのような方が税理士に依頼した方がよいのかをまとめてみました。

1.規模で判断する

税理士に確定申告を依頼する基準として、規模を基準に考える方が多いようです。事業的規模( おおむねお5棟10室以上 )になると、複式簿記による帳簿をつけることで、青色申告特別控除額が10万円から65万円になります。

複式簿記は、ある程度の簿記の知識がないと難しく、時間や手間もかかるため、税理士に依頼した方が早いといえます。65万円の控除を受けられれば、節税額で税理士に払う報酬をまかなえるということもあります。

( 65万円−10万円※ )×税率=節税額 > 税理士報酬
※ もともと青色申告で10万円の控除を受けられていた場合

2.手間と時間で判断する

サラリーマン大家さんなど、平日は時間が取れず、休日は不動産会社さんとのやり取りに追われて、確定申告書を作成する時間がない方がいらっしゃいます。

日々、領収書などをきちんと整理して、帳簿をつけている方であれば、確定申告に時間もかからないですが、1年分の領収書を整理することから始められる方はかなり時間も取られることでしょう。

時間を買うという意味では、税理士に依頼するのもよいかと思います。

3.税理士に何を求めるのか

私の個人的な意見ですが、確定申告の業務だけを依頼するのであれば、税理士に依頼しない方がよいのではないかと感じています。税理士のくせに何を言っているのかと思われるかもしれませんね( 笑 )。

何が言いたいかというと、税理士に、確定申告の業務だけを依頼しても、あまり意味がないこともありうる、ということです。

確定申告だけを税理士に頼まれている方に、セカンドオピニオンとして相談を受けることがあります。申告書を見ると、必ずしもその税理士さんが、依頼者のことを考えて確定申告を作成しているとは思えないことがあります。

例えば、木造のアパートに、鉄筋コンクリート造の耐用年数47年( 木造は22年 )を使用しているという単純なミスがあったり、一括で経費にできる設備購入費用を、資産計上しているようなものも見受けられます。

これは、明らかに税理士のミスなので、注意をすれば防げるでしょう。しかし、ミスではなく、「 処理自体は合っているけれど、ビジョンや戦略がないために、残念な結果になっている 」ことも多いのです。

例えば、建物の償却を大きく取り過ぎているような場合です。そのような方が、所有期間5年以下で物件を売却すると、譲渡税が多額に取られてしまうということがよくあります。

近々、売却する予定かどうかを確認し、減価償却での税率と譲渡税の税率を比較し、譲渡税の方が高くなるのであれば、最初から建物の償却費を大きく取らないようにしようということもできたはずです。

つまり、今後の賃貸経営の方針( 何年後に売却する予定とか、来年もう1棟購入しよう等 )に合わせた確定申告書を作成しないと、後々の税金で損をしてしまうということです。

ここで注意したいのが、確定申告だけ税理士にお願いしようと、領収書などを渡しても、税理士は今後の賃貸経営の方針まで確認してはくれないということです。

「 税理士からは何もアドバイスがない 」と不満を漏らす方もいますが、確定申告だけを依頼されても、( 税理士も経緯がわからないという意味で )アドバイスのしようがないというのが本当のところではないでしょうか。

目先の所得税の節税だけを考えていてはダメなのです。物件の売却時期、2棟目の購入時期、法人化する時期、借り換えをするタイミング、相続対策を考える時期などなど、先々のことまで考えないといけません。

税理士に依頼するなら、確定申告だけではなく、ご自身の不動産投資の方向性、出口戦略、資産管理まで含めたトータル的なアドバイスを求めるべきだと思います

4.賃貸経営のライフサイクルに合わせたアドバイスこそ必要

賃貸経営者( 人 )も賃貸物件( 建物 )も年数を重ねていけば、変化が訪れます。

人であれば、高齢になるにつれて、相続対策が必要になりますし、建物であれば、老朽化していくことで、大規模修繕や建て替えなども検討していかなければなりません。

ですから、今後起こりうる事態を想定して、今どのような方針を立て、賃貸経営をすすめていくべきかを把握することが非常に重要ですし、税理士に依頼するなら、その点も伝えることが大切です。

以上のようことを留意して、税理士と上手に付き合ってくことで、これからの賃貸経営を成功させることができるのではないでしょうか。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

ページの
トップへ