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出口戦略の重要性ー地主は本当に有利なのか?-

渡邊浩滋さん_画像 第16話


1.地主は有利?

私は地主の2代目です。私の税務のクライアントには、地主さんもいれば、投資家さんもいらっしゃいます。そして、投資家さんから、「 地主は、もともと土地を持っているからうらやましい 」「 投資家は土地から仕入れなければならないので、地主から比べると不利だ 」と言わることがあります。

土地を持っている地主って本当に有利なのでしょうか?
私は、逆だと思っています。

「 土地を持っていない投資家さんの方が、地主よりも有利 」なのだと。

地主さんというのは、先祖代々から引き継がれた土地に固執する傾向にあります。自分が所有している土地の上に、アパートやマンションを建築することが一般的でしょう。つまり、そこで立地が決まってしまうのです。

本来であれば、その立地が賃貸をすることに適しているのか、市場調査をしながら、しっかりと検討しなければならないはずです。しかし、現実的には、相続税対策になるからとか、固定資産税が下がるからなど、賃貸経営とは関係のない判断要素が加味されて、判断がなされることも少なくありません。

そして、そのような地主さんに限って、大きな借入金を背負って、大型マンションを建ててしまうのです。そうなると、その地域の賃貸ニーズがどうであっても、もう、その場所で賃貸経営をやっていくしかなくなるのです。
家賃の値下がりが続いても、空室が増えていっても、です

私は地主の家系なので、その気持がよく分かるのですが、先祖代々の土地を売ることには、かなりの抵抗があります。自分の代で、手放すことになるのは避けたいのです。

赤字でもなんとか残そうとがんばっている地主さんを見ていると、大きな透明の十字架を背負っているんだなぁと思うことがあります。

2.所有し続けることのリスク

投資家さんの中にも、購入した不動産は、ずっと持ち続けるというスタンスの方がいらっしゃいます。不動産に愛着を持ち、長く稼いでもらおうという気持ちは、とてもよいことだと思います。

しかし、同時に、賃貸不動産を長く所有することは、リスクだと思っています

建物は古くなれば、修繕が必要になっていきますし、10年〜15年くらいのスパンで、外壁の塗り替えや、屋上防水工事などの大規模修繕をしなければなりません。その費用は、数百万円〜数千万円になることもあります。

さらには、建て替えです。建て替えというのは、非常にお金がかかります。建築費以外に次の多額な費用がかかります。

□ 立退き料

入居者さんに退去してもらわないと、建て替えができません。賃貸借契約の途中解約や更新しない旨の申し入れは、借地借家法で、家主側から行う場合には、正当理由がないとできないことになっています。そして、建て替えるというのは、基本的に正当理由にはならないとされています。

定期借家契約であれば、更新はありませんので、建て替えの数年前から、入居の入れ替えの都度、定期借家契約での締結にするという方法があります。ただし、それでは時間がかかってしまいますので、時間に余裕がない場合には、立退き料を払うのが一般的です。

立退き料は、明確な相場がなく、引越し代くらいで退去してくれる場合もあれば、半年分くらいの家賃相当額を渡す場合もあります。

□ 取り壊し費用

立退きが完了したら、建物を取り壊さなければなりません。ある程度の単価の相場はあるものの、地域や立地、構造などによって金額が異なります。これらの費用を含めて、事業として採算が合うのかどうかを見極めなければなりません。

そこまでの費用をかけて、その立地で賃貸経営を続けていくのか、その覚悟はあるのか、冷静に考えてみてください。その覚悟がなければ、早目に手放すことを考えないと、売り時を逃してしまう可能性があるのです。

3.投資家のメリットを最大限に活かすなら

私は地主の家系なので、建て替えをして賃貸経営を続ける覚悟でやっています。しかし、投資家さんは、そこまで気負う必要もないはずです。まず、投資先の土地を選定し、売り時を見極めて売却し、次の土地に投資することができるのは、土地に執着しない投資家さんならではです。

ですから、私は、物件を購入したての投資家さんに「 長く持ち続けることはリスクです。売却時期は今から考えておくようにしてください 」と伝えています。それが、投資家としてのメリットを最大限活かすことになるからです。

私が見る限り、資産を順調に増やされている投資家さんは、物件の入れ替えが上手い方といえます。


最後に、私事ですが、オフィスを移転しました。場所は、九段下で、元の事務所と数百メートルしか変わってないのですが、九段下の駅を出てすぐになりますので、とてもアクセスが良い場所です。

■ 新住所:東京都千代田区九段北1−3−1九段下プラザビル5F


引っ越し直前の写真

多くの大家さんに来ていただけるような事務所になっています。これからも困っている大家さんの力になれるよう努めていきたいと思っています。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

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