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お金がない!破綻寸前の赤字アパートを再生する3つの方法

渡邊浩滋さん_画像 第2話

1.お金を増やす3つの方法

前回のコラムの続きです。
両親が経営するアパートの収支を見て、愕然とした私。毎月、支出が多すぎてまったくお金が貯まりません。どうやってお金を残すのか、真剣に悩みました。固定資産税も払えず、差押えになるくらいですから、後はありません。

当時は、86室あるうち、常時10室以上の空室がありました。空室を埋めれば、お金が増えるということは頭でわかってはいるけれど、どうしたらよいかわかりません。

・空室を埋めるために、お金をかけてリフォームしようにも、そのお金がない。
・空室埋めて、収入を増やしても税金が増えてしまう。
・節税しようにも、お金が先行するような対策はできない。
・売却しても、借入金の返済で手残りは残らないどころか、その後の収入が減ってしまう。


とにかく、お金がない!!!


まさに、八方塞がり・・・

どん底のなか、自分ができることは何だろうと原点に立ち返ってみることにしました。自分の得意分野は数字だ。何をすればお金が残るのか。数字で考えるようにしました。そして、最終的に、手残りを増やす方法は次の3つしかないという答えにたどり着きました。

@収入を上げる
A支出を減らす
B税金を抑える


2.数字を分析すると見えてくるもの

具体的な数字で考えてみましょう。手残りを出す方法は、いろいろとありますが、私の基本は、いかにシンプルに考えられるかです。複雑になればなるほど、人は思考停止になってしまいます。

ですから、ざっくりと考えるため、使うのは「 収入・支出・税金 」だけです。収入から支出を引いたものが手残りと考えがちですが、そこから所得税や住民税などの税金を払わなければなりません。その税金を差し引いたものが手残りです。

収入1,000万円、支出500万円の場合の手残りは、下記のようになります( 税金は所得税、住民税を想定していますが、概算の数字です )。

収入 1,000万円
支出   500万円
差引   500万円
税金   110万円
手残り  390万円

この数字をもとに、収入、支出、税金を変動させてみます。

( 1 )収入が上がった( 収入が1,000万円から1,200万円になった )場合

収入 1,200万円
支出   500万円
差引   700万円
税金   170万円
手残り  530万円

( 2 )支出を減らした( 支出が500万円から300万円になった )場合

収入 1,000万円
支出   300万円
差引   700万円
税金   170万円
手残り  530万円

( 3 )税金を抑えた( 税金が110万円から半分になった )場合

収入 1,000万円
支出   500万円
差引   500万円
税金    55万円
手残り  445万円

いずれも手残りが増えています。では、どんなことをしたら収入が上がり、支出が下がり、税金が減るのでしょうか? 例えば、収入を上げる方法には、次のようなものが考えられます。

〇空室を埋める
・営業廻りをする
・空室をモデルルーム仕様にする
・リフォームをする

〇物件を増やす
・新規物件を購入する
・資産の組み換えをする

〇副収入を増やす
・自動販売機を置く
・携帯のアンテナを置く
・太陽光発電を置く

項目を挙げてみると、ハードルが高いものと低いものが見えてきます。つまり、お金をかけなくてもできるものとお金をかけずにできるものがあります。この中で、お金がかからない方法を優先的にやっていくことになります。

支出、税金についても同じことがいえます。ポイントは、それぞれバランスよく対策を施すことです。

収入を200万増やすのは難しいけれど、収入を100万円増やして、支出を100万円減らすのなら、意外と簡単かもしれません。いずれも効果は同じです。簡単な方法を組み合わせてみるのです。

収入 1,100万円
支出   400万円
差引   700万円
税金   120万円
手残り  580万円

このように無理なく、手残りが増やすことができる場合があります。数字を分析するということは、優先的に何をすべきかを探るということです。お金や時間は有限です。何にお金と時間を投資するべきか。賃貸経営においても重要なことです。

こうして収入を増やし、支出を減らし、税金を抑えることの組み合わせの中から、簡単にできるものを選び、組み合わせていくうちに、我が家のアパート経営はようやくお金が残るようになったのです。

3.表面利回りで判断しない

話は変わりますが、上記の話は新しく物件を購入される場合にも応用できます。物件価格が1億円、利回りが10%の物件の場合、収入は1,000万円になりますが、手残りは、支出や税金によって変わってくるのです。

ですから、表面利回りだけではなく、税引後の手残りの利回りで見ることが重要です。税引後利回りは、「 購入金額に対して、年間どのくらい手残りが残るかの割合 」のことです。

1,000万円の収入で、手残りが300万円であれば、税引後利回りは、「300万円/1億円×100=3%」となります。手残りが300万円から500万円に増やせるのであれば、この利回りが3%が5%になります。

実際に収入を増やせたり、支出を減らしたりできないか、数字でシミュレーションしてみることが大切です。

「 物件価格が1億円で年収が1,000万円の物件( 表面利回り10% ) 」と、「 物件価格が1億円で年収が700万円の物件( 表面利回り7% ) 」では、利回り10%に目が行くと思います。

しかし、手残りがどちらも300万円であれば、どうでしょうか? さらに、表面利回り7%の物件の方は、改善すれば手残りが500万円にできるのであれば、結論も変わってくるのではないでしょうか?

表面利回りは、ほとんど物件によって決まりますが、手残り利回りは、自分自身の経営力によって決まってきます。

そこに気づくと、不動産投資は、まさに経営であって、泥臭いものということがわかると思います。そして、そこが賃貸経営の一番面白いところでもあるのです。


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

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