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物件購入後にハガキが届く「償却資産税」って何? 無視するとどうなる??

渡邊浩滋さん_画像 第30話

不動産を取得してからしばらくすると、「 償却資産税の申告を出して下さい 」と不動産が所在する市区町村からハガキなどの通知を受けることがよくあります。

そこで、「 償却資産税なんて何だ? そんな税金がかかるなんて聞いてないぞ 」とならないようにしてください。

とくに最近は、償却資産税の申告を徹底している市区町村が増え、電話連絡が頻繁にきます。今までは、電話が来ても「 償却資産の対象のものはありません 」と一言で済んだのですが、様子が変わりました。

償却資産の対象のものがなくても、申告書を出してくれと言われたり、本当に対象のものがないか、建築の見積書を提出しろと言われることが多くなりました。今回は、この償却資産税について解説していきます。

1.償却資産税とは

(1)課税対象・税率

償却資産税は、固定資産税の課税のなかの一つで、土地・建物以外の事業用資産に課税されるものになります。土地・建物は固定資産税が課税されるので、それ以外の事業用資産( 償却資産 )についても固定資産税( 償却資産税 )が課税されます。

なお、事業用資産のなかでも、自動車税が課税される自動車などは除かれます。また、水道施設利用権などの無形減価償却資産や開業費などの繰延資産は、償却資産税の対象にはなりません。

賦課期日( 1月1日 )現在、所有している償却資産をその年の1月31日までに、資産が所在する市区町村に申告する必要があります。

土地・建物の固定資産税は、申告を必要とせずに、納税通知書が送られてきますが、償却資産税は、自ら申告しなければならないのです。

償却資産の課税標準額( 課税の対象額 )は、償却資産の取得年月、取得価額及び耐用年数に基づき、申告した償却資産ごとに賦課期日( 1月1日 )現在の評価額を算出( ※ )します。

税金は、その課税標準額に、1.4%の税率で課税されます。

(※)いわゆる旧定率法により年々減価していく計算になるので、年々税金は減少していきます。

(2)免税点

償却資産を1つでも所有していたら課税されるわけではありません。対象合計が少額であれば、課税しないことになっています。これを免税点といいます。

課税標準額が150万円未満の場合、免税点未満として課税されないことになっています。ですので、対象となる金額合計が150万円に満たないように調整できれば、償却資産税が課税されないことになります。

ただし、免税点未満と思われる場合でも償却資産税の申告は必要となりますので、ご注意ください。

2.償却資産の対象

土地・建物以外の事業用資産とは例えばどんなものがあるのでしょうか? わかりやすい例でいうと、外構( 門・塀など )やアスファルトなどの構築物、太陽光発電設備などの機械装置があります。

家屋の附属設備は、家屋に該当するのか、償却資産に該当するのか判断が難しい場合があります。家屋に含める附属設備の要件が定められています。

@家屋の所有者が所有する電気設備、ガス設備、給水設備等の建築設備であること
A家屋に取り付けられ、家屋と構造上一体となって、家屋の効用を高めるものであること

具体例をあげておきます。

(1)償却資産の対象となるもの
集合玄関のインターフォン設備・LAN設備・電気や水道の引込工事・避難器具・ルームエアコン・メールボックス

(2)償却資産の対象とならないもの
ドアホン・給湯器・便器・洗面化粧台・浴槽、ユニットバス・浴室乾燥機・流し台、システムキッチン・空調設備( ビルトイン方式 )・床暖房設備


(東京都HPより)

(2)リース設備

宅配BOX、防犯カメラ、エアコンなどの設備をリースで借りている場合には償却資産税はどうなるのでしょうか?

原則として、貸し手( リース会社 )が納税することになるので、借り手( 賃貸オーナー )が納税することはありません。

(4)少額減価償却資産

青色申告の特典として、30万円未満の設備を購入した場合、少額減価償却資産として全額経費に計上することができます。

しかし、償却資産税においては、この特例を適用しても償却資産の申告の対象になります。少額減価償却資産の特例は国税に関する制度ですので、地方税である償却資産税では適用にならないためです。

ただし、10万円未満で全額損金にしたもの、20万円未満で一括償却資産( 3年償却 )としたものは、償却資産の申告対象外になっています。

ですから、償却資産税を考えると、30万円未満の少額減価償却資産の適用ができる場合であっても、20万円未満もしくは10万円未満の基準を適用した方がよい場合があります。

少額減価償却資産における国税と地方税の違い

(東京都主税局HPより)

3.償却資産税の落とし穴

(1)廃棄した場合には申告が必要

償却資産税の減価償却の考え方は、旧定率法になります。算出した評価額が取得価額の5%を下回る場合は、取得価額の5%の額が評価額となります。

つまり、既に設備などを廃棄や使用しなくなって除却したにもかかわらず、その申告をしていないと、永遠に償却資産税が課税されることになります。

(2)事業でもプライベートでも使用する設備

例えば、パソコンを事業でも、プライベートでも使用している場合、所得税においては、事業で使用している割合分を減価償却などの経費にしていきます。

しかし、償却資産税では、割合分だけを申告することはできません。少しでも事業で使用しているのであれば、全体が課税の対象になります。

(3)申告もれの場合

調査によって申告もれが発覚した場合には、5年分さかのぼって課税されることになっています( 偽りや不正がある場合は7年間 )。あとから思わぬ納税にならないように、しっかりと申告しておきましょう。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

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