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法人化を検討中の大家さん必見。知らないと損する「個人と法人で取扱いが異なるもの」アレコレ

渡邊浩滋さん_画像 第37話

確定申告も終わり、今年の戦略を立て始める時期かと思います。個人の税金が高くなってしまい、法人化を検討されている方も多いのではないでしょうか。

今回は、個人と法人で取り扱いが異なるものをまとめてみました。ネットや書籍でも間違った記載がされているものを目にします。法人化を検討される際の参考にしてください。

1.分離課税

1)個人の場合

個人の不動産の売却については、「 譲渡所得 」に分類されます。譲渡所得は、分離課税と言って、他の所得( 不動産所得や給与所得など )とは別個に計算をして、税率をかけます。

不動産所得の赤字と、不動産の売却益は、相殺することができません。不動産の売却損と、不動産所得の黒字とも、相殺することができません。

2)法人の場合

個人と異なり、不動産所得などの区分がないため、不動産賃貸の損と不動産売却の利益など、あらゆる損益と合算して所得が計算されます。つまり、不動産所得と売却損益を相殺することが可能です。

2.土地負債利子がある場合の損益通算の制限

1)個人の場合

不動産所得については、赤字になった場合には、「 土地取得にかかる借入金の利子については、損益通算の対象にはならない 」という規定があります。

土地の借入金の利子については経費にならないということではなく、経費にはなるけれど、赤字になった場合には、赤字分から土地の借入金の利子を控除した金額が、損益通算の対象になるということです。

2)法人の場合

個人のような損益通算の制限はありませんので、土地にかかる借入金の利子分も含めて全て損益通算の対象になります。



3.購入時の登録免許税、不動産取得税

不動産を購入する際に、不動産登記をするための登録免許税、不動産を購入後に不動産取得税がかかります。

1)個人の場合

不動産取得税や登録免許税は、その年の必要経費に計上することになります。個人の場合には、経費計上する以外の選択肢はなく、購入時に大きな赤字になりやすいと言えます。

2)法人の場合

原則は資産計上ですが、登録免許税や不動産取得税は経費計上することもできるとなっています。つまり、資産計上するか、経費計上するか選択できることになっています。

法人の場合には、経費計上することで大きな赤字を出したくないという場合には、あえて資産計上することもできるのです。

4.事業開始前の利息

1)個人の場合

初めて賃貸経営をする場合における賃貸開始する前の借入金の利息は、必要経費ではなく、資産計上しなければなりません。

また、賃貸物件を取得するための借入金の抵当権設定登記費用、借入金の担保とした保険金の保険料など借入れのために通常必要と認められる費用についても、賃貸を開始する前に対応する部分は資産計上になります。

2)法人の場合

初めて賃貸経営をする場合か否かにかかわらず、支払った利息は、全て経費に計上することができます。

5.減価償却費が任意償却

1)個人の場合

毎年決まった減価償却を計上しなくてはいけません。これを強制償却といいます。1,000万円を4年で減価償却するとした場合には、1年あたり250万円を4年で経費化することになります。

2)法人の場合

法人の場合は減価償却を経費計上するのは任意となります。これを任意償却といいます。

1,000万円の建物を4年で減価償却するとした場合には、1年当たり250万円を限度として、限度額までならいくらでも( 100万円でも0円でも )、経費計上することが可能です。

最短で4年で減価償却してもよいし、10年かけても20年かけて償却してもよいことになります。法人の場合、戦略的に減価償却をコントロールできることになります。



6.経営セーフティー共済

取引先が倒産し、売掛金が回収困難になった場合に、貸付けが受けられる共済制度です。掛金として支払った全額( 月20万円が限度、累積で800万円まで )が必要経費になります。

1)個人の場合

個人で賃貸経営を行っている場合には、加入はできますが、掛金を必要経費に計上することはできません。

掛金を必要経費に計上することができるのは、個人の場合には事業所得者に限られ、不動産所得者は、必要経費が認められていません。

2)法人の場合

賃貸経営しか行ってなくても、加入して、経費計上することが可能です( 1年以上事業を行っていることが要件 )。

7.太陽光発電収入の事業税

1)個人の場合

太陽光発電を行っている個人は、「 所得 」に対して事業税が課税されます( 最大290万円の事業主控除あり )。つまり、赤字なら事業税は課税されません。

2)法人の場合

太陽光発電を行っている法人は、「 収入金額 」に課税されます。収入に対して課税されるため( 経費が引けないため )、赤字でも税金が発生することになります。

地域によって異なりますが、売電収入の約1%が課税されます。ただし、発電事業の売上金額が主たる事業の売上金額の一割程度以下であれば、主たる事業に含めて( 所得金額に対して )事業税を計算してもよいことになっています。



■ まとめ

個人と法人では、税率や制度が大きく異なりますが、上記のような細かい取り扱いが異なるものがあります。法人化する場合には、しっかりと抑えておいてください。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

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