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平成31年度税制改正が大家さんに与える影響-消費税還付の規制に係る改正はあったのか?-

渡邊浩滋さん_画像 第46話

2019年がスタートしました。あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年12月に、平成31年度の「 税制改正大綱 」が発表されました。これは税制改正の案であって、毎年12月頃に発表され、翌年の3月頃に国会で承認され、決定になるものです。

今後の賃貸経営に関わってくる内容もあるため、どんな改正が行われようとしているのかを押さえておく必要があります。大家さんに影響がありそうなものをピックアップして解説します。

※平成は今年最後になりますが、「 税制改正大綱 」に合わせて平成の表記にしています。

1.法人税率の軽減の延長

中小法人の年800万以下に対する軽減税率を19%から15%にする措置を平成33年( 2021年 )3月31日まで2年間延長されます。したがって、平成31年度の資本金1億円以下の普通法人の実効税率は引き続き、下記になります。

所得400万円以下 21.42%
所得400万円超800万円以下 23.20%
所得800万円超 33.59%

個人の場合、所得が330万円を超えると、超えた部分の所得税・住民税の税率が30%を超えます。個人の税金が増税傾向にあるなか、法人で物件を購入するニーズはまだまだ高まると思います。

2.ふるさと納税の見直し

平成31年(2019年)6月1日以後に支出された寄付金( ふるさと納税 )については、総務大臣が指定する、次の基準に適合する都道府県等を、ふるさと納税の対象とする。

(イ)返礼品の返礼割合を3割以下とすること
(ロ)返礼品を地場産品とすること

ふるさと納税の返礼品が年々高額になっていると批判され、規制される改正になりました。返戻割合が3割を超えるようなものであったり、商品券を返礼品にするなど地場産品でないものは、対象外となりました。

改正後でもメリットは充分あるので、引き続き活用していきましょう。

また、平成31年5月31日までに寄付した分は、上記の規制はありませんので、駆け込み的にふるさと納税することも可能です。ただし、平成31年度の所得状況で上限金額が決まりますのでご注意ください。

3.相続税法における配偶者居住権の評価方法

2020年4月1日から民法の一部( 相続 )が改正されます。相続による遺産分割協議や遺言書によって配偶者に居住権が設定できるようになりました。

相続税法では、この居住権をどのように評価するかが不明でしたが、今回の税制改正で明らかになりました。

4.相続時精算課税の年齢要件引き下げ

2022年4月1日から憲法が改正されて、成年の年齢が20歳から18歳に引き下げられます。それに伴い、相続時精算課税制度(※)を受けられる受贈者( 子または孫 )の年齢を20歳から18歳に改正されることになりました。

(※)60歳以上の直系尊属から子や孫へ贈与しても2,500万円までは贈与税がかからず、相続税の課税対象とする制度

お子様などに早く資産を移転したい場合などに相続時精算課税制度を利用することがありますが、より早い時期に移転が可能となります。

また、直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例なども同様に18歳に引き下げられます。

5.消費税還付の規制に係る改正はあったのか?

住宅用の建物などの消費税還付を規制するような改正が囁かれていましたが、平成31年度税制改正の中には、直接規制するような改正は盛り込まれていませんでした。

ただし、金の売買の密輸を防ぐために下記の改正が行われます。

@平成31年4月1日以後の金の売買について、密輸品と知りながら行った課税仕入れについて、仕入税額控除制度の適用を認めないこととする
A平成31年10月1日以後の金又は白金の地金の課税仕入れについて、本人確認書類の写しの保存を仕入税額控除の要件に加える

6.その他延長項目

@土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を平成33年( 2022年 )3月31日まで2年間延長する。

土地の売買による移転登記 2%⇒1.5%
土地の信託による移転登記 2%⇒0.3%

Aサービス付高齢者向け賃貸住宅に係る固定資産税の減額措置及び不動産取得税の減額措置の適用期限を平成33年( 2022年 )3月31日まで2年間延長する。

7.その他改正のトピック

直接大家さんとは関係ありませんが、税制改正のトピック的なところを解説していきます。

@仮想通貨の税務処理

・法人が、活発な市場が存在する仮想通貨を所有している場合には、期末時点の時価評価により評価損益を計上する。

・法人が、仮想通貨の信用取引を行っている場合には、事業年度末時点の未決算のものは、その時点で決済したとものとみなして計算した損益相当額を計上する。

A住宅ローン控除の拡充

消費税が10%になって購入した自宅については、住宅ローン控除を13年目まで控除できるようになります。

B個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度の創設

事業用で使われている資産について、事業承継手続きをするものについて、相続税を全額免除する制度が創設されます。しかし、不動産貸付事業は除かれているので、原則大家さんはこの制度が使えません。

今後の賃貸経営を考えるにあたって、税制改正を確認することは大切です。ご参考になれば幸いです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

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