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融資を引きたいならココを抑えろ!決算書を良くするための基本的な考え方

渡邊浩滋さん_画像 第51話

金融機関の融資が厳しくなってから、「 物件が欲しいけど、融資がおりなくて買えない 」という状況になっている投資家さんは多いと感じます。そのような方から「 融資を引くために決算書を良くしたい 」という要望が増えてきました。

たしかに決算書を良くするための会計のテクニックは存在します。しかし、決算書を良くしたいという方の中には、交際費を多く使い過ぎている方もいらっしゃいます。

利益を出したいけれど、税金は払いたくない。という矛盾をかかえているからでしょうが、そもそも決算書を良くすることの本質的な考え方がわかっていないのではないか、と感じてしまいます。

融資が厳しくなってきたからこそ、「 どうすれば決算書の内容を良くできるのか 」理解する必要があると思います。

1.決算書が良くなる取引は何か?

決算書を良くするには、利益を多く上げればよいということは、ほとんどの方は理解できています。利益を表すのは、損益計算書( P/L )です。しかし、金融機関が良く見るのは貸借対照表( B/S )だったりします。

この貸借対照表と損益計算書の繋がりがわかると、どうすれば決算書を良く見せられるかがより理解できます。

貸借対照表で重要なところは、純資産です。



純資産とは、資産と負債の差です。つまり、今、会社を全て売却して現金化すると、いくら残るかを表したものが純資産。この純資産が大きければ大きいほど、安全な会社ともいえるのです。

では、次の取引のうち、純資産が増える取引はどれでしょうか?

@1億円の土地を購入する
A1億円の借り入れをする
B500万円の家賃収入を得る
C500万円の修繕を行う

これらは簿記の仕訳で考えるとわかりやすいです。

@ 土地を購入したという情報しかありませんが、預金などの対価を払っているはずです。これを表すのが複式簿記です。例えば1億円の預金を払ったとすると、以下のようになります。

土地( 資産 )1億円 / 預金( 資産 )1億円

資産は1億円増えるけれども、1億円の資産も減っています。資産の中で種類が変わっているだけとわかります。したがって、純資産は増えません。

A 借り入れをするとマイナスになるイメージですが、借り入れによって預金が増えているはずです。

預金( 資産 )1億円 / 借入金( 負債 )1億円

負債が1億円増えるけれども、資産も1億円増えます。純資産は変わっていません。

B 500万円の収入を得たということは、その対価である預金が入ってきているのです。

預金( 資産 )500万円 / 家賃収入( 収益 )500万円

収益はPLに計上され、利益になるものです。BSだけを見ると、預金だけが増えています。純資産が増えていることがわかります。

C 500万円の費用を払うということは、その対価である預金が出て行くことになります。

修繕費( 費用 )500万円 / 預金( 資産 ) 500万円

費用はPLに計上され、利益から差し引かれるものです。BSだけを見ると、預金だけが減っています。純資産は減ることになります。

なお、この修繕が資本的支出に該当する場合には、資産計上することになります。すると、@と同じになり、純資産は変わらないという結論になります。

ここからわかるのは、純資産が増える取引はBだけである、ということです。利益を上げないと純資産は増えないのです。

もう一つ、純資産を増やす方法があります。それは、増資です。例えば、500万円の増資をしたとすると、以下のようになります。

預金( 資産 ) 500万円 / 資本金( 純資産 ) 500万円

これは、純資産を増やすためには手っ取り早い方法といえますが、増資をするには費用がかかります。登記が変更されるので登録免許税( 増資額×0.7%、最低3万円 )もかかります。

さらに資本金が1,000万円を超えると、毎年の均等割りが増加します( 東京都の場合7万円⇒18万円 )。また、資本金が1億円を超えると、中小法人の優遇税制が適用できなくなります。

2.金融機関にアピールするべきもの

決算書を本当に良く見せたいのであれば、結局は、利益を上げることが重要です。決算書を良く見せるテクニックはありますが、あくまでも見せかけだけの話です。

もちろんテクニックも重要です。しかし、根本が良くなければ、テクニックを使っても良くならないのです。

「 利益を上げる 」、これは一朝一夕では難しいことでもあります。しかし、即効性のあるアピールの仕方もあるのです。それは、「 経営力を示す 」ことだと思います。

その人が経営者としての資質があるのかどうか。決算書が良くでも、経営力のない経営者には融資は出ません。経営力をどうやってアピールするのか? については、以下のようなものが考えられます。

〇1年間で10室ある空室を満室にした
〇経費を削減できて、毎年の利益が出るようになった
〇会社の利益が下がったのは○○(雨漏りによる修繕費)があったからで、これを●●( 昨年修繕して )で改善したので来年は利益が上がることを説明した

小手先の決算書よりも、このようなプレゼンをする投資家さんの方が金融機関から高評価を得ていると感じます。そのためには、どんな取引をすると決算書がよくなることを理解することから始まります。

融資が出にくくなっている今だからこそ、何をするべきか考えましょう。

■ セミナーのお知らせ

6月22日( 土 )に行うセミナーで、銀行融資を受けるための決算書や確定申告書の作り方など詳しくお話しします。若干名お席があるようですので、ご興味ある方は是非いらしてください。
https://bit.ly/2JMpq3G

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)


税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営 (ぱる出版)

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