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大規模修繕は現金で支払うべきか?借入金でまかなうべきか?会計目線で比較してみた!

渡邊浩滋さん_画像 第53話

「 大規模修繕は現金で払った方がよいのでしょうか?借り入れした方がよいでしょうか? 」
こんな質問をよく受けます。

「 収益物件は、融資をガンガン引いて、物件を購入したい 」という方が多いかもしれません。しかし、大規模修繕をしたところで、収益を生むわけではないので、借入金を多くしない方がよいと思う方も多いような気がします。

というわけで、今回は、借入金についての考え方について解説していきます。

1.経営的な観点から見る借入金

借入金は少ない方がよいに決まっています。その方が無駄な利息を払わなくても済みます。 しかし、経営上は借入金をした方がよいこともあるのです。

経営をしているとキャッシュが少ない方が不安に感じます。突発的な支払いがあって、資金ショートしたらどうしようと、経営者は常に考えています。預金残高が急に少なくなると、落ち着かなくなってくるのです。

賃貸経営も同じではないでしょうか。10室同時に退去になったら・・・。老朽化によって雨漏りが発生したら・・・。資金ショートしないように気を配らないといけません。

賃貸経営は、他の事業と違い、収入は安定している方ですし、支出もある程度は、見込めます。手元にお金を残さなくても何とかなるだろう。そう思ってしまいがちな事業です。

しかし、経営である以上は、この先に何があるかわかりません。万が一のことがあれば、売却を考えないといけないことも…。しかし、市場に売却に出しても、すぐ売却できるとも限りません。

売却して残債が残ってしまうのであれば、売却は困難になります。ですから、ある程度手元に現金を残しておくことは、健全な経営をするために必要なことだと思います。

借り入れは、簡単にできるものではありません。物件を購入する。大規模修繕をする。そういった理由がないと、金融機関は貸してくれないのです。「 借りられるうちに借りておこう 」というスタンスが大事といえます。

2.会計から見る借入金

手元現金を使う方がよいのか、借り入れをした方がよいのか。会計的に考えてみましょう。 例えば、1,000万円の大規模修繕を現金で支払うか、借入金で支払うか、貸借対照表上何が異なるかを見てみましょう。

( 1 )もともと預金2,000万円持っていた方が、預金から1,000万円の大規模修繕を払った場合




その後、年間100万円ずつの家賃収入が貯まっていくと…




預金が年々増えていって、最終的には、もとあった2,000万円に戻っていきます。

( 2 )もともと預金2,000万円持っていた方が、借り入れをして1,000万円の大規模修繕を払った場合




その後、年間100万円ずつの家賃収入で借入金の返済をしていくと…




借入金が年々減っていって、最終的には、もとあった2,000万円に戻っていきます。

ざっくりとしたイメージではありますが、現金で支払っても、借入金でまかなっても、最終的なゴールは同じになるのです。

3.現金で支払うのと、借入金で払うのでは一体何が違うのか?

上記の表で考慮していないものがあります。それは、借入金をした場合の利息です。

借り入れをした場合には、利息を余計に払う必要があります。ですので、最終的なゴールまでは同じ期間でないかもしれません。逆を言えば、利息だけしか違わないとも言えます。

それよりも大きな違いは、手元に自由に使える現預金があるかどうかです。借り入れをした場合には、手元の2,000万円を自由に使えるのです。この預金を運用に廻してもよいし、万一があったときに備えておくのでもよいのです。

金利はこの自由な選択を得るための手数料と考えると、今の低金利の状況では、決して高くないような気がします。

4.結局は、手元現金をコントロールできるかどうか

利息だけの違いといっても、なぜか借入に恐怖感がある方が多いのも事実です。借入が多いとお金に苦しむイメージなのか、借り入れにネガティブになってしまうのでしょう。

なぜ借入に苦しんでしまう人がいるのか? それは、手元に残ったお金を無駄遣いしてしまうから。お金を計画的に取っておく。なかなかできることではありませんが、これができないから、借り入れは怖いというイメージがあるのだと思います。

しっかりとお金を管理し、プールしておくことができれば、借り入れは怖くありません。きちんとプールしておけば、いつでも繰り上げ返済できるのですから。

借り入れが悪いわけではなく、手元資金をコントロールできるかが重要で、そこには経営センスが必要なのかもしれません。

賃貸経営は多額の借り入れを要するものです。もう一度、借り入れとの付き合いを見直してみてはいかがでしょうか。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)


税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営 (ぱる出版)

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