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大家が確定申告で間違いやすいことベスト5【2020年版】

渡邊浩滋さん_画像 渡邊浩滋さん 第59話

2020/2/4 掲載

いよいよ確定申告の時期になってきました。 2月16日から3月15日( 令和2年は15日が日曜日なので16日まで )が確定申告期限になります。1ヶ月という短い期間で、1年分の収支を計算しなければなりません。

とくに賃貸経営は、不動産所得として独特の経理処理をする部分もあり、ミスしやすいと感じます。そこで今回は、私が独断と偏見で選ぶ「 確定申告間違いやすいランキングTOP5 」をお伝えします。



◆第5位:『 滞納分の家賃を収入計上していない 』

収入や経費は、原則、発生主義で認識をしなければなりません。発生主義とは、収入や費用を発生したときに計上するという考え方です。家賃の入金がなくても、家賃が発生していれば、収入に計上しなればなりません。

この場合、入金がないので、未収金( 資産 )として経理処理をすることになります。滞納家賃が回収されない限り、未収金( 資産 )が残ることになります。

家賃が回収できないことが明らかになった場合には、「 貸倒損失 」として経費計上していきます( 事業的規模未満の場合には、滞納が発生した年の確定申告を修正することになります )。

一方、実際に現金で受け取ったり、支払ったりするときに収入・費用を認識することを、現金主義といいます。現金主義は、青色申告者で、前々年の所得が300万円以下の場合に、税務署への届け出をすることによって、適用することが認められます。

◆第4位:『 返還しない敷金・保証金を収入計上していない 』

預かった敷金・保証金のうち、返還しなくてもよい部分があった場合、その部分は収入に計上しなくてはなりません。契約書に「 敷金は、退去時に滞納金、入居者負担のリフォーム代がある場合に相殺し、残額を返還する 」と記載がある場合がよくあります。

敷金の精算を行う場合には、本来、入居者が退去の際に原状回復をして明け渡さなければならないところを、負担すべき修繕費相当額を敷金から差し引いて精算するということです。

このように相殺された金額については、相殺される前の金額で敷金・保証金をマイナスする処理をし、実際に返却した現金との差額を収入に計上します。

敷金を相殺した後の金額で処理すると、実際の収支と合わなくなってしまい、後々の税務調査での追徴課税の対象になる可能性があります。

なお、最近では、契約時に「 クリーニング代 」などとして、退去時のリフォーム代を受け取るケースがあります。このクリーニング代は、退去時に実費精算をして入居者に返還するものでない限り、契約時に返還しないことが確定するため、契約時の収入に計上することになります。

◆第3位:『 設備を取り替えた費用を修繕費で計上している 』

エアコンや給湯器、キッチンなどの設備を新しいものに取り替えた場合には、資産計上して減価償却をするのが原則です。

古くなった設備を同じものに取り替えただけだからと修繕費で一括の経費にしがちですが、間違いです。取り替えは、「 建物の各住宅を形成していた一部分の取壊し・廃棄と新設が同時に行われたとみるべきもの 」とされているからです。

なお、取り替えた設備費用が、@1個につき10万円未満のもの、A青色申告者の場合1個につき30万円未満のもの( 総額300万円まで )であれば、全額経費にできます。

◆第2位:『 赤字になった場合、土地負債利子の計算をせずに、赤字全額を損益通算の対象としている 』

不動産所得については、赤字になった場合には、「 土地取得にかかる借入金の利息については、損益通算の対象にはならない 」という規定があります。

土地の借入金の利息について、経費にならないということではなく、経費にはなるけれども、赤字になった場合には、赤字分から土地の借入金の利息を控除した金額が、損益通算の対象になるということです。

例えば、不動産所得がマイナス100万円になった場合、経費計上した借入金利息120万円のうち、土地にかかる利息部分が60万円とすると、「 100万円−60万円=40万円 」のみが損益通算の対象になります。

◆第1位:『 物件購入の仲介手数料を支払手数料に計上している 』

購入した減価償却資産の取得価額には、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれます。つまり、購入代金だけでなく、購入するための付随費用も含めて資産計上しなさいということです。

不動産を購入するにあたり、不動産会社に支払う仲介手数料は、購入手数料に該当しますので、資産の取得価額に計上することになります。

土地建物一括で購入している場合は、仲介手数料を土地と建物の金額の比率で配分し、土地・建物にそれぞれ計上する必要があります。なお、賃貸の入居付けをしてもらった場合の仲介手数料は、「 支払手数料 」などの経費になります。



以上は、税理士でも不動産所得に慣れていないと間違えそうになる箇所です。これらに注意して、間違いのない確定申告書を作成しましょう。


プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)


税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営 (ぱる出版)


『 大家さんのための超簡単!青色申告 』【2020-2021度版 】

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