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賃貸経営の変革期!大家さんが「知らないとマズイ」2020年に変わるもの

渡邊浩滋さん_画像 渡邊浩滋さん 第61話

2020/4/2 掲載

4月になりました。
新型コロナウィルスによる影響はまだまだ続きそうですが、今が踏ん張りどころなのかもしれません。十分に注意し、励ましあっていきましょう。

さて、2020年の今年は、税法・民法が大きく変わる年です。とくに民法改正は、大家さんにとって賃貸経営が大きく変わる要素を秘めています。何が変わるのか、時系列で見てみましょう。

■ 1月1日からの適用

<所得税法の改正>

(1)給与所得控除の見直し

・給与所得控除額を一律10万円引き下げ。
・給与所得控除の上限額を、年収850万円、控除額195万円に引き下げ。

(2)公的年金等控除の見直し

公的年金等控除額を一律10万円引き下げ。年金以外の所得が1,000万円を超える場合は、控除額を引き下げ。

(3)基礎控除の見直し

・基礎控除38万円を一律10万円引き上げ、48万円とする。
・合計所得金額2,400万円を超える個人については、基礎控除を段階的に引き下げ、合計所得金額2,500万円を超える場合、基礎控除の適用をしない。

(4)65万円控除の見直し

青色申告者の65万円控除が、電子申告などを行わないと、55万円に引き下げ。

(5)寡婦( 寡婦 )控除の見直し

未婚のひとり親を適用対象。寡婦控除の要件、控除額の見直し。
基礎控除が10万円上がりますが、給与所得控除、公的年金等控除が10万円引き下げになりますので、サラリーマン、年金受給者は、影響なし。

ただし、年収850万円以上のサラリーマン、不動産所得などで1,000万円を超える所得のある年金受給者は、増税になるので注意をしてください。

また、今年度の申告から電子申告( もしくは電子保存 )しないと青色申告特別控除が55万円になってしまいますので、まだ電子申告等をされていない方は準備しておきましょう。

■ 4月1日からの適用

<民法( 債権法 )の改正>

(1)特に賃貸経営に影響を及ぼすもの3つ

@個人保証の極度額義務化

個人保証には、極度額を定め、書面等で契約しなければ無効になります。つまり、極度額の範囲内でしか保証人は保証しなくてよいことになります。

極度額10億円などと多額の金額を設定してしまえばいいではないかと思われるかもしれません。しかし、あまりにも高額だと、公序良俗に反して保証契約自体が、無効となる可能性が高くなります。

では一体いくらならよいのか。悩む大家さんも多いと思います。国土交通省は、極度額を決める参考資料として、損害額や滞納額の統計を出しているので、こちらを参考にして決めるとよいでしょう。

参照:https://www.mlit.go.jp/common/001227824.pdf

A借主からの家賃減額請求権の明確化

賃借物の一部が滅失等により使用できなくなった場合、それが賃借人の責任でないときは、賃料は、その使用することができなくなった部分の割合に応じて、減額されます。

例えば、給湯器が壊れてお風呂に入れない状況になったとき、家主が通常修繕にかかる期間( 免責期間 )を超えて修繕しない場合には、借主が家賃を減額請求し、家賃が勝手に減額されてしまうことになります。

B借地人の修繕範囲の明確化と敷金の性質の明確化

賃借人が修繕の負担を負うのは、賃借人に故意や過失があったものに限定されます。敷金から差し引かれる修繕も経年劣化は除かれることが明確化されます。

これらは4月1日以後に新たに契約したものが適用対象になります。契約更新については、当事者が合意した上での更新( 自動更新を含む )は、新たに契約したものとして新法の適用になります。

(2)配偶者居住権の創設

配偶者居住権を遺産分割協議もしくは遺言書で、終身又は一定期間、配偶者が無償で居住できる権利を与えることができる制度が創設されます。

4月1日以後の相続から設定することが可能です。相続税の節税に使えるため、今後の普及が見込まれます。

■ 7月10日からの適用

<自筆証書遺言の法務局による保管制度開始>

法務局が形式をチェックして保管してもらえることになります。費用は1件につき3,900円なので、公正証書遺言と比べると費用がかなり抑えらます。

検認手続きも不要になるため、使い勝手のよい遺言書として利用が増えることが期待されます。

■ 10月1日から適用

<居住用賃貸建物の消費税還付の規制適用開始>

10月1日以後に引渡しを受ける居住用賃貸建物は、消費税還付ができなくなります。なお、3月31日までに契約したものは、引き渡しが10月1日以後になっても規制の対象にはなりません。

いつから変わるかを明確に知っておくことで事前に準備ができます。大きな変革期だからこそ、しっかりと対応したいものです。

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プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)


税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営 (ぱる出版)

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