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Q&Aで解説!不動産投資家から見た「青色申告」のメリットとデメリット

渡邊浩滋さん_画像 渡邊浩滋さん 第72話

2021/3/2 掲載

今年初めて確定申告をするという方もいらっしゃるでしょう。「 青色申告でした方がよい 」「 青色申告は大変だからやめた方がよい 」と両極端な意見があります。一体どっちが正しいのか? Q&A方式で解説していきます。

Q1、青色申告とは何ですか?

【 A1 】説明します。日本の所得税は、1年間の利益( 所得 )を自ら計算して納税をするという、申告納税方式を採用しています。

国からすると、1人1人の税金計算をしなくてよいので手間が省けるメリットがあります。しかし、納税者側に計算を任せることで、きちんと税金計算をしているかわからないというデメリットもあります。

そこを補うために作られたのが、青色申告制度です。青色申告者は、きちんと計算がされているか検証できる一定の記帳義務を課す代わりに、税金上の特典を与えることにしたのです。

つまり、適正な税金計算がされるように、納税者にアメ( 税金上の特典 )とムチ( 記帳義務 )を与えたものが青色申告制度の特徴といえます。

昔は、青色申告者かどうかを判別するために、青色申告者は、青色の申告用紙で提出することになっていました。青色の申告用紙を使わない人は、白色の用紙を使うため、青色申告に対して白色申告と呼ぶようになりました。

( 現在は、青色かどうかを判別するために、申告書に青色の欄にチェックがつくようになっているため、青色の紙で提出する必要はありません )

青色申告にできるのは、不動産所得、事業所得、山林所得がある方のみです。給与所得( サラリーマンの収入 )しかない方が申告する場合には、青色申告はできず、白色申告のみになります。

Q2、青色申告のメリットは?

【 A2 】大家さんが不動産収入を青色申告をした場合、受けられる税金上のメリットは、次の通りです。

( 1 )青色申告特別控除

青色申告にすると、10万円の控除が受けられます。事業的規模( おおむね5棟10室以上の規模 )で、複式簿記による帳簿を付けるなどの要件を満たせば、10万円に代えて、55万円の控除が受けられます。

さらに、55万円の控除が受けられる方が電子申告または一定の要件を満たす電子帳簿保存をすることで、55万円に代えて、65万円の控除が受けられます。65万円の経費を使ったのと同じ節税効果を得られるのは大きいでしょう。

( 2 )少額減価償却資産の特例

設備を購入した場合、本来、減価償却資産として、その耐用年数で分割して経費( 減価償却費 )にしなければなりません。30万円未満の設備を購入した青色申告者は、その年に一括で経費にできる特例( 年間の合計で300万円まで )があります。

エアコンや給湯器などを交換した場合に全額経費になるため、頻繁に活用できる特例といえるでしょう。

( 3 )損失の3年間の繰越控除

不動産所得で赤字が出た場合の損失を3年間繰り越し( 繰越控除 )ができます。繰り越した赤字は、翌年以後の黒字と相殺することができます。

不動産所得の赤字は、まず他の所得( 給与所得 )と相殺され、それでも引ききれなかった赤字がある場合に、繰り越されることになりますので、サラリーマン大家さんは、余程大きな赤字にならない限り、繰り越されることはありません。

( 4 )青色事業専従者給与の支払い

家族( 同一生計親族 )に対して給与を支払っても、経費にできないのが原則です。同一生計親族とは、同じ家計でやりくりしているため、その中でのお金のやり取りは、経費にできないという趣旨です。

しかし、例外として青色事業専従者に対して支払う給与は、経費にできるのです。青色事業専従者を設定するには、事業的規模で、かつ、税務署に届出をすることが要件になります。

Q3、青色申告のデメリットは?

【 A3 】青色申告は、納税者に対するアメ( 税金上の特典 )とムチ( 記帳義務 )が特徴であると説明しました。ムチにあたる記帳義務が大変なのでは? と思う方もいるかもしれません。

その方はきっと、「 白色申告であれば、大変な記帳はいらない 」と思っているのでしょう。しかし、それは過去の話。平成26年からは、全ての白色申告者が帳簿義務の対象になっています。

確かに白色申告であれば、簡易な帳簿でも認められますが、国税庁の例を見ると、簡易な帳簿でも通常の帳簿でもつける側にとっては大きな差はありません。




簡易な帳簿の記載例。国税庁 帳簿の記帳のしかた−不動産所得者用−より抜粋

白色申告者でも記帳の義務があるのであれば、青色申告には特有のデメリットは存在しない、という結論になるでしょう。

Q4、青色申告には調査が入られやすい?

【 A4 】「 青色申告にデメリットはないとか言うけれど、帳簿を調べるために青色申告は税務調査に入られやすいと聞きましたよ? 」というような方がいますが、そんなことはありません。

私の感覚では青色よりも白色申告者の方が、税務調査に入られる可能性が高いと思っています。白色申告者には、きちんと帳簿をつけていないというイメージがあるからです。

税務署も、税務調査に行くからには税金を徴収するという成果を求めます。その点、白色申告者は税務署から見て、突っつけばボロが出るのではないかという印象になっているのです。

古い資料ですが、税務署の内部資料には、青色申告者よりも白色申告者の調査割合を高めることと、実際に明記されています。

「 白色申告者と青色申告者の別及び所得者層の別に応じて適切な指導及び調査を行うこととし、白色申告者に対しては青色申告者より高い調査割合を確保するとともに、高額所得者を中心として調査内容の充実に努める。」( 税務運営方針 昭和51年4月1日 国税庁 )

Q5、青色申告にするためには何が必要か?

【 A5 】青色申告にするには、税務署へ申請手続きが必要です。青色申告承認申請書を、青色申告を適用しようとする年の3月15日まで( 1月16日以降に開業した場合は、開業日から2ヶ月以内 )に税務署に提出します。

令和3年度に青色申告にしたい場合は、令和3年4月15日( コロナにより期限延長 )までに提出が必要になります。青色申告にはメリットしかありません。1戸での賃貸でも青色申告にできます。 期限までに届け出をして青色申告にしましょう。

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)


税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営 (ぱる出版)


『 大家さんのための超簡単!青色申告 』【2020-2021度版 】

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