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大家の知らないマイナンバーの使い方、使われ方【その3】

渡邊浩滋さん_画像 第8話

いよいよマイナンバーの通知が始まりました。お手元に届いた方もいらっしゃるのではないかと思います。今回は、マイナンバーの今後の展開と対策をお話します。

1.拡大していくマイナンバー利用

現状、マイナンバーは、社会保障、税、災害の分野のみに利用が限定されていますが、今後は利用を拡大していくことが予定されています。

○ 預金口座

平成30年から銀行の預金口座などにマイナンバーの記載が始まる予定です。当初は、利用者の任意ですが、平成33年を目処に義務化も検討されます。

預金にマイナンバーが導入されることで、役所側が口座の残高や入出金の情報を確認することができます。税務署は、所得もれ、贈与、相続などでの調査に利用します。

社会保証の面では、収入や財産の額が、福祉を受ける要件に合致している等のチェックで利用することが予想されます。

○ 医療

平成30年を目標に、健康保険証と個人番号カードの一体化を目指しています。カルテや診療報酬明細( レセプト )などの医療情報にマイナンバーとは別の番号制度を導入し、お医者さんが個人の診療結果や処方薬の情報を共有できるようにし、二重の投薬や二重検査を避けることを目的にします。これにより、医療費を削減できる効果があります。

○ 不動産

まだ検討段階ではありますが、不動産登記にもマイナンバーが導入されることが予想されます。登記の情報は、すべて税務署に回ることになりますが、誰がどの不動産を購入したり、売却したということは簡単に調べられることになります。

さらに、いくらで購入したか、いくらで売却したかは、支払調書や銀行口座に記載されるマイナンバーで、こちらも簡単に把握できるようになります。

◯ その他

自動車登録、パスポート、戸籍事務などにも利用が検討されています。つい最近も、マイナンバーを食料購入に係る消費税の還付に利用しようという案がありましたが、今後はどんどんマイナンバーを利用した仕組みができると考えられます。

2.マイナンバーが拡大されると

マイナンバーの記載が各サービスや特典を受ける要件にされることも、今後はあるように思います。例えば、年金の受け取り、税金の還付、助成金の申し込みや受け取り、金融機関の融資の申し込みなどをする場合には、マイナンバー付の預金口座を記載することが条件とされるなどです。

そうなると、好き嫌いにかかわらず、誰もがマイナンバーの記載をする他に選択肢がなくなっていくように思います。

3.マイナンバーへの対応をどうすればよいか

(1)現金取引は有効か?

マイナンバーが預金口座に導入されると、ほとんどの経済取引が国にガラス張りになってしまいます。では、それが嫌な場合は、預金取引ではなく、現金取引に変えればよいのでしょうか?

私は、あまり意味がないと思っています。たしかに現金取引なら、預金口座から情報はわかることはありません。しかし、取引先が提出する支払調書や取引先の預金口座の動きなどから、取引の実態はつかめてしまいます。

現金取引にすると、手持ちの現金を多く持っていなければならなくなります。現金を手元に置いておくことによる別のリスク( 盗難や詐欺など )が高くなることも懸念しなければなりません。

(2)個人のマイナンバーを通知したくない場合

大家さんは、賃貸する賃借人や売買する買主が、会社の場合には、税務所に提出する支払調書作成のため、個人のマイナンバーを提示しなければならない場合があります( 前回のコラムを参照ください )。

相手先に個人のマイナンバーをどうしても伝えたくなければ、法人で取引を行うという方法があります。法人には、法人番号が付番されますが、これはインターネットで公表され、誰でも検索できることになります。個人番号のように、プライベートの情報ではないのです。

また、法人であれば社会保険適用事業者になります。法人から給与が支払われれば、社会保険料の負担が発生します。マイナンバー制度導入後は、社会保険の未加入が見過ごされない可能性がありますので注意が必要です。

(3)今後の対策は?

マイナンバーの法律が変わらない以上は、正々堂々と立ち向かうしかないと考えます。下手に隠し事をしようとするからいけないのであって、不正をしていなければ、余計な税金などを取られることもないのです。

それよりも、正当な方法で所得税対策、相続対策をすすめていった方が金銭的にも精神的にも負担は少ないと言えるでしょう。今後は、正しい対策をするために専門家と二人三脚で資産を防衛していくことが求められる時代になると考えます。

(4)マイナンバーの本当の目的は?

ここからはあくまでも私の推測です。

現在、年金を受け取っている人が、給与を受け取っていると、もらえる年金額が減額される場合があります。調整の対象になるのは、給与を受け取っている人のみです。資産がいくらあるとか、預金がいくらあるなどは考慮されません。

今後はマイナンバーにより、資産や預金が把握されることで、以下にあてはまる人については、年金額を減額、医療費の自己負担割合を上げる、ということが考えられます。

・預金が一定額以上ある方
・資産が一定額以上ある方
・給与以外でも一定の収入がある方


もともと政府は、社会保障と税の一体改革として、社会保障費用を削減しようと考えています。今後は、年金や医療費補助に頼らず生きていける資産形成が必要なのかもしれません。



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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

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