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年末までに確認すべき確定申告と節税のこと

渡邊浩滋さん_画像 第9話

今年もあと1月足らずになりました。年が明けると、確定申告の時期になります。

しかし、確定申告の対象は、1月から12月末までの期間の収入と必要経費です。つまり、12月までに確定申告の対策をしておかないと、年明けでは間に合わないことになります。

では、年末までにどんな対策ができるのでしょうか?

1.小規模企業共済の加入

小規模企業共済とは、個人事業主の退職金制度です。掛金として積み立てた金額を将来共済金として受け取れます。掛け金は月7万円が限度( 年84万円 )。その掛金を支払う場合、全額が所得控除になります。

年払いも可能ですので、12月に84万円掛金を払って全額所得控除にすることも可能です。

事業的規模の大家さんか、会社の役員である大家さんが対象になります。事業的規模があっても、サラリーマン大家さんは加入できないことになっていますのでご注意ください。

2.セーフティー共済( 倒産防止共済 )の加入

取引先が倒産し、売掛金が回収困難になった場合に、貸付けが受けられる共済制度です。掛金として支払った全額が必要経費になります。掛け金は、月額最大20万円( 年240万円 )までです。ただし、掛金総額800万円までが積立限度額で、それ以上の金額は掛けられません。

不動産所得のみの大家さんは、加入はできますが、掛金を必要経費に計上することはできません。掛金を必要経費に計上することができるのは、個人の場合には、事業所得者に限られ、不動産所得者は、必要経費に計上することが認められていません。

太陽光発電を事業的規模で行って、事業所得がある大家さんは、対象になります。ただし、事業開始後1年以上経過していることが要件です。年払いも可能ですので、12月に240万円掛金を払って全額必要経費にすることも可能です。

40カ月以上掛金をかけることで、解約手当金は100%戻ります。なお、解約手当金は、全額収入になりますのでご注意ください。

3.ふるさと納税の活用

ご存知の方も多いと思いますが、ふるさと納税とは、都道府県や市区町村などの自治体に 2,000 円を超える寄付金を行うことで、2,000 円を超え一定限度額までの金額が、所得税・住民税から還付・減額される制度です。

国などに税金を払うか、自分が選択した自治体に寄付するのかの違いであり、お金が出て行くのには変わりありません。厳密には節税にはなっていませんが、自治体により、寄付金のお礼として特産品などが送られてくるため、人気を集めています。

複数の自治体へ寄付できるので、実質 2,000円の自己負担で、いくつもの返礼品を受け取ることができます。平成 27年度税制改正により、平成27年分のふるさと納税から、限度額が住民税のおよそ 1割から2割へ引き上げられました。

《 改正後の上限額の目安 》
・課税所得が300万円の場合77,000円
・課税所得が500万円の場合 144,000円
・課税所得が1,000万円の場合 352,000円


地域や返戻品などで検索できるポータルサイトを使うのが、オススメです。

「 ふるさとチョイス 」
「 さとふる 」
など

平成27年4月1日以降に5カ所以内の自治体に寄付をした場合、一定の手続きをすると確定申告が不要になるワンストップ特例制度が創設されました。しかし、給与収入や年金収入のみで本来確定申告をしていない方が対象です。

大家さんは、確定申告により、ふるさと納税による控除( 寄付金控除 )の手続きを行います。すでに品切れも出始めてます。おすすめの品については、徳田文彦さんのコラム「 メリットしかないふるさと納税 」も参考にしてください。

4.来年の収入に繋がる支出を

節税になるからと言って、やみくもに経費を使うのは、お金を減らすだけです。今年の収入と経費の金額から所得税の税率を算出し、例年よりも税率が高ければ、経費を今年使い、例年よりも税率が低ければ、経費を来年に回すことで、効率的な節税ができます。

※ コラム4話「戦略としての経費の使い方」をご参照ください。

また、来年の収入に繋がる支出をするのも有効です。青色申告者であれば、一個につき30万円未満( 総額で300万円まで )のものであれば、その年の必要経費にすることができます。

防犯カメラ、宅配ボックス、TVモニター付インターフォンなどを設置してあげることで、年明けの繁忙期の入居促進に繋がりますし、現在入居している部屋なら、退去の防止にもなります。

退去があると、リフォーム費用、募集費用など出費が多くなります。バリューアップのための節税投資は、その出費を防ぎ、かつ、節税ができるメリットがあるのではないでしょうか。

また、年末に共用部分の清掃をプロにお願いするのもよいでしょう。年末に部屋を大掃除するのと一緒で、賃貸物件の共用部分も大掃除は必要です。部屋をリノベーションして最新の設備を入れたり、部屋をどんなにキレイに飾っても、共用部分が汚かったら台無しです。

個人的には、部屋の過度なリノベーションよりも、共用部分を常にキレイにする方が入居募集には効果が高いと思っています。年末まで、悔いの残らない節税対策をしましょう。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

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