2016年4月に起きた熊本地震では新耐震と呼ばれる1981年に施行された基準に基づいた住宅が倒壊したことで話題になった。1995年の阪神・淡路大震災では新耐震と旧耐震での住宅被害の差がクローズアップされ、新耐震なら大丈夫というのが常識とされてきたが、それを覆す倒壊例である。
しかも、阪神・淡路大震災後の2000年以降は2000年基準と呼ばれる接合金物補強、壁量バランスの重要性を強調した基準が施行されているのだが、その基準で施工された住宅の中にも倒壊した例があった。つまり、これまで安全とされてきた基準が役に立たないかもしれないという懸念があるわけで、それを実際の倒壊例から検証しようとしたのがこの書「なぜ新耐震住宅はたおれたか 変わる家作りの常識」(日経ホームビルダー編 日経BP社刊)である。
専門的な内容でもあり、素人にはこれを読んで実際の建物をチェックできるかと言えば、かなり難しい。だが、いくつか、素人でも注意できそうな点が
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