お笑いコンビ、「カラテカ」の矢部太郎さんが書き下ろしたエッセイ漫画「大家さんと僕」(新潮社)が、10月の発売以来、好調な売れ行きを記録している。
とあるきっかけから、新宿区にある二世帯住宅の2階に住むことになった矢部さんに訪れた、87歳の女性大家さんとの出会い。
そして、戦前生まれという世代ギャップに戸惑いながらも、1階に住む彼女と次第に仲良くなり、お互い独り身の友人として、二人は温かい友情を深めていく。
お笑い芸人の矢部さんらしいコミカルなツッコミも随所に交えつつ、シンプルで優しい画風と相まって、とてもほのぼのとした気分にさせられる1冊だ。
大家さんは、東京生まれの東京育ち。裕福な家庭に育ちながらも、戦争や疎開、そして離婚といった、さまざまな苦労を経験している。
タクシーで伊勢丹に通い、レストランから毎日の食料品まで、百貨店ですべてをまかなう豪快さを持ちつつ、派手な暮らしはしない。
「ごきげんよう」と、上品な物腰で誰にでも優しく接するが、物言いははっきりしていて、いかにも東京生まれらしい気風の良さが心地いい。
無茶な仕事をする矢部さんを心配したり、彼を家に呼んでお茶をご馳走したりと、懇意にしてくれ
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