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【不動産投資本】2200件もの滞納案件と戦った司法書士、太田垣章子氏の新作。「家賃滞納という貧困」

不動産投資本/書評 ニュース

2019/02/27 配信

本ニュースページの執筆者の一人でもある司法書士の太田垣章子さんの最新刊が、今回紹介する「家賃滞納という貧困」だ。

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不動産賃貸業を営む人たちはもちろん、不動産業界にいる人間には、身近な問題であるはずの家賃滞納。しかし、家主側の訴訟代理人として、16年間で2200件以上もの滞納案件と向きあった著者が紹介する18の滞納の現場は、あまりにも“こちら側”の世界とかけ離れている。

登場する滞納者は、元広告代理店勤務のサラリーマンから、身寄りのない高齢者まで様々だ。読み進めてわかるのは、著者が出会ったのは、悪質な滞納者よりも、「がんばっているのにお金がない人たち」が多いということ。正社員が減り、派遣社員やアルバイトで暮らす人々が増えた日本では、小さなきっかけで貧困は始まるのだ。

第5章「夢を見れない若者たち」には、昼間は工事現場で働き、夜は定時制高校に通いながら、父親の滞納した家賃を肩代わりし、心を病んだ母親の面倒を見る18歳の若者が登場する。著者はこの若者と話しているとき、何度も泣きそうになったという。

他に、両親が揃っているのに児童養護施設に入ることになった13歳の男の子、ライフラインの止まった家でカップラーメンをかじっていた幼い子供も…。これが現代の日本で起きているとは信じられないほど、苦しい暮らしがそこに広がる。

■ 滞納は「本人の努力不足」なのか?

自主管理でもしていない限り、大家が入居者と対峙する機会は少ない。多くの大家にとって、滞納はお金の問題だ。

しかし、本書を読むと、滞納の先にある「入居者の人生」が見えてくる。そして、その人生はたいてい、不運だ。 自分だけでなく、親もトラブルを抱えているケースも多く、多くの滞納者には頼るところがない。

資本主義のルールでは、資本は資本のあるところに集まり、さらに大きくなっていく。そして、子供が受ける教育は、親の経済力の影響を受ける。また、人間の能力は遺伝によるところが大きい。

滞納者に対して、「本人の努力不足」と決めつけようとする時、私たちは自分が”普通の親”に育てられ、”人並みの教育”を受けられたことが、そうでない人たちから見れば、非常に恵まれた環境であるということを、忘れてはいないだろうか?

もちろん、だから家賃滞納を許せ、という話ではない。著者が提案するのは、養育費が支払われないことによるシングルマザーの貧困、民法に阻まれて受け入れ先のない高齢者など、家賃滞納によってあぶりだされた法律の問題点を見直すことだ。

この問題点が改善されて救われるのは、弱者だけではない。本書には、高齢であることを理由に滞納者を退去させることができず、600万円を超える被害を被った家主が出てくるが、ルールを見直すことは、こうした貸す側にとっても、メリットは大きいといえる。

■「私がいるから大丈夫だよ」と言ってあげたい

著者は常に弱者を切り捨てず、寄り添ってきた。それは、30歳で乳児を抱えて離婚し、36歳で司法書士の試験に受かるまで、極貧生活を続けてきた著者にとって、彼らの存在が他人事ではないからだという。

“「私がいるから大丈夫だよ」と言ってあげたくて、本来の司法書士の業務の枠を超えてよりそってきた。苦しかった当時の自分がなによりも聴きたかったからです。罵声をあびせられて「もうムリ」と思って泣いたことも数えきれません。”(後書きより)

本の売り上げはシングルマザーの支援のために役立てられるという。失業、病気、離婚…。貧困の入り口は、どこにでもある。

運よく今、お金に困らない生活を送れている人間として、大家として、著者の活動と世の中の弱者のために何かできることを探したくなる。そんな読者の思いを引き出す、優しくて強い一冊といえる。

健美家編集部

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