衝撃的な本だ。一部の不動産業者とスルガ銀行が結託し、客(=不動産投資家)を置き去りにしたまま、自分たちの利益追求に走る“異常な商売”の内情が、著者である藤田知也氏(朝日新聞記者)の取材でつまびらかにされている。題名は、「やってはいけない不動産投資」。確かに、不動産投資のことを知らない人が読めば、不動産投資なんて絶対に「やってはいけない」と感じるようなえげつない内容がいくつも並ぶ。
本書に登場する“あちら側”の行員や営業マンたちは、自分のノルマさえ達成できれば、客の人生を狂わせることなどどうなってもいいと考えている風に見える。しかも、手口が巧妙だ。
あるサラリーマン大家は、自分の知らないうちに書類が偽造され、決済の席で隣にいる営業マンから「数字が違いますけど、話を合わせてください」と告げられたという。戸惑いつつもそのまま決済を終えたというそのサラリーマン大家を「自己責任」と切り捨てるのは酷というものだろう。
すでに家賃収入を得ている不動産投資経験者たちも少なくない。「サブリースのリスクは知っていたが、10年目から借上金額が下がると書いてあったのが、かえって信用できると思った」「知り合いにすすめ
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