不動産業界で活躍する司法書士の太田垣章子氏の新刊だ。『老後に住める家がない!明日は我が身の“漂流老人”問題』という題名から、「年を取ったら賃貸物件は借りにくいので早めに住まいの準備をしておこう」という賃借人向けの本かと思いきや、そうではない。
長年にわたる滞納、老朽化した建物からの退去拒否、ゴミ部屋、孤独死後のイザコザ…。ページをめくるたびに登場するのは、問題を起こす高齢入居者と、頭を抱えるオーナーたち。この本を読んで多くの学びを得るのは、賃借人よりもむしろ、不動産オーナーの方だろう。
「貸してさ、使われていてさ、払ってもらえないって、こんなに大変なのに、まだ免除しなきゃいけないのって本当におかしいですよね」
「古い建物にばかり気を取られていましたが、実際は高齢化された入居者の方が大変だったんですね。こんなに大変だとは、思いもしませんでした」
「まるでこちらが悪質な督促をしているみたいじゃないですか。気を遣って督促できなかったほどなのに。こんな後ろ足で砂をかけるような奴、もう許せません」
「もうね、絶対に高齢者の人に住んでほしくない。そう思ったのよね」
長く住んでもらったのだから、滞納があっても、
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